講演会三昧 土曜日の巻 7月20日

台風が襲来して去り、そして暑さと日本列島は自然の猛威で大変です。その束の間、美しい六甲山の緑と川の流れは見事な情景でした(写真1)。景色に見惚れた後、テレビを視ると台風被害と熱中症のニュースが交互に飛び込んできました。そんな折、自宅のエアコンが週末になって突然故障し、家での生活が困難に陥りました。もっとも土、日曜と2日連続で講演会に参加することが、以前から決まっていたので炎暑の自宅を逃れる結果となりました。講演会場は涼しい、いや寒いくらいの医師会館やホテルでした。長袖に身を包み、講演拝聴をすることになりました。それにしても土曜の午後から日曜日の夕方までというタイトな講演スケジュールにはさすがに疲れました(さすがに夜の講演はありません)。
いつも講演会に出席して感得することは
①知識の復習となり、整理がつくこと
②知らないことを教示してもらえること
③同じ病気であっても様々な見方・解釈があること
④何よりも明日からの臨床の場ですぐに役立つ知識を得ること
等々があります。今日の講演会で印象的であったことを幾つか挙げてみました。
まずは土曜日の講演会について報告します。

リウマチについて兵庫医大・内科の佐野教授の話を聴き、抗ccp抗体の有用性について学びました。リウマチは日頃接することが少ない疾患のため、正直なところこれまで抗ccp抗体についてあまり関心がありませんでした。しかし本検査は特異度が高く、発病前から陽性となることがあるので早期診断に有効ということを知りました(図1)。

神戸中央市民病院・小児科の岡蒔先生のエピペンに関するお話しも大変参考になりました。現在、エピペンはだいぶ広く周知されてきました(写真2)。それでも食物アナフィラキシーショックにおいてエピペンの使用を躊躇してしまう現状があります。その躊躇してしまう理由として
①アナフィラキシーがどういうものであるか十分知識がない
②以前の経験から今回の症状も軽快すると期待してしまう
③重症度を甘く判断してしまう
④常備している経口薬へ過度に期待してしまう
⑤注射することが怖い
⑥アドレナリンの副作用が心配
ということが挙げられています。しかしこれらの理由は、いずれも全て解決可能なものであります。そのためには関係者への十分な教育が必須であります。とにかくアナフィラキシーは劇的に悪化するので「おやっと思えば、すぐさまエピペン」と考える必要があることがわかりました(図2)。
大西内科ハートクリニックの大西院長が、「循環器内科医が診るCOPD」をテーマにお話しをされました。左心不全患者さんの2~3割にCOPDが合併するということが解説されました。またCOPDの患者さんは思っているよりも数が多く、たとえ軽度の人でも身体活動性が低下することが理解出来ました。一般内科医の先生方は「自分の外来にCOPD患者さんは来ていない」と思っているかもしれませが、けっしてそんなことはありません。実際には「1時間に1人くらいは知らずにCOPDの人を診ている可能性がある」ということが解説されました。とにかく日常診療においてCOPDに関心を持ち、注意を払うことが必要ということを理解しました。さらに帰宅してから大西先生の著作(写真3)を入手して読み、あらためて理解が深まりました。
次回は、日曜日の講演会について報告致します。

キャプチャ1写真1 六甲山と都賀川の見事な調和

キャプチャ2図1 ファルコバイオシステムズのホームページから引用しました。
http://www.falco.co.jp/index.html

キャプチャ3写真2 エピペンのガイドブック
ファイザー株式会社のパンフレットから

キャプチャ4図2 エピペンは出来るだけ早く注射することが必要です。
ファイザー株式会社のパンフレットから

キャプチャ5写真3 大西先生の著作
メディカ出版  ISBN : 978-4-8404-5313-4