従来も冬季に風邪やインフルエンザの流行が多かったのは,低気温・低湿度の環境因子によってウイルスのような病原体の,人間など宿主への感染が成立しやすく,宿主が発症しやすい状況になるためと考えられ,それは感染拡大を起こしている現在の新型コロナウイルス感染症(COVIT19)でも同様と思われます.このようなCOVIT19をはじめとしたウイルス感染症の予防策としてはまず鼻腔,咽頭など上気道粘膜への病原体の侵入をブロックするため,従来から勧められている手洗い,マスク着用,含嗽(うがい)などをルーティン化することがまず重要です.そして病原体の上気道から気管気管支など下気道粘膜への侵入を許してしまうと,リンパ球をはじめとする免疫系が発動して炎症が起こる.その結果発熱,咳などの不快な症状が現れますがそれは免疫が病原体と戦っているためであり,むやみにそれらの症状を薬などで止めることはむしろ戦争放棄しているようなもので好ましくありません.ただし免疫系が頑張りすぎるとそれはそれで宿主(人間)の組織細胞障害を引き起こして細菌などの二次感染を許してしまう結果,重症化(肺炎の重篤化など)につながると考えられます.従って重症化を予防するためには免疫系が正常に働く必要があり,風邪の時などと同じように保温(身体を冷やさないこと),安静,十分な水分補給,栄養補給に努めることが肝要と思います.有効な治療薬,予防接種の登場を待つまでは少なくとも①人ごみを避ける②他人と近距離で会話をしない③やむなく飲食店を利用する際はパーテーションなどの感染予防対策が取られているかなどを重視する④手洗いの習慣を励行する,等々の自己防衛法を遵守することだと考えます.
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