盛夏、お盆の過ごし方 8月16日

子どもたちは夏休み真最中です。海、山へと出かけ、日焼けした子どもさんの顔をみますと、その元気さに心が和みます。また涼を求めて出かけたレストランでランチョンマットに描かれた朝顔の絵を見て、夏の爽やかさを感じました(写真1)。このように夏にも色々と心動かされる事象があります。

さて8月はお盆を迎え、心静かに先祖を偲び、普段の日常生活の反省をするひと時ともなります。また盆休みは、普段できないこと、例えば部屋の掃除、小旅行などをすることにもなります。今年は何処にも出かけず、もっぱら掃除と読書(主に医学書)をしました。掃除をすると室内が整頓されるだけでなく、心の整理もついてきます。また読書をすると新しい発見があり、暑さを忘れて心が弾みます。するとまた、勤労意欲そして勉学意欲が向上してくるから不思議なものです。

というわけで、掃除をしている時、今年の春からはじめたウォーキングの記録を整理すべきと思い立ちました。また医学書を読んだ中で特にアナフィラキシーが面白かったので紹介したいと思います。

はじめにウォーキングについてです。ウォーキングをはじめた理由ですが、毎日患者さんに「運動をして下さい」とお願いコールをしています。しかし自分自身は特に運動をするわけではありません。これではいささか不公平です。では運動をするといっても今更、水泳、ジョギング、テニス、陸上競技、サッカーetc.は出来ません。ですから手軽なウォーキングをすることにしたわけです。つまり、ひたすら歩くわけで、これなら1人でも可能と考え、はじめたのです。とりあえず一日、5000歩を目標としました。はじめてみると雨の日が困難、坂がきつい、多忙で無理、それとこの猛烈な暑さ、等々の壁につきあたりました。しかし何とかこれらの障害を解決し、少しずつ頑張っていきました。本格的にはじめたのが4月5日でした。同じ歩くならと東海道53次の距離を調べ、これを歩行するように工夫してみました。すると順調に旅(?)は進みました。4月5日に江戸日本橋を出発し、6月16日には京都三条大橋に到着しました(図1)。歩行距離と、歩数、消費カロリーの測定できる腕時計型の万歩計(写真2)を装着しての修行でした。495.5kmの東海道53次はあっという間でした。6月17日からは、新たに松尾芭蕉の「奥の細道」、総距離1600kmに挑戦しております。

次はアナフィラキシーについてです。

まずアナフィラキシーとアナフィラキシーショックの違いを、理解することが必要です。両者はいずれも免疫学的メカニズムで発症し、たとえば生卵が原因となり(これ、つまり卵をアレルゲン=抗原といいます)、これを食べたときに体の免疫機能が反応してしまいます。すると皮膚症状、また粘膜に湿疹が出現し、さらに呼吸困難という3大症状がそろって出てきます(図2)。さらに血圧低下、意識障害という重症なショックが伴ったとき、これをアナフィラキシーショックというわけです。ただ実際には急速に病状が進行するため、両者は必ずしも厳密に分けて対応しないことも現実です。

次にアナフィラキシーの原因は、多い順に食物、蜂、薬物であります。特に食物アナフィラキシーの子どもさんは多いため、学校や保育園現場では問題となっています。そのためエピペンを携行している子どもさんが、最近ではおられます。これについては以前、本ブログでもお話したことがあります。

最後にアナフィラキシーショックによる死亡者についてです。図3から明らかなように、亡くなられる方はここ数年大きな変動はありません。エピペンをはじめとする治療、またアナフィラキシーの啓蒙が進んでも著明な改善がないということが示されています。さらに死亡の原因としては、多い順に薬物、蜂、食物であります。これは重要なことと考えられます。つまり原因として食物は最も多いが死亡する人は少ないということ、これに対し原因として薬物は最も少ないが死亡する人は多いということであります。アナフィラキシーについては以前よりも社会全体で理解が進み、エピペンも入手出来るし問題は解決方向に進んでいると楽観するのは幻想のような気がします。特に医療従業者は「薬物によるアナフィラキシー死亡が、不動の第一位である」ということに心を傾注する必要があります。というわけで夏の暑い日に反省のひと時を持ちました。

キャプチャ1
写真1 某レストランのランチョンマット
涼しい朝顔に気分が癒されました

キャプチャ2
写真2 腕時計型の万歩計 
歩数は12159歩、距離は8.51kmを示している

キャプチャ3
図1 東海道53次の歩行記録 4月5日の出発、6月16日の到着

キャプチャ4
2 アナフィラキシーとアナフィラキシーショックの違い
アナフィラキシーショックでは右下のように血圧低下などがあります 
ファイザー製薬のホームページから引用させていただきました

キャプチャ5
3 原因別にみたアナフィラキシー死亡者の年次別推移
ファイザー製薬のホームページから引用させていただきました