日別アーカイブ: 2018年5月16日

復職支援(リワーク)(その47)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の47回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●職場復帰におけるリワークにおける)産業保健スタッフの役割
職場で労働者のメンタルヘルスを守るために産業保健スタッフと呼ばれる職員が、さまざまな活動を行っています。産業保健スタッフは会社の規模などによって構成が大きく異なります。従業員1000人以上の職場では、常勤の産業医を配置することが法律で定められており、この産業医を中心に保健師や看護師・臨床心理士や産業カウンセラーなどが、皆様の職場復帰をサポートリワークをサポート)することになります。特に、精神科医・心療内科医を産業医として配置している職場では、その精神科産業医・心療内科産業医職場復帰の実質的な舵取りリワークの実質的な舵取り)をすることになります。
また、従業員50人以上の職場では、嘱託の産業医を配置することが義務付けられていますが、嘱託産業医の場合には熱心に職場復帰をサポートしてくれる場合リワークをサポートしてくれる場合)もありますし、ほぼ名前だけの産業医でうつ病などメンタルヘルス疾患のことには全く知識がないという場合もあります。ただ、会社に保健師や看護師がいる場合には、その方が職場復帰のサポートその方がリワークのサポート)をしてくれることが多いので、職場復帰の際リワークの際)には協力を求めると良いでしょう。
もし、職場にメンタルヘルス専門の医療関係者が全くいないような場合には、多くは人事や労務担当者が職場復帰に携わるリワークに携わる)ことになりますが、メンタルヘルスの専門家ではありませんので、主治医(精神科医師・心療内科医師)からメンタルヘルス不調の説明をしてもらい、そのメンタルヘルス不調からの回復状態に合った復職環境リワーク環境)を整えてもらえるよう、復職環境の調整リワーク環境の調整)を依頼してみましょう。
さて、主治医(心療内科医・精神科医)と産業医は何が違うのでしょう。基本的には、メンタルヘルス不調になった患者様を治すのが主治医(心療内科医師・精神科医師)で、職場でメンタルヘルス不調が発生しないようにするのが産業医の役割になりますが、職場復帰の場面リワークの場面)においては、メンタルヘルス不調が治ったかどうかという疾病性の判断をするのが主治医で、もう一度働くことができるかどうかという機能性の評価をするのが産業医の仕事になります。つまり、メンタルヘルス不調やけがが治ったことと働くことができることの判断は全く別のものになるので、主治医は「職場復帰可能リワーク可能)」と判断しても、産業医が「職場復帰不可リワーク不可)」と判断するケースが出てくるのです。
このように産業保健スタッフは、主治医から出された職場復帰可能という診断書リワーク可能という診断書)をもとに、職場の状況や本人のメンタルヘルス不調からの回復具合などから本当に職場復帰が可能なのかリワークが可能なのか)、もし職場復帰可能であればリワーク可能であれば)、どのような方法で復職どのような方法でリワーク)をしたらメンタルヘルス疾患の再発を防げるのかなどを判断し、職場に助言する立場にあるのです。ですから復職に関してリワークに関して)は、産業医を中心とした産業保健スタッフと十分な連携を取って話を進めていくことが重要なのです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。