インフルエンザの薬は処方しません!

西宮北部も東山台小を主に局所的にインフルエンザの流行が始まりました。

以前より問題になっていたことですが、10代を中心に抗インフルエンザ薬を使用すると幻覚などの症状が増強し、家からの飛び出し、ベランダからの飛び降りなど異常行動の危険があることから、厚生労働省は抗インフルエンザ薬を使用する際は少なくとも2日間は保護者の監視下に置くように周知するよう通達を出しました。

多くの方が勘違いしていますが、抗インフルエンザ薬はインフルエンザウイルスを退治する薬ではありません。インフルエンザウイルスが増殖しても感染した細胞から出られないように封じ込める薬です。ウイルスを退治するのは自分自身の免疫システムです。薬を使っても半日から1日解熱するのが早くなると言う効果しかありません。

数年前から抗インフルエンザ薬を使うと、全く同じインフルエンザウイルスに同じ年に同じ人が何回も罹ることがデータで示されていました。ウイルスの増殖が抑えられ量が少なくなる分、わずかに解熱が早くなりますが、その代わり充分な免疫応答が起きず、次の感染を防ぐのに必要なだけの充分量の抗体が出来ないことが原因です。

人間は多くのウイルスに罹って免疫を作っていくことで、同じものに罹らなくなっていきます。子供の頃に罹らなければ大人になって罹ります。

半日から1日楽になるために薬を使い一生同じウイルスに罹り続ける羽目になるくらいなら一度しっかり罹って免疫が出来た方がずっと良いと思います。

当院では心臓疾患や免疫低下状態にある基礎疾患のない健康なこどもさん、親御さんには一切の抗インフルエンザ薬を処方しません。もし、ご希望の方は他院を受診くださるようにお願いします。






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