夏休みの宿題、仕事 8月21日

子どもの時、夏休みも終盤にさしかかると必死に宿題に取り組んだ、そんな思い出が誰にでもあることでしょう。お盆が終わり田舎から帰ってきた子どもさんが、新幹線ホームで「夏休みは楽しかった。これから宿題頑張ります!」というテレビニュースをよく見ます。「あぁ、いつの時代も同じだなぁ」と思います。しかし「大人になっても夏休みの宿題は無くならないのでは」と最近、感じています。それどころか大人の方が夏休みの宿題が多いようにさえ思われます。というより大人は永遠に続く宿題を抱えているようなものです。それは大人になればなるほど「するべき課題」が増え続けること、しかし多忙のため日頃は課題に取り組まないこと、したがってその課題が夏休みに宿題として迫ってくるからです。

というわけで今年の夏は、微力ながらも努力して幾つかの宿題をこなしました。今回はその一部、運動療法とデング熱について報告・記載したいと思います。

前回のブログでもお話ししましたが、4月に思い立って運動療法を開始しました。運動療法といっても方法はウォーキングするだけ、また目的は「自分が肥満であれば患者さんに生活指導が出来ないので減量する」というものです。ウォーキングに食事療法(これは腹八分目、間食・夜食をしない)を併用すれば、必ず体重減少が得られると信じ、8月の暑い日々となってもウォーキングを毎日継続しております。6月16日には東海道53次を制覇したので6月17日からは松尾芭蕉の奥の細道を巡る旅に見立てて歩行しております。江戸の深川を出発し、毎日7kmくらいを歩き続けています。「おくの細道」(写真1 明徳出版社、2010年)を入手して手元におき、芭蕉の紀行文と俳句を味わいながらの毎日となっております。8月20日現在、総距離は450kmくらいとなり、福島を過ぎました(図1)。それにしても本当に芭蕉の道中での苦労はすさまじく、もちろん過食することもありません。私も芭蕉を見習い、食事量が少なくなってきました。おかげで春から約6kgの体重減少が得られました。そのため知人からも少し賞賛されることもあります。こういいますと経過は順調のようにもみえますが、思わぬ落とし穴がありました。それはやはり猛暑に体力を奪われたということです。炎暑の中、少しぐらいの過労なら無理をしてウォーキングを続行していたところ夏風邪にかかってしまったのです。実に何年か振りに「声が出なくなる」という失態を演じてしまいました。「何事も無理は禁物、ほどほどに」ということを思い知った次第です。

次にデング熱です。昨年、東京を中心に戦後初となるデング熱が流行したことは記憶に新しいところです。昨年、わが国では162人の患者さんが報告され、カリブ諸国では100万人もの発症があったとのことです。幸い今年は流行のニュースを聞きませんが、東京都感染症情報センターによると図2のように大流行ではないものの、患者さんはおられるわけです。そんなわけで危機感を改めて持ったのでデング熱を勉強しようとしました。しかしデング熱は学生時代に医学部で少し習っただけで患者さんを診たこともありません。昨年は、にわか勉強をしただけでした。最近になって厚生省からもデング熱のガイドラインが出され(図3)、少しずつ理解が進んできました。このガイドラインは本当に参考になりました。また、これまでは海外渡航歴が重視されていましたが、日本国内でもヒトスジシマカが媒介するため渡航歴は重要視されないようになっています。デング熱の多いのは7~9月、つまり季節としては今まさにこの時期なのです。もし図3のような症状があって発熱や強い倦怠感があればデング熱を疑う必要があります。なおCRPという炎症のある時に上昇する血液検査の値が、正常ないしは軽度上昇のみであるとのことです。これは参考になると考えられます。

このようにデング熱を頭の片隅において診療に当たることは大切と考えています。

 

201508211写真1 おくの細道(明徳出版社、2010年)

 

201508212図1 おくの細道 歩行記録

 

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図2 デング熱の流行状況 東京都感染症情報センターによる
idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/dengue/dengue/

 

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図3 デング熱・チクングニア熱の診療ガイドライン 2015 年5 月22 日
国立感染症研究所による