非定型うつ病について(その41)

皆様、こんにちは。「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
【続き→】■三環系抗うつ薬
三環系抗うつ薬は1957年に開発され、薬の構造式に3つの環があることからこの名が付けられました。この三環系抗うつ薬は、中枢神経でセロトニンやノルアドレナリンの再取り込みを阻害して、うつ症状を改善する働きがあります。いくつかある抗うつ薬の中で、もっとも古い薬で「イミプラミン」がありますが、現在、この薬より強い抗うつ作用をもつ抗うつ薬は、日本では「アナフラニール」しかありません。非定型うつ病においても、MAOIに比べれば劣りますが、日本で使用できる抗うつ薬の中では、もっとも高い効果を示す薬です。非定型うつ病の症状である眠気や疲労を、改善する効果をもっています。比較的安全で、手軽に使える薬です。副作用としては、口の渇き、かすみ目、便秘、頻脈、記憶力の低下、手の震え、立ちくらみ、吐き気、頭痛、性機能障害などがあります。大量に服用すると、心機能を低下させる恐れがあります。
三環系抗うつ薬は、セロトニンやノルアドレナリンの働きを高めますが、同時にアセチルコリンの働きを抑制するために、口の渇きや動悸、便秘、排尿障害などの副作用があります。三環系抗うつ薬を服用して、効果が出るまで1~2週間はかかりますが、逆に副作用は服用してすぐに出るのが欠点です。しかし、うつ病の改善率が60~70%と高いことから、現在も治療薬として用いられているのです。また三環系抗うつ薬は、うつ病だけでなく、パニック発作を抑える効果にも優れています。
 以上、心療内科千里中央駅千里ニュータウン千里セルシー3階)「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。






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