シルバーウィーク 10月3日

9月20日から23日までの4連休をリフレッシュ休暇として過ごすことができました。この秋の大型連休を「シルバーウィーク」と呼称し、テレビ新聞などのメディアが大いに使用しています。シルバーウィークという言葉は最近創られた造語だとてっきり思っていました。9月21日は敬老の日なので「敬老つまりシルバーなのかな」と思っていたわけです。しかし、これは誤解であることが少し調べて分かりました。今から60年ほど前、5月の連休をゴールデンウィークと呼称するようになり、その時、文化の日を中心とした秋の休日期間をシルバーウィークと提唱することも同時に決められたとのことです(ウィキペディアより)。その提唱以来、5月のゴールデンウィークの方は広く国民に浸透しました。しかし、その一方でシルバーウィークについては、最近まであまり広まらなかったのです。広まらなかった理由はよく分かりません。ただ9月は5月ほど休日が連続しなかったためのようです。ようやくここ数年前から認知され、広く使われるようになりました。なお今回のような4連休は、次回は11年後の2020年までないとのことです。11年後はどんな世界になっているのか、今から少し楽しみです。

さて今回の連休は遠方には出かけず、近隣だけの外出となりました。また普段、多忙に紛れてなかなか出来ないため溜まっている仕事、例えば部屋の掃除や読書(医学書が中心)にいそしむこととなりました。

静かな環境のもとで久し振りにコンピュータに向かい、医学系のウエブサイトを開いて閲覧しました。この医学系サイトには大手を含めて幾つかあり、そのサイトの中から興味のひかれた動画(時には文献)を任意に選んでみるわけです。いわば図書館の書棚の前に立ち、面白そうな本を選ぶのと極めてよく似ています。インターネットを利用したサイト供覧による勉学の良いところは、自宅の書斎で何時でも好きな時間帯にできること、動画1本あたりの時間が比較的短いこと(もっとも長いのは1時間半以上のもありますが)、わざわざ外出をする負担がないこと、そうして要領よく情報収集ができること等があります。

今回興味を惹かれたものにABC検診があり、あらましを紹介したいたいと思います。何気なく消化器疾患の動画や文献をみていたところ、色々と目移りしたのですがABC検診に目が行き当りました。最近患者さんがもって来られる健康診断の結果の中にABC検診の結果という項目がみられることがあります。ひとことでいうとABC検診とは胃がんの発症リスクを評価するものです。検診の血液検査でヘリコバクターピロリ菌とペプシノーゲンを調べます。前者に感染している人は胃がん発症リスクが高いこと、後者の検査値が低い人は胃粘膜が萎縮しており胃がん発症リスクが高いことが分かっています。そして両者の結果基準に従い、それぞれ陽性、陰性と判断します。すると表1のようにAからDの4つのグループに分けられます。A判定とされれば最も胃ガンの発生率は低く、B、C、Dの順に危険性が高くなるというものです。 ですからDと判定された人は精密検診を早く受けるほうが良いということになります。兵庫県保険医協会の日常診療経験交流会で脇野耕一先生が発表された結果によるとA判定とされた人が最も多かったとのことです(図1)。

東京都医師会でもABC検診を任意として検診項目に追加しているとのことです。またABC検診のマニュアルも刊行され(写真1)、次第に広まって来ています。ただしABC検診が不向きの人もいます。それは以前にヘリコパクターの除菌を受けたことのある人、消化器疾患で治療を受けている人、胃切除した人、腎不全の人などです。

個人的には、内視鏡やレントゲン造影検査に踏み切れない人にとりあえずABC検診をし、その結果をもとにリスクが高ければ精密検査を勧奨することもひとつの選択肢と思っています。これまでは胃がんの早期発見に啓蒙が向けられていましたが、今後は予知ということに関心が高まることも望まれます。そのためには誰もがABC検診に関して正しい知識を得ることが大切と思います。

またABC検診には課題もなおあり、完全に確立したものではないという意見もあります。今後のABC検診に関しての動向が注目されるところです。

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表1  ABC検診の判定表
乾正幸・先生の論文から引用  微研ジャーナル友3 VOL.37 No.3 2014

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図1 ABCD群の出現率  脇野耕一先生による
兵庫県保険医協会の日常診療経験交流会から引用

キャプチャ8
写真1  ABC検診のガイドライン
2014/10/30 認定NPO法人日本胃がん予知・診断・治療研究機構