月別アーカイブ: 2014年4月

高血圧治療ガイドライン(JSH2014)改訂ポイント

桜は散ってしまいましたが、お昼間は暖かくなって来ましたね。

今回は以前予告しました、高血圧治療ガイドライン(JSH2014)についてお話しします。

前回のものに比べて特に大きな変更はありませんが、引き続き家庭血圧測定の重要性が謳われています。健診や医療機関での血圧も一つの目安にはなりますが、高血圧の診断や治療には自宅で測る家庭血圧が最も信用性の高い指標とされています。測定回数は起床時、就寝前の1日2回で、朝は排尿後座位で2回以上測定する事となっています。ガイドラインの国際的な整合性を考える学会で就寝前の測定に関しては、欧州の学会からの反対があり、かの地域では夕方となったと会議に出席された日本の有名な先生が話されていました。あちらには寝る前に血圧を測れない、何か深い事情がありそうですね 。

また、非常に現実的だと感じているのが、75歳以上のご高齢の方の降圧目標が家庭血圧で従来の135/85から145/85へと緩和された事です。これは決してこれ以上下げてはいけないという事ではなく、「これ以上は無理をしてお薬を増やす必要はありませんよ」という事です。既に145/90未満に良好にコントロールされている方に関しては、安心して現在の治療をそのまま続行して下さい。またご高齢の患者さんでも糖尿病や慢性腎臓病をお持ちの方にはさらに厳格な降圧が望ましいとされています。

私もガイドライン改訂を機に、家庭血圧の重要性を患者さんに理解していただき、正しい高血圧治療ができるよう一層努めてゆきたいと考えています。健診などで高血圧を指摘された方は血圧計を購入して(家電店で買えます)ご自宅で血圧を測ってみて下さい。平均が135/85以上ありましたら、是非お近くのかかりつけ医にご相談ください。

以上簡単ですが、JSH2014のポイントについてでした。