非定型うつ病について(その42)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
【続き→】■SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
セロトニンは、食欲や性欲や睡眠など、本能に直接かかわる物質で、覚醒や興奮に関与するノルアドレナリンやドーパミンをコントロールし、精神を安定させる働きがあります。したがって、セロトニンの量が減少すると、イライラや不安になったり、睡眠障害を起こしたり、衝動的で攻撃的になったり、自殺や自傷行為などを起こしやすくなります。SSRIは、セロトニンが神経細胞から放出されたあと、元の細胞に再取り込みするのを防ぐため、セロトニンの量を増やすことになります。しかも、セロトニンだけに選択的に働くため、ほかの神経伝達物質であるアセチルコリンには作用しないため、抗コリン作用による副作用(口の渇き、かすみ目、便秘、動悸、排尿障害など)が少なく、しかも依存性もありません。少ない副作用というのは、服用の初期に吐き気、嘔吐、ふらつき、めまい、眠気などの症状が現れることもありますが、様子をみながら徐々に薬の量を増やしていけば、それほど心配はいりません。
非定型うつ病に対しては、てきめんに効くという程ではありませんが、非定型うつ病の人は不安障害を併発していることが多く、SSRIはこの不安障害によく効くために積極的に使用され、基礎薬としての効果がある薬です。ただし、効果が現れるまでに2~4週間、人によっては8~12週間もかかるため、不安を和らげる場合には即効性のある抗不安薬を併用することもあります。
SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
1999年に認可された抗うつ薬で、SSRIと同じように、抗コリン作用による副作用も少なく、依存性もないために広く使われている薬です。また、SSRIよりも意欲を高める効果も期待されています。
 以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。






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