日別アーカイブ: 2016年6月15日

リワーク(復職)支援(その39)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職)支援」の39回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖うつ病から職場復帰リワーク)する~うつ病と休職
うつ病が発症してから休職までの流れ
1.うつ病と診断される
精神科心療内科を受診したときに「うつ病」と診断されます。
このまま働きながら治療するのは難しいと診断された場合、医師(精神科医心療内科医)から診断書を書いてもらいましょう。
また、診断書はうつ病で休職中の時に傷病手当金の申請にも必要になります。
2.上司に相談する
まずは精神科医の診断書心療内科医の診断書を持って職場の上司に相談しましょう。
しかし、中には上司からのプレッシャーやストレスが原因でうつ病が発症してしまった方もいるでしょう。
そういった場合は、人事部や産業医に相談しましょう。
3.休職前に引き継ぎをおこなう
うつ病と診断されましたので明日から休みます”
こんな風にいきなり今の若者は休んでしまうそうです(新型うつ病)。
しかし、本来うつ病になってしまう方は責任感が強い方ですので、まわりに迷惑がかかることは避けたいものです。
休職すると決まったら、しっかりまわりへの引き継ぎなど、やることはやってからにしましょう。
なぜなら、中途半端で休職してしまうと、無責任に仕事を投げ出した罪悪感が残ります。
また、休職中に確認の電話がかかってきてしまうので、本当の意味でメンタルヘルス疾患からの回復に専念できなくなります。
それに、同じ会社に復職するリワークする)のですから、周りへの迷惑は最小限に抑えなければ、のちのち復職したときリワークしたとき)に人間関係が上手くいかなくなってしまいます。
うつ病で辛い時に引き継ぎをするのは、とても大変な作業ですが、ゆっくり休むためにはしっかりと引き継ぎをしておきましょう。
4.必要書類を揃える
●休職願い(会社によって書式が違います)
精神科医の休業診断書、又は心療内科医の休業診断書
●産業医の診察(会社による)
5.休職期間に入る
※休職中と復職の流れリワークの流れ)は次回以降にて詳しくご紹介します。
◎最近話題の新型うつ病とは何?
最近の若者に多く問題となっているのが、「新型うつ病」と呼ばれているメンタルヘルス不調です。
従来からのうつ病と違うのは、従来のうつ病とされる症状には、何をするにもやる気が起きず、以前楽しんでいた趣味も出来なくなってしまうというものです。
対して新型うつ病は、仕事に対してのみやる気が起きずうつ症状を発症するというものです。
なので、趣味や遊びに対しては思いっきり楽しむことができ、また、本人も医師(精神科医師心療内科医師)から楽しむことがメンタルヘルス不調の回復に良いと教えられます。
新型うつ病で休職中に、ハワイ旅行の様子をブログにアップして問題になるというケースは、本人からすれば、“こんなに良くなったよ”というアピールなのでしょうが、
仕事のしわ寄せを受けている他の社員にとっては、到底納得できないことですよね。
実際、うつ病学会では、この新型うつ病うつ病とは認めていません。
また、名前にうつ病と入れていることも、ほんとのうつ病に苦しんでいる方々に失礼だという声もきかれます。
新型うつ病になりやすい人
●自己愛が強くナルシスト
●自分はコツコツ働かなくても、いずれ大きなことが出来るという根拠のない自信がある
●親に甘やかされて育った
●今まで挫折を経験したことがない
●自分の失敗はすべてまわりの責任
●ゆとり教育世代
新型うつ病と診断されると≫
本人は、“お金ももらえて仕事も休めてラッキー♪”
と思っているかもしれません。
しかし、うつ病と診断されると、
●生命保険に加入しにくい
●住宅ローンなどのローンが組みにくい
●就職に不利になる
など、
うつ病は再発のリスクが高く、将来の見通しが立てにくいので、以上のような不利益が出てくるのです。
以上、千里中央駅直結・千里セルシー3階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。