前回は、基礎知識として前糖尿病状態である耐糖能異常(IGT)について簡単に説明いたしました。今回は、「前糖尿病状態である耐糖能異常(IGT)の方が一日2000歩余分に歩くだけで心臓発作のリスクが低下する。」というイギリスから報告された研究結果の内容について書いていきたいと思います。
1.心疾患のリスクの高い耐糖能異常(IGT)の成人9,300人以上のデータを40カ国で収集した。
2.1年の間で、一日の歩数が2,000歩増える毎に心疾患のリスクが10%低くなった。
3.その他の肥満度・喫煙・食生活・服薬などの影響を補正しても同様であった。
「単に歩行を増やすという身体活動レベルの変化により、心疾患のリスクを大きく下げることができる」と研究代表者は補足し、開始時の体重や活動レベルにかかわらず多く歩いた分だけベネフィットは現れると述べた。
ここまで読まれて、「運動をしたら良くなるという普通の話では? 何が面白いのかしらん?」と多くの方が思われたことでしょう。
ここで注目してもらいたい所は、「開始時の体重や活動レベルにかかわらず」の所なのです。(研究)開始時の生活習慣は関係なく、その後の運動量変化がリスクを下げるのです。しかも、肥満度・喫煙・食生活・服薬などを補正しても効果がみられているのです。
面白いと思われませんか?
しかしこの研究の論文を取り寄せて読んでみたところ、さらなる驚きが隠されていたのです。続きは次回に!請うご期待!!
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