人工血液

めっきり涼しくなり、秋の足音が彼方此方で聞かれそうな気配ですね。

今回は人工血液の話です。医療に必要不可欠な血液製剤は、献血された血液から作られるのですが、保存期間や感染症、コストなどが問題となっていました。

そこで細胞膜の成分であるリポソームの微小な袋に、止血成分と酸素を運ぶ成分を詰めた人工の血小板・赤血球を基に人工血液を作ったとのことです。この人工血液は血液型に関係なく使え、常温で1年以上保存可能だとのことです。

今回、重篤な出血状態のウサギに、人工血液を使って治療したところ、従来の血液製剤と同等の効果があったとの発表がありました。

今後まだまだ検討しなければならない問題も多いとは思いますが、救急時や災害時に対応できるように早く使えるようになればと期待しているところです。

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喘息の薬で抗がん剤の副作用軽減

9月に入ったのに、季節外れの蒸し暑さが続いていますね。それと局地的な豪雨が其処彼処でみられています。以前の日本の気候から変わってしまったみたいですね。

九州大大学院薬学研究院などの研究グループが、抗がん剤の副作用を喘息の薬が軽減すると発表がありました。

抗がん剤の副作用で心筋にダメージを受け心不全になる「薬剤性心筋症」を、国立循環器病センターで診療していた時に幾人も診療していたので、興味を持ちました。

がん治療のため「ドキソルビシン」と「シスプラチン」を多めに使用する必要があると、筋肉の障害が起こり10年以上経ってから心不全になることがあるのです。この時心臓では心筋が障害されて少なくなり、代わりに収縮しない線維組織が増えており収縮力が低下して心不全になるのです。

今回、喘息の薬として使われている「イブジラスト」が、抗がん剤投薬時の筋肉を障害する物質を抑制することがわかったとのことです。

既に使われている薬なので安全性も高く、早期の実用が期待されているそうです。

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肥満ワクチン

雨で蒸し暑い日が続いています。こんな時は食べ物がわるくなりやすいですのでお気をつけくださいね。

先日ネットで「肥満ワクチン」なる記事を見つけました。なんだか怪しげなとんでも医学が、また出てきたのかと思っていたら、大阪市立大学の大変画期的な研究のことでした。確かに肥満の抑制に役立つのですが、肥満ワクチンと言ってしまうと・・・・・・

大阪市立大学が発表した研究は、感染を予防したい粘膜にウイルスや細菌の一部などの「抗原」を加えるだけでその場所で高い免疫力を作り出せるワクチンです。

「肥満」に「抗原」はないので、肥満に関係する腸内細菌の「抗原」を利用して、特定の腸内細菌だけ選択的に排除が可能なのだそうです。この技術を利用すれば、腸内フローラ(細菌叢)をコントロールすることができるのです。

近年、数多くの病気が腸内フローラの乱れと関係しているとの報告も相次いでおり、「肥満」のみならず、様々な病気に応用ができるかもしれません。

さらに粘膜は消化管のみならず、呼吸器にもあるので肺感染症の予防・改善などにも応用できるとのことです。

詳しい原理は専門的になりすぎるので割愛しますが、局所の粘膜にだけ免疫グロブリンA(IgA)を作り出すこれまでになかった画期的な方法なので、早く臨床応用できればとワクワクしています。

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グビグビ・ビクビク

真夏の暑さが続いていましたが、30℃を超える真夏日もひと段落の様です。空に勝ち誇っている可能様に浮かんでいた入道雲(積乱雲)も秋を思わせる筋雲に席を譲ったようです。

さて今回は「グビグビ・ビクビク」と変わった標題になっていますが、コーヒーと偏頭痛の話です。

偏頭痛にコーヒーがいいという話と、コーヒーは偏頭痛を悪化させるとの話があり、コーヒー好きの偏頭痛もちにとっては悩ましい限りです。

この状況を整理するのに役立つ研究が、ハーバード大学から論文として発表されました。論文によると、1日3杯未満のコーヒー(カフェイン飲料)を飲む人は、全く飲まない人に比べて偏頭痛を起こす確率が低いとのことです。

偏頭痛のある96人が6週間、生活習慣と偏頭痛の関係を記録し解析したのだそうですが、1日に1−2杯のカフェイン飲料を飲んだ日は、偏頭痛が少なかったとのことです。(3杯以上飲むと偏頭痛が増えるそうです。)

カフェイン摂取量の問題もあるかもしれませんが、コーヒーを「グビグビ」飲んで偏頭痛に「ビクビク」している、コーヒー好きの偏頭痛もちには少し安心できる情報かもしれませんね。

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熱中症

梅雨が明けて大阪も猛暑が続いています。十分に睡眠ができないと、熱中症や夏バテの原因になります。空調を適度に使って、快眠環境を整備してくださいね。

梅雨明けからの猛暑で、全国的に気温が高く最近の1週間で18000人異常が熱中症で搬送されたとのことです。死亡例もあり、気象庁は注意を呼びかけています。

緊急搬送で目立つのは、「高齢者」と「屋内」とのことです。搬送された18347人中、65歳以上の高齢者が9963人で半数以上を占めているとのことです。発症場所で一番多かったのが、敷地を含めた「住居」で全体の41%でした。

熱中症は炎天下に長時間いなければならないと思われがちですが、「誰でも、何処でも熱中症になる危険性があると知り、対策が必要」なのです。

多様な暑さ対策グッツも売られており、適切な体調・環境管理を心がけてくださね。

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大腸菌爆弾

一言「暑い」としか言えない気候ですね。夜に熱中症になる人も出ているようですので、お気をつけください。

さて、今回はガン治療に役立つかもしれない「大腸菌爆弾」の話題をネットで見付けましたので、簡単な原理を紹介したいと思います。

がん細胞は、人間の免疫から身を守るためCD47と言われる「盾」を装備しているのです。この「盾」があるため、免疫細胞が、がん細胞を攻撃できなくなっています。なんとかしてこの「盾」(CD47)を取り除くことができれば、がん細胞を効率的に死滅させることができるのです。

CD47の抗体を作って大量に投与すれば良いのですが(蛇に噛まれた時の血清の使い方に似ています)、人間の抗体は複雑なため高価なのです。

そこで注目されたのが、単純な構造をしている「ラマの抗体」なのです。この抗体は単純なので大腸菌の中に遺伝子導入して作ることが可能なのです。

この遺伝子導入した大腸菌を培養して、「ラマの抗体」を大量に作らせると「爆発」して周囲に抗体を撒き散らすのです。この大腸菌を「がん」の周りに注入すれば、「爆発」してCD47に対する抗体が、がん細胞の「盾」を取り除くのです。

世の中すごいことを考える人もいますね。「大腸菌爆弾」覚えておいてくださいね。

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「スマホケース」約4割にカビ

梅雨明けしたと思ったら、急に真夏の気候ですね。熱中症や脱水症、夏バテにお気をつけください。

さて、今回はスマホケースに潜むカビの話題です。

恐竜やマンモスの骨格標本展示で有名な大阪自然史博物館の外来研究員浜田信夫さんの調査によると、使用されているスマホケースの約4割にカビが発生しており、30代以上の男性の場合が特に多いとのことです。

記事によると「116台のスマホカバーのうち48台でクロカワカビ、コクショクコウボなどが検出。
32台が(個体数)100未満。100~1000台が10台。1000~10000が2台。
1万以上は4台。」だったそうです。

ズボンの後ろポケットなどにスマホを入れるとカビが生える危険性が高いとのことです。

カビの胞子によるアレルギーやダニの発生源となることもあり、定期的にウエットティシュなどで拭いて清潔に保つことが大切なようです。

インスタ映えを狙って携帯しているスマートフォンが、「カビ生え」ではシャレにもなりませんね。

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海での浮き具に注意

徐々に暑くなってきました。先週お知らせしたヘルパンギーナが関東だけでなく、全国的に猛威をふるっているそうです。お気をつけください。

さて、夏本番も近づき海水浴の季節です。海水浴で浮き具にのて寝そべったり波乗りをした経験のある人も多いと思います。

昔は浮き輪と呼ばれる半分体が水の中にあるタイプだったのですが、近年浮き具が大型化しているため上に乗ってしまうと、自分では移動が難しくなります。体の小さな子供さんの場合はなおさらです。

消費者庁の実験によると風速2メートル程度で、2分の内に50メートルも沖に流される可能性があるとのことです。

慌ててバランスを崩して浮き具から転落して溺れてしまう事もあり、注意が必要です。

子供が浮き具に乗っている場合は、手や目を離さないようにしてくださいね。

以前知らぬ間に沖まで流され、砂浜に戻ろうとして浮き具から降りたら、足がとどかずびっくりした経験があります。(浮き具に捕まって泳いで戻りましたが・・・・・・)

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関東でヘルパンギーナ

7月も半ば近くというのに今日の大阪は少しひんやり気味です。(湿度は高めですが)

余談ですが「しっとり」という感覚は、物理的には「摩擦力の急激な上昇とその後の速やかな低下」がもたらす感覚だそうです。(ひんやりはどうなんでしょうかね)

関東では、夏風邪の代表格である「ヘルパンギーナ」の感染が広がっているようです。「ヘルパンギーナ」は高熱や口腔内の水疱・発赤をともう風邪で、乳幼児に多い病気です。

通常は、2−4日で解熱し7日ほどで完治するのですが、喉の痛みで水を十分飲めないため脱水になったり、高熱のため熱性痙攣を起こすこともあります。

ウィルスは患者さんの唾液などに含まれるため、家族内で蔓延しないように気をつける必要があります。みんなマスクをして、食事時間をずらすなど、同時にマスクを外している時間を無くすなどの工夫をしてくださいね。

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パンケーキシンドローム

今年は梅雨入り前から気温が上がり、熱中症による緊急搬送が増えているようです。体調管理にお気をつけください。

さて、今回はフワフワで女性に人気の食べ物、「パンケーキ」の話題です。

表題の「パンケーキシンドローム」ですがパンケーキが食べたくて仕方なくなる症候群ではなく、もっともっと剣呑なものです。パンケーキを食べた後、蕁麻疹が出たり呼吸困難を起こしてしまうことをいうのです。

もうお気付きの方はおられると思いますが、この症状はアレルギー反応なのです。パンケーキミックスなど、手軽にパンケーキを作ることができるのですが、使い切らずに置いておくとダニが発生してしまいます。

ダニが混入することによりアレルギー反応を起こすのですが、どの程度の量で症状が出るのかは個人差があり、同じパンケーキを食べても反応が違うことがあります。

さらに、十分加熱してもアレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)は分解されないので、気をつける必要があるとのことです。

使い切れなかったパンケーキミックスは早めに使うか、密封容器に入れて冷蔵庫で保存するなどの予防措置をとるのが良いとのことです。

実はパンケーキミックスに限らず、お好み焼きなどの粉もの全般に言えることだそうです。

粉もの好きの大阪人としては、大問題です。

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