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復職支援(リワーク)(その104)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の104回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅣ)
リワークプログラム復職支援プログラム)❷
⇒最近は、メンタルヘルス専門医療機関内にある復職支援施設リワーク施設)など民間医療機関でリワークプログラムを実施民間医療機関で復職支援プログラムを実施)するところも増加しています。復職支援施設の多くリワーク施設の多く)はデイケアの枠を利用してのリワークプログラムへの取り組み復職支援プログラムへの取り組み)です。メンタルヘルス専門医療機関内にある復職支援施設など医療機関リワーク施設など医療機関)におけるリワークプログラムの特徴復職支援プログラムの特徴)は表1のように整理できます。2008年(平成20年)には全国規模の研究会も発足し、復職支援施策リワーク施策)の提言に続き、復職支援の標準的なプログラムリワークの標準的なプログラム)についても検討が進められています。リワークプログラムの修了者復職支援プログラムの修了者)に対して、職場復帰後リワーク後)土曜日等に参加できるリワークプログラムを開設復職支援プログラムを開設)しているところもあります。
◇表1 職場復帰支援施設リワーク支援施設)など医療機関におけるリワークプログラムの特徴医療機関における復職支援プログラムの特徴
『■集団を対象とする
・同じ悩みを持った仲間の存在
・対人関係を扱う、いわば実験室
■対象を限定している
治療中のうつ病などメンタルヘルス障害圏の休職者
復職および再休職の予防リワークおよび再休職の予防)が目標
■リハビリテーションの要素である
・治療の一環
・開始条件があり、一定のステップに加え中止もある
・指標はメンタルヘルス症状の安定性とメンタルヘルス症状の持続
復職準備性リワーク準備性)の評価基準
心理社会的療法を用いる
メンタルヘルス疾病教育、セルフマネジメント
・服薬アドヒアランスの向上
メンタルヘルス疾患の発症メカニズムの自己理解
認知行動療法などの実施や応用など』
現在のリワークプログラム参加者復職支援プログラム参加者)は、障害者職業センター、復職支援施設など民間医療機関リワーク施設など民間医療機関)とも、うつ病などメンタルヘルス障害圏の割合が高くなっています。その他、民間団体でもうつ病者などメンタルヘルス不調者を対象にしたリワークプログラムを実施復職支援プログラムを実施)しているところがあります。
現場で職場復帰支援リワーク支援)に関わっている復職支援スタッフリワークスタッフ)に、リワークプログラムは、おおむね好評復職支援プログラムは、おおむね好評)をもって迎えられていると言えるでしょう。特に職場復帰支援施設など医療機関リワーク支援施設など医療機関)においては、リワークプログラム運営復職支援プログラム運営)に要する労力や時間と診療報酬とのバランスの問題など、さらにリワークプログラムを普及復職支援プログラムを普及)していくために提供復職支援施設提供リワーク施設)の間で検討されるべき点は残っているものの、今後もリワークプログラムが洗練化、標準化復職支援プログラムが洗練化、標準化)されていけば高い成果が期待されます。しかし他方で、リワークプログラムは、労働者個人を対象とした働きかけが中心復職支援プログラムは、労働者個人を対象とした働きかけが中心)であり、リワークプログラムだけでは受け入れ職場への介入には強い限界復職支援プログラムだけでは受け入れ職場への介入には強い限界)があるのも事実です。それは、主として事業場内の産業保健職などが尽力すべき活動になります。事業場内の産業保健職は、リワークプログラムに対して過度の期待復職支援プログラムに対して過度の期待)を抱き、職場側の受け入れ状況の改善に向けた取り組みを怠ることになってはならないです。リワークプログラムを実施、運営復職支援プログラムを実施、運営)しているメンタルヘルス専門復職支援機関リワーク機関)と職場との連携のあり方が今後の課題です。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その103)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の103回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅢ)
リワークプログラム復職支援プログラム)❶
リワークプログラムとは、在職メンタルヘルス障害者の職場復帰支援プログラムの通称です。平成14年度に独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構(現在の高齢・障害・求職者雇用支援機構)障害者職業総合センターで試行が開始され、その後各都道府県の地域障害者職業センターで展開されています。メンタルヘルス障害者職業カウンセラーおよびアシスタントが、主治医(精神科医・心療内科医)、当該労働者の職場関係者と連携しながら、12~16週程度の復職支援活動リワーク活動)を行っています。状況によって、職場に出向いてその受け入れや上司・同僚の理解促進に関する助言・復職支援を行う上司・同僚の理解促進に関する助言・リワークを行う)ところに大きな特徴があります。内容は、①社会生活リズムの再構築、基礎体力、集中力の回復、②メンタルヘルス障害の理解、ストレス疲労の自己管理の習得、③コミュニケーション方法の習得、④職場復帰後リワーク後)の新たな職務や環境に対する対応力の向上、⑤キャリアプランの再構築が中心です。認知行動療法も積極的に取り入れられています。
メンタルヘルス不調によって長期間休業した労働者が職場復帰をする際リワークをする際)、薬物治療などによるメンタルヘルス症状の改善と生活リズムの立て直しを行うだけでは、復職をしてもリワークをしても)短期間のうちにメンタルヘルス不調が再燃し職務の遂行や安定した出勤が困難となって再休業に至ることが少なくないです。業務に関する知識や技術的な側面に加え、ストレス対処、対人関係の持ち方、時間管理、主張の表現法、仕事に対する取り組み姿勢、さらには職業観などについて、再度自らを見つめなおすことがメンタルヘルス不調の再燃・再発に重要である例が散見されます。
リワークプログラムは、こうした問題に焦点を当て復職支援プログラムは、こうした問題に焦点を当て)、リワークプログラム参加者復職支援プログラム参加者)が職場復帰にあたって障害となっているリワークにあたって障害となっている)、あるいはなると予想される問題を評価し、その改善に向けた働きかけを行うものといえます。
リワークプログラムへの参加復職支援プログラムへの参加)は、本人が主治医(精神科医師・心療内科医師)と相談の上決めるものであり、職場関係者が強制すべきではないが、休業中の段階でリワークプログラムの存在、有用性に関する情報復職支援プログラムの存在、有用性に関する情報)を提供し、リワークプログラムの利用復職支援プログラムの利用)に関して主治医(心療内科医・精神科医)と相談することを促すのは円滑な職場復帰円滑なリワーク)に寄与すると考えられます。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その102)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の102回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(Ⅻ)
◎試し出勤制度❷
復職支援手引きリワーク手引き)では、「試し出勤等」を、①模擬出勤、②通勤訓練、③試し出勤の3つに分類し、「この制度の導入に当たっては、この間の処遇や災害が生じた場合の対応、人事労務管理上の位置づけ等について、あらかじめ労使間で十分に検討しておくとともに、一定のルールを定めておく必要がある。なお、作業について使用者が指示を与えたり、作業内容が業務(職務)に当たる場合などには、労働基準法等が適用される場合があることや賃金等について合理的な処遇を行うべきことに留意する必要がある。また、この制度の運用に当たっては、産業医等も含めてその必要性を検討するとともに、主治医(精神科医・心療内科医)から試し出勤等を行うことが本人の療養を進める上での支障とならないとの判断を受けることが必要である。さらに、これらの制度が事業場側の都合でなく労働者の職場復帰労働者のリワーク)をスムースに行うことを目的として運用されるよう留意すべきである。特に③の試し出勤については、具体的な職場復帰決定リワーク決定)の手続きの前に、職場復帰可能リワーク可能)の判断等を目的として行うものであることを踏まえ、職場復帰可能の判断リワーク可能の判断)等の目的を達成するために必要な時間帯・態様・時期・期間等に限るべきであり、いたずらに長期にわたることは避けること」と述べています。また、平成24年には、試し出勤において、賃金の支払い対象となる可能性があることが、改めて通達で明示されました。
「試し出勤」を、メンタルヘルス症状や生活リズムはもとより、業務遂行能力についてもある程度の回復が見てとれる段階にまで至っている労働者が、職場復帰にあたってリワークにあたって)出勤や勤務に関する感触を確かめ、上司や同僚もどの程度の業務をこなせそうかの見通しを立てるといった、文字通りの「試し」あるいは練習の期間とした場合、以下の点に留意が必要です。
まず、通勤や作業中の事故等の補償、作業の扱いに関する事項です。前者については特別な保険に加入している例、後者については、通常の就業とは別の枠で一定の賃金を支払っている例があります。いずれも、労使の協議等により定め、書面化して、事業場内に周知しておくことが不可欠です。
次に、仮に「試し出勤」制度を設けたとしても、休業した全ての労働者に職場復帰前リワーク前)に「試し出勤」を課すことはできないことです。「試し出勤」制度を運用するためには、以下の3つの要件が全て満たされる必要があるとされています。
・本人が主体的に参加する意思を有していること。
・主治医(精神科医師・心療内科医師)が了解をしていること。
・産業医が関与していること。
また、試し出勤の期間(特に上限)を決めておくことも重要です。試し出勤の目的を上記のように定めると、自ずとおおよその期間が決まってくるでしょう。通常は1ヵ月程度であり、半年以上となるような長期間は適切でないと考えられます。この期間の上限を過ぎても、勤務状況が安定せず職場復帰およびその後の継続的な勤務の見通しリワークおよびその後の継続的な勤務の見通し)が立ちにくい場合には、本人と職場関係者、産業保健職が話し合いを行い、再休業とする規定も必要でしょう。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その101)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の101回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(Ⅺ)
◎試し出勤制度❶
職場復帰支援リワーク支援)の一環として、従来「リハビリ出勤」「リハビリ勤務」「慣らし勤務」など、さまざまな名称が使用されてきた制度があります(表1)。共通する内容は、長期に休業した労働者に対して、正式な勤務に就く前に、通勤の練習、単純作業、その他負荷の軽い作業を行わせる(行うことを認める)ものです。しかし、これらの実施が、正式な職場復帰前リワーク前)か職場復帰後リワーク後)かによって、それに絡む事柄が大きく変わってきます。復職支援手引きリワーク手引き)では、職場復帰前、すなわち休業中に行うものを「試し出勤等」リワーク前、すなわち休業中に行うものを「試し出勤等」)とし、職場復帰後に軽減された業務を行うのは、「業務上の配慮」リワーク後に軽減された業務を行うのは、「業務上の配慮」)として取り扱っています。
◇表1 「試し出勤」等の意味の多様性
『■リハビリ勤務
ーーⅠ型(治療・無就労型):治療の一環、職場復帰前(仕事しない)リワーク前(仕事しない)
ーーⅡ型(治療・就労型):治療の一環、職場復帰前(仕事する)リワーク前(仕事する)
ーーⅢ型(慣らし型):慣らし勤務、職場復帰可能リワーク可能)の判断後/職場復帰前判断後/リワーク前)(仕事する)
■試し出勤
ーーⅣ型(無就労型):復職の判定リワークの判定)、職場復帰可能の判断リワーク可能の判断)後/職場復帰(決定)リワーク(決定))前(仕事しない)
ーーⅤ型(就労型):職場復帰可能の判断後リワーク可能の判断後)/職場復帰(決定)前リワーク(決定)前)(仕事する)
■慣らし勤務
ーーⅥ型(一時的配慮型):慣らし勤務、職場復帰後慣らし勤務、リワーク後)(仕事する)
ーーⅦ型(就業変更型):仕事の変更、職場復帰後仕事の変更、リワーク後)(仕事する)』
「試し出勤等」を検討する上でまず必要なのは、業務上の配慮同様、目的を明確にすることです。復職支援手引きでは、「リハビリ」という表現が用いられていないリワーク手引きでは、「リハビリ」という表現が用いられていない)です。
「リハビリ」という表現には医療的な関わりを想起させる面があり、試し出勤制度のおもな狙いがメンタルヘルス症状あるいはメンタルヘルス機能(非常に低下したメンタルヘルス)の改善にあるかのような印象を与えてしまうことも懸念されたためであると考えられます。
そうした「リハビリ」を職場という場を借りて実施するという考え方もありえるし、それに該当するような取り組みを行っている事業体も皆無ではないです。しかし、その場合には、手続きや進め方に関して、主治医(精神科医・心療内科医)とのより連密な調整が必要となり、職場においても一定のメンタルヘルスの専門的な知識を有したメンタルヘルス専門医療職が中心となる関わりが求められるでしょう。メンタルヘルス機能の回復過程に対する詳細な評価を誰が行うのか、医療費の類をどう扱うかといった問題や、トラブルが発生した際の責任の所在も明確にしておく必要があります。「リハビリ」の場となる職場の責任者は、そうしたことに関する説明を受ければ強い責任を感じざるを得ないです。常勤のメンタルヘルス専門医療職がいない中小規模事業場では、実施が困難です。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その100)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の100回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(Ⅹ)
「復職支援手引き」の概要「リワーク手引き」の概要)と具体的な復職支援の進め方リワークの進め方)❽
⇒第3ステップで決めた職場復帰プランリワークプラン)にしたがって職場復帰支援リワーク支援)を行っても、メンタルヘルス不調の再発・再燃が繰り返される例、業務遂行能力の回復が進まない例は存在します。そうした例に対しては、個人要因の影響が強いと断定する前に、少なくとも以下の事項については、当てはまらないかどうかを確認する必要があります。
ⅰ)軽すぎる業務負荷
上司に業務負荷を軽減しなければならないという意識が強すぎる場合などで、極めて負荷の少ない業務が与えられることがあります。期限が全くなく行うことに意味が感じられない作業、1日をかけて行うように指示を受けたが1、2時間程度で終えてしまうような作業などです。急激に業務負荷を高めるのが好ましくないことは自明であるが、あまりに負荷の軽い作業を続けさせると、当該労働者は、同僚の業務負荷との落差から、疎外感、無力感あるいは焦りを強め、メンタルヘルス不調の再燃をきたす可能性があります。
ⅱ)生活リズムを崩すような業務上の配慮
前述したように、職場復帰は、生活リズムが安定して、通常の出勤時間に間に合うように起床し、日中のまとまった時間何らかの作業を行える段階にあることリワークは、生活リズムが安定して、通常の出勤時間に間に合うように起床し、日中のまとまった時間何らかの作業を行える段階にあること)を必要条件にするのが一般的であるが、職場復帰後リワーク後)もこれを継続するのを後押しするような配慮が望まれます。
決められた出勤時間に遅刻しがちになった場合には、それを容認し続けるのではなく、そのような状態になっている理由を本人から聴き取り、業務内容の見直し等、可能な範囲で調整を行います。
ⅲ)不明確・不適切な業務指示
当該労働者の上司が多忙であったり、出張等が多かったりするために、本人とあまり接触ができないことがあります。上司としてはできる限りの声かけや業務に関する指示を行っているつもりではあっても、本人が気後れして、悩みや困難を相談できずにいる例は少なくないです。そうした場合は、上司の代行役を指名するなどの工夫が望まれます。
ⅳ)不十分な評価
業務の指示が出されても、それを当該労働者が遂行できたかどうかの確認が確実に行われないと、職場復帰プランの適切な見直しリワークプランの適切な見直し)ができないです。ひとまとまりの業務ごとに本人と上司がその進捗状況や結果について話し合い、総体的な業務遂行能力の回復状況を確認し合うとよいです。
ⅴ)矛盾した対応
上司によっては、職場復帰時リワーク時)および復職当初リワーク当初)は、手厚い業務の軽減や声かけ等を行うが、本人の業務遂行能力が期待どおりに回復しなかったり、欠勤がみられたりすると、急に冷淡な態度をみせる場合があります。職場を管理する立場の苦労を慮ると、理解ができないことではないが、そうした対応は決してよい結果をもたらさないです。
産業保健職が、具体的にいつまで職場復帰後のフォローアップリワーク後のフォローアップ)を継続するかは、本人側および職場側双方の事情によって異なります。多くの例では、就業面の配慮が解除された時点が目安になろうが、本人側の事情として、①メンタルヘルス不調の再発あるいは再燃の危険が高いと判断される場合、②過去に自殺未遂がみられたか希死念慮が高まったことがある場合、職場側の事情として、(a)(メンタルヘルス不調に陥っていない労働者にとっても)過重であるような労働を強いられる傾向がある場合、(b)上司や同僚の目が行き届きにくく本人のメンタルヘルス不調の発見が遅れる可能性が高い場合、(c)職場の再編などによって、本人にとって慣れない職場環境で慣れない業務に従事せざるを得ない場合などでは、復職後のフォローアップ期間リワーク後のフォローアップ期間)を長くとることが検討されてよいです。
産業保健職による復職後のフォローアップが継続リワーク後のフォローアップが継続)している間は、当該労働者はまだ自分が以前と同様には見られていないという意識を持ちがちです。そのため、できるだけ早く復職後のフォローアップが解除リワーク後のフォローアップが解除)になることを望む労働者も多いです。当該労働者が復職後のフォローアップの解除を願い出たリワーク後のフォローアップの解除を願い出た)場合、産業保健職は、本人や上司とよく話し合い、訴えの背後に焦りや非合理な思い込みがないかどうかを見極めることが望まれます。そのためには、主治医(精神科医・心療内科医)と連絡をとり、意見を入手するのもよいでしょう。
また、こうした職場復帰後の特別なフォローアップリワーク後の特別なフォローアップ)の終了後も、産業保健職には、メンタルヘルス診断時等の機会に職場適応の持続状況を見守っていくことが望まれます。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その99)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の99回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(Ⅸ)
「復職支援手引き」の概要「リワーク手引き」の概要)と具体的な復職支援の進め方リワークの進め方)❼
⇒⑤<第5ステップ>
職場復帰後のフォローアップリワーク後のフォローアップ)の目的は、当該労働者がメンタルヘルス不調の再発や再燃をきたさずに、あるいはメンタルヘルス不調がみとめられても、早期の適切な対応によりその職務遂行能力を順調に高め、職場再適応を果たすのを職場復帰支援リワーク支援)するところにあります。
職場復帰時に想定リワーク時に想定)した職場復帰プランリワークプラン)が順調に進んでいるかどうかを確認し、復職支援プランが困難リワークプランが困難)となっていれば、原因や問題点を明らかにして、再度復職支援プランを見直すリワークプランを見直す)作業が中心となります。
この場合の復職支援この場合のリワーク)は、中心となる職種により次の3つに分けることができます。
1)上司(同僚)の復職支援上司(同僚)のリワーク
職場復帰プランに沿ってリワークプランに沿って)、職務に関する指示を出し、その成果を評価します。最近、多くの中間管理職はプレイングマネージャー化して多様な職務を抱え、部下管理に十分な時間を割く余裕がない状況にあることが指摘されるが、この過程を丁寧に行うことは非常に重要です。上司には、職場復帰の際リワークの際)に、その旨をよく理解してもらっておく必要があります。
2)産業保健職(産業医、看護職)の復職支援産業保健職(産業医、看護職)のリワーク
当該労働者のメンタルヘルス不調の再発や再燃の有無を確認します。また、労働者のストレス状態を評価し、職場復帰プランが順調リワークプランが順調)に進んでいるかどうかをモニターします。随時、主治医(精神科医・心療内科医)と連携をとり、必要に応じて復職支援プランの軌道修正リワークプランの軌道修正)や見直しを提言する役割も担います。さらに、当該労働者のみならず、本人を受け入れている職場の関係者、特に上司と接する場を持って、彼らのストレスを確認し、労いやストレス軽減に向けた現実的な助言を行うことも重要です。
3)人事労務管理部署の復職支援人事労務管理部署のリワーク
産業保健職と同様に、人事労務管理部署からも、本人、上司への復職支援本人、上司へのリワーク)を継続します。職場復帰プランの策定リワークプランの策定)に引き続き関与し、必要によっては、人事関連の就業規則類の適用に関する説明の実施や適正配置のための人事異動の検討も行います。
特に、当該労働者がメンタルヘルス不調に陥り休業に至った明らかな要因が職場に見つからない場合には、上司や同僚の復職支援活動上司や同僚のリワーク活動)を当該部署の成績に加味するなどの報酬面の配慮が考慮されてもよいです。
職場復帰後のフォローアップに活用リワーク後のフォローアップに活用)できるツールとして、「職場再適応復職支援職場再適応リワーク)チェックリスト」が開発されています。労働者(本人)向け項目と管理監督者(上司)向け項目からなっており、双方に含まれる項目が大半を占めています。職場復帰時リワーク時)および職場復帰後リワーク後)に、本人、上司、産業保健職(産業医、産業看護職など)が、現在の本人の状況(主としてメンタルヘルス不調の回復度)を確認して、その後の就業面の配慮、本人がどのような点に注意し、どのような仕事に従事するかを話し合う際の、参考資料として活用されることを意図しています。
事前に、本人および上司に配布し、話し合いの席に、記入済みの用紙を持ち寄ってもらって、両者の一致している点を確認するとともに、ずれがある(例えば、本人はできているのに、上司は不十分であると判断している)点について、産業保健職の立会いのもとに問題点を率直に話し合うという使用法を標準とします。「全職種共通」項目と「職種別」項目をあわせて使用します。(例えば、営業職であれば、「全職種共通」と「営業職」の項目を同時に実施する)。
職場再適応復職支援チェックリストリワークチェックリスト)には、使用する時期(職場復職時職場リワーク時)、復職後1ヵ月リワーク後1ヵ月)、復職後3ヵ月リワーク後3ヵ月)、復職後6ヵ月リワーク後6ヵ月))が目記されているが、あくまで目安であり、それぞれの復職後経過時点リワーク後経過時点)で、該当項目が達成されているべきであるということではないです。達成時期は、メンタルヘルス不調の種類職場復帰時の状態リワーク時の状態)(どのくらいのメンタルヘルス不調からの回復レベル職場復帰するかリワークするか))、治療薬の副作用、職務内容、職場環境等によって異なってきます。職場再適応復職支援チェックリスト職場再適応リワークチェックリスト)を復職後の業務リワーク後の業務)に関する成績表の類として用いるのは適切でないです。
こうした復職支援チェックリストを使用リワークチェックリストを使用)することによって、当該労働者と上司との間の職場再適応状況に関する認識のずれ、その復職後経過時点そのリワーク後経過時点)での問題点などが可視化され、次の課題も明らかになることが期待できます。各職場により適した類似のチェックリストを作成し使用してもよいです。
メンタルヘルス疾患の場合、メンタルヘルス症状が軽減した後も、メンタルヘルス不調の再発や再燃の防止のため、薬物療法を中心とした治療が長期にわたって行われることが多いです。産業保健職は、当該労働者の職場復帰後当該労働者のリワーク後)も、主治医(精神科医師・心療内科医師)との連携を続け、治療状況を確認するとともに、職場における当該労働者の仕事ぶり、再適応状況等を報告します。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その98)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の98回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(Ⅷ)
「復職支援手引き」の概要「リワーク手引き」の概要)と具体的な復職支援の進め方リワークの進め方)❻
⇒就業上の配慮は、事業者の安全配慮義務を履行する観点からも重要です。これは当該労働者だけでなく、上司をはじめとする周囲の労働者に対しても負っていることに注意が必要です。当該労働者への就業上の配慮が、結果として上司や同僚に長期にわたる過度のメンタルヘルス的負荷を与えてしまうことがあってはならないです。向精神薬が眠気、判断力・集中力などに及ぼす影響についても、慎重に検討すべきです。抗うつ薬をはじめとする向精神薬は、メンタルヘルス症状の再発や再燃の防止のために、職場復帰後リワーク後)も服薬を継続すべきであることが多いです。三環系抗うつ薬ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、運転作業に影響を与えるが、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)はほとんどその心配がないという報告や、抗不安薬の中でも種類によって影響が異なり、ベンゾジアゼピン系のジアゼパムはアザピロン系のタンドスピロンよりも急ブレーキ操作と関わる運転技能を障害するという報告があります。
また、うつ病などメンタルヘルス不調例への対応の注意として、「叱咤激励をしないこと」「頑張らせないこと」がよく強調されます。これらは、メンタルヘルス不調の悪化している時期や不安定な時期には重要であるが、職場復帰を検討リワークを検討)する段階でそれ一辺倒の対応をするのは、必ずしも適切とは言えないです。むしろ、多少の頑張りもできないようであれば、それはまだ職場復帰の時期リワークの時期)が尚早だと考えられます。職場復帰時リワーク時)および復職後の注意リワーク後の注意)として「頑張らせないこと」があるとすれば、当該労働者が性格傾向として周囲に気を遣い、自らに対して厳しい側面が強いために、復職後当初リワーク後当初)の復職支援プランリワークプラン)以上に無理をして仕事をこなそうとすることに対して、それが招く疲労の蓄積を回避すべく、自制を促すという意味からです。「頑張れないのに、頑張れと言われると、ますます本人を苦しませる」というメンタルヘルス不調の不安定期における意味とは異なります。
④<第4ステップ>
職場復帰が可能リワークが可能)と判断され、復職日リワーク日)、復職する職場リワークする職場)、就業上の配慮などを含む職場復帰プラン就業上の配慮などを含むリワークプラン)が決まったら、復職支援プランを書面にしてリワークプランを書面にして)一同で確認し、主治医(精神科医・心療内科医)にも伝えます。主治医(精神科医師・心療内科医師)の意見と異なった判断となった部分があれば、その理由も併せて報告するとよいです。
時間短縮勤務など、休業前と業務負荷が大きく変わる場合には、給与や賞与を減額するという対応も考えられるが、あらかじめ就業規則などに定めておく必要があります。復職支援手引きリワーク手引き)でも、その変更は合理的な範囲に留めるべきである旨が明記されています。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


火曜日担当医の葛原です

先日、フェスティバルホールで小林研一郎指揮、大阪フィル演奏の3大交響曲の夕べを聴きに行ってきました。コバケンが指揮台から落ちないか心配しました。運命はやっぱり凄い曲ですね。新世界の第2と第4楽章も圧倒的でした。全国の被災者に捧げますと話されて演奏された、アンコールのダニーボーイの弦楽合奏はジーンときました。
最近は地震・台風・猛暑など自然災害が続いてますが、音楽には傷ついたこころを癒す効果があると言います。皆様も職場での人間関係による精神的ストレスで、不眠不安イライラ気分の憂うつなどメンタルヘルス不調を感じたら、音楽鑑賞でこころを癒されたら如何でしょうか?もし、それでもメンタルヘルス不調が改善しない場合、豊中市 千里中央心療内科杉浦こころのクリニック」へお問い合わせ下さい。