大阪まで出かける 1月27日

ずいぶんと強い寒さが来襲し、関東以北は大変な積雪となっています。車のスリップ事故も多発している様子です。雪の降っている地域の方は、十分にご注意下さい。考えみればつい少し前までは暖冬でした。そのためでしょうか、これまでインフルエンザの患者さんが少なかったのですが、少しずつ増えてきました。近隣の小中学校においては学級閉鎖が実施されたという情報も入ってきております。

さて今回、石綿(アスベスト)肺についての講演を聴きに大阪にまで出かけました(図1)。演者の先生は埼玉医科大学国際医療センター放射線科・酒井文和教授でした。正直、石綿肺は専門外で詳細はあまり承知していません。自分にとっては医学部で学んで以来、お目にかかることが少なかった疾患であります。ですから「どうなることかしら」と不安でしたが、その心配は全く杞憂でありました。なにしろ酒井先生の話術が巧みなのです。あっという間に時間が過ぎ去りました。大変に面白く、あらためて石綿肺の関連疾患のことについて理解が深まりました。

石綿はしなやかで糸や布に織ることができ、その強度は強く、また水・細菌にも強く、他の物質との密着性が良く、しかも安価という大変な優れものの建築資材です。かの平賀源内が日本では初めて石綿を使用したとのお話を聴きました。石綿は多くが建築材料として使われ、1960年代の高度成長期まで使用されました。環境再生保全機構がまとめた石綿の歴史的歩みをみますと、その使用のされ方の変遷が大変よく理解ができます(図2)。しかし、よく知られているように石綿には発がん性があり、建築現場などで石綿暴露して吸入するとアスベスト肺関連疾患にかかる可能性が高いのです。しかも、その予後は極めて不良です。私自身も石綿によるガンで死亡した患者さんを体験しております。そのため1994年には石綿使用の完全禁止が出されますが、現時点でも各地の建築の中に石綿がそのままに遺されているという大きな問題があります。

次に石綿による疾患には4つのものがあります。それは

①石綿肺 ②肺がん ③中皮腫④び漫性胸膜肥厚

であります。それらを分かり易く示したものが図3です。すなわち肺実質か胸膜、また良性か悪性かという項目で4つに分けられるのです。専門医による詳しい対応が必要とされます。御自分がこれら疾患にかかっているかは「昔(30年~50年前)、石綿を吸い込む環境にいたか否か」が大きなポイントです。そんな昔のことを覚えている人はいないでしょう。心配な方(特に建築業の人)は各地域にある労災病院でご相談してください。

講演終了後、会場の天満橋からJR野田駅まで歩いてみました。天満橋の駅を出発する時です。構内トイレの壁面に楽しい絵が描かれていました(写真1)。こんな面白い趣向は神戸にはありません。思わずシャッターを切りました。さて出発に当たり、アイフォンのグーグルマップで地図検索をすると約5km、50分くらいの行程ということが示されました。これなら十分に歩くことが可能と判断しました。自分でも驚くほど日頃のウォーキングの成果目覚ましく、何の問題もなく踏破しました。道中、梅田方面の夜景は美しく、大都会の美しさに圧倒されました。またあらためてグーグルマップの卓越したナビゲーション能力に感動しました。おかげで全く何の不安をも持つことなく、知らない大都市の中を横断することができました(写真2、3)。

図1
図1 当日の講演プログラム表紙 

図2
図2 石綿の歴史的歩みが大変よくわかる 環境再生保全機構による

図3
図3 アスベストの4分類
肺実質か胸膜、また良性か悪性かで分類される

写真1
写真1 地下鉄・天満橋駅のトイレ壁面の絵画

写真2
写真2 アイフォン画面を見ながら
天満橋から野田まで歩いている途中

写真3
写真3 梅田方面の美しい眺望