今回は実際に数値を上げて、空腹時の検査と負荷試験の比較をしてみましょう。
一人目(空腹時検査): 血糖 92mg/dl HbA1c 5.3%
二人目(空腹時検査): 血糖 106mg/dl HbA1c 5.9%
空腹時の検査結果を見る限りHbA1cは上がっていませんが、二人目の方が、血糖の正常上限109mg/dlに近くなっており、糖尿病に近づいているといった印象でしょうか?
75g経口糖負荷試験をしてみると・・・・・・・
一人目:空腹時 92mg/dl 負荷30分 176mg/dl 負荷60分 202mg/dl 負荷120分 166mg/dl
二人目:空腹時 106mg/dl 負荷30分 186mg/dl 負荷60分 245mg/dl 負荷120分 243mg/dl
二人とも血糖が200mg/dlを超えるところがあり糖尿病のパターンになります。しかも空腹時検査では一寸悪いかな?程度だった二人目の方は120分たっても血糖が243mg/dlも(!!)あるのです。空腹時検査だけでは分からないものですね。
さらに、種明かしをしますと二人とも「心筋梗塞」を起こして国立循環器病センターに緊急搬送された患者さんです。もう少し早く気づいて、治療していれば「心筋梗塞」を起こさずにすんだかもしれません。
負荷検査の威力を感じていただけたでしょうか?
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