千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(勤労者の心療内科的健康)」の7回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観(職場の心療内科的健康概観)〗(Ⅵ)
~職場のメンタルヘルスの概観と法令(職場の心療内科的健康の概観と法令)/メンタルヘルス指針(心療内科的健康指針)⑥~
◎国によるメンタルヘルスマネジメント(心療内科的健康マネジメント)ⓔ
■ストレスチェック制度の実際とストレスチェック結果の還元
ⅰ.ストレスチェックの実施
⇒ストレスチェックの実施は、「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」に従い、1年以内ごとに1回、国が推奨する職業性ストレス簡易調査票(57項目)などにより、メンタルヘルス科専門医(心療内科的健康科専門医)(精神科医・心療内科医)、保健師などメンタルヘルススタッフ(心療内科的健康スタッフ)がストレスチェック実施者となりストレスチェックを実施します。そのストレスチェックの結果を、ストレスチェック実施者が原則として勤労者本人にのみ返却し、勤労者自身のストレスへの気づきを促すとともに、高ストレス者に対してはメンタルヘルス科専門医師(心療内科的健康科専門医師)(精神科医師・心療内科医師)とのメンタルヘルス科面接指導を受けるように推奨(心療内科的健康科面接指導を受けるように推奨)します。
なお、勤労者の同意を得て事業者がストレスチェック結果を取得することは可能だが、その同意を得る方法については、メンタルヘルス指針に詳細に示されて(心療内科的健康指針に詳細に示されて)おり、①ストレスチェックを受けた勤労者に対して当該ストレスチェック結果を通知した後に、事業者、ストレスチェック実施者またはその他のストレスチェック実施事務従事者が、ストレスチェックを受けた勤労者に対して、個別の同意の有無を確認する方法、②ストレスチェックを受けた勤労者に対して当該ストレスチェック結果を通知した後に、ストレスチェック実施者またはその他のストレスチェック実施事務者が、高ストレス者として選定され、メンタルヘルス科面接指導を受ける(心療内科的健康科面接指導を受ける)必要があるとストレスチェック実施者が認めた勤労者に対して、当該勤労者がメンタルヘルス科面接指導の対象(当該勤労者が心療内科的健康科面接指導の対象)であることを他の勤労者に把握されないような方法で、個別に同意の有無を確認する方法、のいずれかの方法で行うように定められています。ストレスチェック受検前に同意を得ることは認められていないため、注意を要します。
ⅱ.高ストレス者のメンタルヘルス科面接指導と就業配慮(心療内科的健康科面接指導と就業配慮)
⇒高ストレスである勤労者が事業者にメンタルヘルス科面接指導の実施を申し出た場合(心療内科的健康科面接指導の実施を申し出た場合)に、事業者は、「メンタルヘルス専門医(心療内科的健康専門医)(心療内科医・精神科医)によるメンタルヘルス科面接指導(心療内科的健康科面接指導)を行い、そのメンタルヘルス科面接指導の結果(心療内科的健康科面接指導の結果)についてメンタルヘルス専門医師(心療内科的健康専門医師)(心療内科医師・精神科医師)から意見聴取を行った上で、必要に応じて就業配慮を行う」こととなります。
このようにストレスチェックによって高ストレスの状態にある勤労者の事後メンタルヘルス措置(心療内科的健康措置)としてメンタルヘルス科面接指導を実施(心療内科的健康科面接指導を実施)し、必要に応じて就業配慮を行うことは、メンタルヘルス不調を未然に防止(心療内科的健康不調を未然に防止)すること(メンタルヘルス対策の一次予防(心療内科的健康対策の一次予防))につながるという考えで、ストレスチェック制度が構成されています。もちろん、ストレスチェックを実施すると、すでにメンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)としてメンタルヘルス対応(心療内科的健康対応)が必要な勤労者も高ストレスとメンタルヘルス判定(心療内科的健康判定)されてメンタルヘルス科面接指導の対象(心療内科的健康科面接指導の対象)となるため、就業配慮とともにメンタルヘルス不調の早期治療(心療内科的健康不調の早期治療)に結びつける(メンタルヘルス対策の二次予防(心療内科的健康対策の二次予防))ことも可能となります。
ただし、個人メンタルヘルス情報(個人心療内科的健康情報)などプライバシー保護のために事業者は勤労者のストレスチェック結果を知り得ないため、事業場内におけるメンタルヘルス科面接指導(事業場内における心療内科的健康科面接指導)などの事後メンタルヘルス措置(事後心療内科的健康措置)を実践するには、あくまでも高ストレスとメンタルヘルス判断された勤労者(心療内科的健康判断された勤労者)自らの申し出が前提であり、申し出が行われないケースが多い現状へのメンタルヘルス対処(現状への心療内科的健康対処)は今後のメンタルヘルス課題(心療内科的健康課題)の1つです。
ⅲ.集団分析と職場環境改善
⇒ストレスチェック制度では、勤労者個人のストレス状況のメンタルヘルス評価(心療内科的健康評価)に加え、職場集団のストレスレベルをメンタルヘルス評価することも可能(心療内科的健康評価することも可能)であり、一定規模ごとの集団分析と必要に応じて当該集団の勤労者の心理的なストレスを軽減するための適切なメンタルヘルス措置(適切な心療内科的健康措置)(職場環境改善)を行うことが、労働安全衛生規則(以下、安衛則)に努力義務として規定されています。職業性ストレス簡易調査票を用いてストレスチェックを行うこと、この職業性ストレス簡易調査票の一部(12項目)を用いて集計を行うことで、仕事のストレス判定図を作成することができ、仕事の量的ストレス、仕事のコントロール、上司のメンタルヘルス支援(心療内科的健康支援)、同僚のメンタルヘルス支援の4つの指標(心療内科的健康支援の4つの指標)で職場のストレス状況が示されます。ストレスレベルの高い職場に対して、職場環境改善のアプローチを行うことで、職場全体のストレスレベルが軽減し、個々の勤労者におけるメンタルヘルス不調の予防を期待(心療内科的健康不調の予防を期待)できます。
ⅳ.労働基準監督署へのストレスチェックの結果報告
⇒ストレスチェックの実施は、安衛法で常時50人以上の勤労者を使用する事業者に実施が義務づけられているが、さらに「1年以内ごとに1回、定期に、心理的なストレスの程度を把握するためのストレスチェック検査結果等報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない」(安衛則第52条の21)と報告義務もあり、このストレスチェックの結果報告については厳罰も規定されています。ストレスチェックの結果報告にあたっては在籍者数、ストレスチェック受検者数やメンタルヘルス科面接指導を受けた勤労者数(心療内科的健康科面接指導を受けた勤労者数)などの記載事項を確認したうえで、産業医も記名捺印をし、事業者が提出することになります。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
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