職場のメンタルヘルス(その35)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の35回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(ⅩⅪ)
メンタルヘルス科の休業診断書が提出されたとき~
メンタルヘルス科診断名のいかんにかかわらず、職場にメンタルヘルス不調者からメンタルヘルス科の休業診断書が提出された場合メンタルヘルス対応については、まずメンタルヘルス不調者本人の療養が最優先されなければならないが、職場としては、メンタルヘルス不調者から業務の引き継ぎなどでメンタルヘルス不調者本人と連絡を取りたいことも多いです。また職場の都合だけでなく、たとえばメンタルヘルス不調者が独居の場合など、メンタルヘルス不調者本人メンタルヘルス状況を心配してメンタルヘルス不調者本人との連絡を取ることが必要と考える場面もあります。
メンタルヘルス不調者本人からの連絡による場合
メンタルヘルス科の休業診断書の提出に際して、メンタルヘルス不調者本人よりその旨の連絡がある場合は、その際にメンタルヘルス不調者から休業中の連絡先や休業場所(実家にて療養など)を確認します。また引き継ぎなどについて、メンタルヘルス不調者本人ストレス少ないメンタルヘルス対応(たとえば社外でメンタルヘルス不調者と会ったほうがよいのか、誰であればストレスが少ないのか)を尋ねてメンタルヘルス不調者に配慮します。メンタルヘルス不調者からの引き継ぎなどについてメンタルヘルス不調者に尋ねることも遠慮されるかもしれないが、メンタルヘルス不調者本人に「休業するに際して気がかりな仕事上のことはないか」を尋ねることは、メンタルヘルス不調者が安心して休養に専念できるように促すことにも繋がるため必要と考えます。当然、「急に休まれては職場が困るのできちんとメンタルヘルス不調者が引き継ぎを済ませてから休むように」などと、メンタルヘルス不調者本人の療養よりも職場のメンタルヘルス事情優先するようなメンタルヘルス対応は厳に慎みます。
メンタルヘルス不調者の家族からの連絡による場合
メンタルヘルス不調者の家族よりメンタルヘルス科の休業診断書の提出に際して連絡のある場合は、メンタルヘルス不調者本人が職場との接触を避けている可能性を考えてメンタルヘルス対応する必要があります。今後のメンタルヘルス不調者との連絡方法について連絡してきたメンタルヘルス不調者の家族に確認します。職場への要望などがあればメンタルヘルス不調者本人に確認してもらいます。メンタルヘルス不調者からの引き継ぎなどについては、メンタルヘルス不調者本人の要望があれば話題とするが、職場から先に話題にすることは控えます。メンタルヘルス不調者の家族が連絡してきた場合は、メンタルヘルス不調者から引き継ぎができない可能性が高いと考えたほうがよいです。
メンタルヘルス科の休業診断書が郵送されてきた場合
⇒非常にまれなメンタルヘルス事態であるが、メンタルヘルス不調者本人から事前の連絡なくて、メンタルヘルス科の休業診断書が郵送されてきた場合は悩ましいです。メンタルヘルス不調者と連絡を取ることも躊躇されるが、「メンタルヘルス科の休業診断書を受け取ったこと、メンタルヘルス不調者は療養に専念してほしいこと」を直接メンタルヘルス不調者に伝えたいです。最近は、電話でなくメールの使用も多いため、たとえばまずメールにてメンタルヘルス不調者に上記のことを伝えて、メンタルヘルス不調者からの返信を待つことも一法です。電話と異なり、メンタルヘルス不調者の時間的拘束もなく、またメンタルヘルス不調者が応答をすぐに返す必要がないため、当該メンタルヘルス不調者本人メンタルヘルス対応心理的ストレスは電話より低いです。メンタルヘルス不調者からの返信が得られれば、その後は、これを通じてメンタルヘルス不調者と連絡を取り合います。
メンタルヘルス不調者本人からの仕事の引き継ぎについて
⇒職場としては、直近のメンタルヘルス不調者の仕事におけるメンタルヘルス状況確認メンタルヘルス不調者からの引き継ぎの必要性が高い場合があると考えられるが、そもそもメンタルヘルス科の休業診断書が提出されるまで、上司を含め周囲がメンタルヘルス状態や仕事の進捗などに支障などを感じることがなかったのであれば、日頃からメンタルヘルス不調者の労務管理メンタルヘルス管理に盲点があった可能性が大きいです。一般的には、休業するようなメンタルヘルスレベルメンタルヘルス不調に陥る前から仕事の遂行にメンタルヘルス問題が発生したり、欠勤遅刻などがあったり、周囲にメンタルヘルスの不調を漏らしたりなどの普段と異なるメンタルヘルス問題が発生している可能性が大きいです。そのようなメンタルヘルス不調のサイン職場としてメンタルヘルス対応していれば、仕事におけるメンタルヘルス状況の把握などができていた可能性があります。人員削減などでメンタルヘルス不調者が単独で仕事を担当し、そのメンタルヘルス管理困難なメンタルヘルス状況などは、経営におけるメンタルヘルス判断によりもたらされたものであるため、そのメンタルヘルス判断のリスク(メンタルヘルス不調者からの引き継ぎができないなど)が顕在化した場合にメンタルヘルス対応する責務を負うのは、そのメンタルヘルス状況を作り出した経営管理層です。そのメンタルヘルス対応への責務当該メンタルヘルス不調者に転嫁することは許されることではないと考えます。
メンタルヘルス不調者が単身者の社員寮での休業の場合
メンタルヘルス不調者が単身者で社員寮での休業となることもあります。本来であれば、メンタルヘルス不調者を看病したり、メンタルヘルス支援してくれるメンタルヘルス不調者の親族のもとでの療養が望ましいと思われます。しかし、メンタルヘルス不調者の親が高齢メンタルヘルス支援が困難であったり、メンタルヘルス不調者本人が親族に心配かけたくないメンタルヘルス不調者本人との関係が悪いなどの理由からメンタルヘルス不調者本人が拒否することもあります。そのようなメンタルヘルス不調者本人が親族のもとでの療養を拒否した際は、最低でもメンタルヘルス科専門医の主治医精神科医・心療内科医)に対して、社員寮のメンタルヘルス状況(食事の提供の有無、寮の管理人が常駐しているか、安否確認が可能かなどのメンタルヘルス状況)を知らせ、寮での休業が可能かどうかメンタルヘルス科専門医師の主治医精神科医師・心療内科医師)に意見を求めます。もしそのような環境での休業が困難なときは、メンタルヘルス科入院治療も検討してもらいます。また当初は、社員寮での療養を始めても、メンタルヘルス不調の経過によりメンタルヘルス科への入院になる場合もあります。そのため、そのようなメンタルヘルス科専門病院入院する際のメンタルヘルス対応どこのメンタルヘルス科専門病院が考えられるか、メンタルヘルス不調者の保証人は誰にするか)などについてもできればメンタルヘルス専門医の主治医心療内科医・精神科医)へ確認しておきます。そもそも寮は、仕事遂行の利便を高めるために設けられたものとの解釈に立ち、メンタルヘルス不調者が休業中には寮の使用を認めないとする規則などにより、事前に混乱を回避するメンタルヘルス対策を立てておくことも一法でしょう。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。






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