山茶花梅雨 11月26日

このところ毎日のようによく雨が降っています。この時期の長雨のことを何というのか、ご存知でしょうか。それは山茶花(さざんか)梅雨と名付けられており、秋と冬の間の時期に降る長雨を意味しているのです。そう、この雨は山茶花梅雨なのです。山茶花は秋から冬にかけて赤い花を咲かせるため、季節が一致するのでつけられたのでしょう(写真1)。歌謡曲に「さざんかの宿」という曲があり、その歌詞の中に山茶花の花は赤いことが詠われています。

しかし山茶花梅雨の知名度は低いように思われます。これに対し冬と春の間の長雨は菜種(なたね)梅雨といわれ比較的よく知られています。なぜ山茶花梅雨はあまり知られていないのでしょう。そこで調べてみたところある程度わかりました。この言葉を造った人は大野義輝氏という方で昭和38年の造語でした。つまり比較的新しい(といっても約50年前ですが)言葉だからと思います(ブログ:チーム森田の天気で斬るhttp://blogs.yahoo.co.jp/wth_map/63944147.htmlより引用)。新しいから馴染みが少ないのでしょうか。これに対し菜種梅雨は、すでに江戸時代には書物に登場しており、だいぶ古い言葉なのです。したがって多くの人が知っているのでしょう。

山茶花、菜種、いずれの梅雨にも共通なことは、季節と季節の谷間に発生する前線によりもたらされている点です。たしかにうっとおしい長雨かもしれません。まぁ、それも考えようで風情のある雨ととらえることも一興です。例えば尼子の里のフォト俳句塾の塾長さんは「降りつづく山茶花梅雨の松江城」という奥深い句を創作されています(http://amagonosato.blogspot.jp/2015/11/blog-post_19.htmlから)。

それなりに風情ある長雨と思い、雨音を聴きながらの日々を送っています。また雨であっても外出し、外の景色を楽しんでいます。今回も大阪・梅田にまで雨のけむる都会を楽しんできました(写真2)。

雨の中を歩いた後は、骨粗鬆症について主にガイドラインを中心に据えて最近の動向に触れてみました。一番新しいガイドラインは2015年版であり、新しい診断基準や新薬について記載されています。今回手にしたのは、そのダイジェスト版(写真3)ですが、まずは概略を理解したいと考えたからです。

まず骨粗鬆症の疫学についてです。とにかく骨粗鬆症の人は多く、我が国では40歳以上の患者数は1280万人(男300万人、女980万人)といわれています。骨粗鬆症のなかでも最も困るのが、大腿骨近位部骨折であります。同骨折は2007年で14万8100万人と多く(女性に多い)、しかも発症数毎年増加の傾向にあります(図1)。たしかに私のような小診療所においても大腿骨骨折を発症される高齢者の方が時々おられます。もし骨折を発症すれば歩行が困難となって生活の質が低下します。それどころか寝たきりになられる方も多く、諸統計をみても骨粗鬆症は寝たきりの原因として常に三位以内に入っています(図2)。また椎骨骨折、これは背骨の骨が尻餅を突いたときに発症するものですが比較的若い人でも発症します。不思議なことに椎骨骨折を発症した人の2/3のでは痛みがなく、そのため治療を受けることもなく単に腰痛と考えている人もあるかもしれません。

このように骨折などの運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態、これを最近では「ロコモティブシンドローム」と呼称されております。こうならないためにも骨粗鬆症の対応をしっかりする必要があります。

骨粗鬆症の診断についてです。すべての診断法を呈示することは不可能ですので、ごく一部だけを紹介します。

まず診断の前に医療面接(病状の聴取)が重要です。その要点として両親の大腿骨骨折の有無、身長低下(25歳の時より4cm以上の低下)、喫煙、多量の飲酒、ステロイドの内服などがあります。次に身体所見ですが、低体重、身長低下、脊椎変形を評価、 歯数の減少(20または22未満)などが大切です。特に脊椎変形は図3の通りで立位にして比較的簡単にできます。これは簡単にできる面白い方法と思いました。

次に診断のための検査としてはエックス線を用いるDXA、MD法、また超音波を用いるQUS法、そして血液検査があります。エックス線によるDXA法が最も正確であるのに対し、超音波QUS法は誤差が多いので診断には使用されません。この方法により骨密度が測定され、骨折が起こり易いか否か、ある程度の予測ができます。また血液検査は骨を破壊する破骨細胞の状態を評価でき、これもまた骨折が起こり易いか否か、ある程度の予測をつけることができます。

最後に治療についてです。最近は多くの有効な薬剤があり、上手く使用すればかなり骨折を阻止する効果があるものと期待されます。

以上のことより骨粗鬆症は大変多い疾患であるのにもかかわらず、自覚症状が目立たないため、つい軽視しがちとなってしまいます。正しく理解して的確な対応していくことが重要です。そのために先ずは骨密度の検査を受けることが大切です。

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写真1 山茶花の花
ウイキペディアからの引用写真

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写真2 梅田駅前の光、広場、雨の光景 

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写真3 ガイドライン2015年版のダイジェスト版
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会
ライフ・サイエンス出版

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図1 毎年増加の傾向 ガイドライン2015年版の
ダイジェスト版からの引用

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図2 65歳以上の高齢者で、「寝たきり」の方の原因
スタジオ トミのホームページからの引用 
http://studio-tomi.co.jp/

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図3 脊椎変形を評価する方法
ガイドライン2015年版のダイジェスト版からの引用