日別アーカイブ: 2021年1月20日

ウイルス感染症に罹らないために

冬季に風邪やインフルエンザの流行が多いのは,低気温・低湿度の環境要因がウイルスのような病原体にとって,人間など宿主への感染が成立しやすくなるためと考えられ,それは感染拡大を起こしている現在の新型コロナウイルス感染症(COVIT19)でも同様と思われます.このようなCOVIT19をはじめとしたウイルス感染症の予防策としてはまず鼻腔,咽頭など上気道粘膜への病原体の侵入をブロックするため,従来から勧められている手洗い,マスク着用,含嗽(うがい)などをルーティン化することがまず重要です.そして病原体の上気道から気管気管支など下気道粘膜への侵入を許さないように,リンパ球をはじめとする免疫系が発動して炎症が起こるのですが.その結果現れる発熱,咳などの不快な症状に対して.むやみにそれを薬などで止めることはむしろ戦争放棄しているようなもので好ましくありません.ただし免疫系が頑張りすぎる,いわゆる免疫の暴走が起こると,免疫細胞が宿主である人間,つまり自己の組織細胞障害をも引き起こして細菌などの二次感染を容易にしてしまう結果,重症化(細菌性肺炎の重篤化など)につながると考えられます.従って重症化を予防するためには免疫系が正常に働く必要があり,風邪の時などと同じように保温(身体を冷やさないこと),安静,十分な水分補給,栄養補給に努めることが肝要です.有効な治療薬,予防接種の登場を待つまでは少なくとも①人ごみを避ける②他人と近距離で会話をしない③やむなく飲食店を利用する際はパーテーションなどの感染予防対策が取られているかなどを重視する④手洗いの習慣を励行する,等々の自己防衛法を遵守することが必要と考えます.自分の身は自分で守るという心構えが最も大切です.