月別アーカイブ: 2019年9月

臨床心理士の吉田です。

今週半ばから突然涼しくなりました。過しやすくて嬉しい反面、急な気温の変化に驚いております。
昨日、スーパーに行きましたらお月見団子が売られており、もうそんな季節なのかと思い、時間の流れの早さについていけていないことを実感しました。あんこは体に良いと聞いておりましたので、早速購入し、1日の終わりに自分を労うということで美味しく頂きました。たまにはホッとするような時間を持ちながら、季節の変わり目を過していけたらと思いました。
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職場のメンタルヘルス(その25)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の25回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(Ⅺ)
メンタルヘルス科専門医精神科医・心療内科医)紹介で気をつけるポイント①~
厚生労働省のメンタルヘルス調査からもわかるように、メンタルヘルス障害によるメンタルヘルス不調者数が10年ほどで倍増しています。メンタルヘルス不調者数の増加には時代や環境の変化などの影響による新型うつ病などのメンタルヘルス疾患などが関与しているが、概してメンタルヘルス科受診者メンタルヘルス症状軽症化という特徴があげられます。実際メンタルヘルス科外来診療では、即メンタルヘルス科入院を考えなければならない重症メンタルヘルス不調者の割合は少なくなっている傾向があります。
事業場内でのメンタルヘルス相談体制が充実化されるほど、軽症メンタルヘルス不調レベルメンタルヘルス相談が増えることにもなります。その結果、うつ病などメンタルヘルス疾患の診断まで至っていない適応障害といった軽症メンタルヘルス不調レベルが疑われるケースも増えることになります。メンタルヘルス疾患が重症化しないこと勤労者のメンタルヘルスにとっても職場のメンタルヘルスにとってもよいわけだが、メンタルヘルス科専門医師精神科医師・心療内科医師)への紹介には注意が必要です。適応障害など軽症メンタルヘルス不調うつ病などほかのメンタルヘルス疾患メンタルヘルス診断基準を満たさないことが条件となります。裏を返せば、ほかのメンタルヘルス疾患メンタルヘルス診断がつくほど重症メンタルヘルス障害ではないということを意味します。概してメンタルヘルス疾患に対する薬物治療以上に、職場環境の調整などでメンタルヘルス対応すべきケースも多いです。職場でメンタルヘルス対応すべきケースはメンタルヘルス専門医心療内科医・精神科医)に紹介する際に、職場でメンタルヘルス問題が事例化したメンタルヘルス状況を十分にメンタルヘルス専門医師心療内科医師・精神科医師)に伝えることが大変重要です。なぜなら、主治医にとってメンタルヘルス科初診時メンタルヘルス不調者本人と初対面であり、病前のメンタルヘルス情報がない中で病前のメンタルヘルス状況との変化を推測するためです。
メンタルヘルス科専門医紹介で気をつけるポイントを表1に列挙してみました。詳細を以下に説明します。
◇表1 メンタルヘルス科専門医に伝えるポイント
『①事例性に関するメンタルヘルス情報:なぜ、メンタルヘルス科紹介に至ったのか
職場環境に関するメンタルヘルス情報:業務内容、労働の過重性、適応性や遂行能力、他者との交流、上司や同僚など職場のメンタルヘルスサポート体制
問いたいメンタルヘルス情報個人情報保護など個人メンタルヘルス情報の取り扱いを伝えた上で):疾病性に関すること…疾病性の有無、メンタルヘルス疾患の重症度、療養の要否、メンタルヘルス科治療の見通し/業務上の配慮に関すること…配慮の要否、メンタルヘルス対応の内容(質および量の調整など)』
◎疾病性と事例性の理解とそのメンタルヘルス情報
疾病性はメンタルヘルス科専門医メンタルヘルス評価メンタルヘルス疾患の有無メンタルヘルス疾患の重症度を意味します。それに対し事例性は職場が評価し職場でメンタルヘルス問題となっている事項の有無やメンタルヘルス問題の程度ということになります。表2に示しているが、人事や上司から産業医にメンタルヘルス相談があった場合は事例性が生じていることが多いと思われます。メンタルヘルス科専門医紹介の際には職場でどのようなことがメンタルヘルス問題になっているのかを、紹介状に明記しておく必要があります。一方でメンタルヘルス不調者本人からメンタルヘルス相談があった場合や、産業医が問診でメンタルヘルス不調の疑いを持ったときは、事例性が生じていないケースもあるでしょう。その際もできればメンタルヘルス不調者本人の了解を得て、上司から職場でのメンタルヘルス不調者本人の様子をうかがい、事例性の有無を確認したうえでメンタルヘルス科紹介するのが望ましいです。実際はメンタルヘルス不調者本人が上司への連絡を拒否する場合もときにあり、自傷他害といった生命のリスクが高くなければまずは無理をしなくてよいが、メンタルヘルス不調者本人の職場適応の協力をしたいという意向を伝えタイミングを見て試みたいです。「産業医から口頭でメンタルヘルス科への受診を勧められた」と紹介状も持たずにメンタルヘルス科専門医を受診するという場合は、メンタルヘルス科診察の場メンタルヘルス不調者本人が述べるメンタルヘルス情報のみでのメンタルヘルス判断となります。事例性に関するメンタルヘルス情報が乏しいと、過少メンタルヘルス判断「必ずしもメンタルヘルス科外来通院して内服をすべきケースではない」あるいは、過剰メンタルヘルス判断うつ病などメンタルヘルス疾患にて本日から休業すべき」というメンタルヘルス診断が下されてしまうこともあり得ます。精度の高いメンタルヘルス診断を望むのであれば、なぜこの度メンタルヘルス科紹介するに至ったのか、その事例性に関するメンタルヘルス情報が丁寧に記載された紹介状は不可欠です。
◇表2 疾病性と事例性
『①疾病性あり、事例性あり:メンタルヘルス科専門医の意見をもとに職場で就業上の配慮を決定
②疾病性あり、事例性なし:メンタルヘルス科専門医など専門家によるメンタルヘルス科専門治療
③疾病性なし、事例性あり:人事労務上の問題として検討
④疾病性なし、事例性なし:メンタルヘルス医学的にも社会的にも健康』
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


職場のメンタルヘルス(その24)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の24回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(Ⅹ)
メンタルヘルス不調者メンタルヘルス問題を整理する際のポイント~
メンタルヘルス科専門医療機関受診を勧奨すべきかどうかを判断する
●日常生活や業務に支障をきたすほどのメンタルヘルス症状がある
⇒たとえば、不眠が続くため職場でいつも眠気に襲われる、不安が強くて仕事に集中できずミスが多くなる、疲労感が強くて休日は何もせずに横になっていることが多いなどです。このように日常生活や業務に支障が出るメンタルヘルス状態のレベルかどうかが、メンタルヘルス科専門医療機関への受診勧奨の一つのポイントになります。
●自責感、焦燥感が強い
⇒たとえ日常生活や業務に支障が出ていなくても、たとえばメンタルヘルス不調者本人にとっては限界に近くなっており「こんな自分が情けない」「会社や家族に迷惑をかけることになる」など自責感が強い場合、「もう居ても立ってもいられないくらいイライラする」など、焦燥感が強い場合はうつ病などメンタルヘルス疾患が疑われるのでメンタルヘルス科受診を勧めます。
自傷や自殺をほのめかす
⇒このようなメンタルヘルス状態であれば急ぎのメンタルヘルス対応が必要となります。特に、自傷や自殺しないことを約束できない場合はできるだけその日のうちにメンタルヘルス科受診させることを考えます。上司、人事、家族と連携して複数の人間で動き、確実にかつ安全にメンタルヘルス科受診に至ることができるよう配慮します。メンタルヘルス科受診の際は家族の同伴が望ましいが、地理的条件などで同伴が困難な場合でも決して1人でメンタルヘルス科受診させず、会社の誰かが同伴することを考えます。
メンタルヘルス不調者本人メンタルヘルス科受診を希望している
上にあげたメンタルヘルス状態にまではなくても、当該メンタルヘルス不調者本人メンタルヘルス科受診を希望していたらメンタルヘルス科受診を勧めるのがよいです。メンタルヘルス科専門医療機関を受診するのは必ずしもメンタルヘルス科治療を必要とする場合だけでなく、現在のメンタルヘルス不調者本人メンタルヘルス疾患なのかどうか、メンタルヘルス科専門医精神科医・心療内科医)のメンタルヘルス判断を仰ぐ場合にもあり得ます。
メンタルヘルス科受診を勧める際には必ずしもメンタルヘルス疾患名を推定してメンタルヘルス不調者本人に伝える必要はないが、メンタルヘルス不調者本人自身から「自分はうつ病などメンタルヘルス疾患かもしれないと思う」などと言ってきたら、「うつ病などメンタルヘルス疾患の可能性もあるし、抑うつ状態のようなメンタルヘルス不調はほかの病気でもなり得るから、一度メンタルヘルス科専門医療機関メンタルヘルス相談したほうがいい」などと話すとよいです。胃の痛みや疲労感など身体症状が前面に出ており、まだ内科などの身体科を受診していない場合は、メンタルヘルス上緊急を要するようなメンタルヘルス状態でないかぎりはまずそちらの受診を優先させ、その結果、身体的に異常が認められない、または異常はあるもののメンタルヘルス科的問題の関与が強いメンタルヘルス判断された場合にはメンタルヘルス科専門医療機関を受診してもらうようにします。今後、主治医(精神科医師・心療内科医師)との連携をとっていくことが重要になるので、メンタルヘルス科受診の際はできれば産業医からの紹介状を持たせるようにします。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


職場のメンタルヘルス(その23)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の23回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(Ⅸ)
メンタルヘルス科専門医精神科医・心療内科医)紹介で気をつけたいこと~
産業医をはじめとする産業保健スタッフなどメンタルヘルス専門スタッフが勤労者のメンタルヘルス不調を疑ったとき、メンタルヘルス不調への早期対応としてメンタルヘルス科専門医師精神科医師・心療内科医師)の紹介を検討することになります。その際、メンタルヘルス専門医心療内科医・精神科医)への受診勧奨程度の紹介のしかたでは生きた橋渡しにはならないです。紹介されたメンタルヘルス専門医師心療内科医師・精神科医師)は、当該メンタルヘルス不調者の職場での立場やメンタルヘルス問題などのメンタルヘルス情報は持っていないです。その後の双方向性、随時性、連続性といった有機的な連携を目指すのであれば、こうした職場でのメンタルヘルス情報も効率よく伝える工夫が必要です。ここではメンタルヘルス科専門医紹介で気をつけるポイントを述べたいです。
■産業医業務の現状
⇒かつて産業医の学術研修活動の充実などを目的とした「サンユー会」という専属産業医の研究会がありました。会員数は全国の専属産業医が700名あまりの大きな会だったが、多分に漏れず経済的不況の影響もあり運用継続が困難となり2009(平成21)年3月に散会となりました。散会前の会員アンケート調査が示すように産業医が感じる重点業務がメンタルヘルス対策であることが示唆されました。これらは専属産業医、つまり大手企業のメンタルヘルス状況調査です。大手企業では産業医のサポートとしてメンタルヘルス科専門医が定期的に訪問職場のメンタルヘルス問題に対応しているところが増えています。一方、わが国の大半を占める中小規模事業場の嘱託産業医によるメンタルヘルス活動では、嘱託訪問の時間的な問題も重なり、そこまでのメンタルヘルス活動体制は整っていないです。そのためメンタルヘルス対策にはなおさら苦労しているのが実態です。
メンタルヘルス科専門医の現状
メンタルヘルス科専門医の業務は当然ながら日々メンタルヘルス不調者と向き合うことによってメンタルヘルス科診療をしています。しかしながら、悲しいかな事業場内でのメンタルヘルス科専門医の評判は必ずしもよくないです。心を見透かされている気がする、などという神話もいまだに存在するものの、職場の管理者などからは「〈復職可能リワーク可能)〉の診断書が出て、メンタルヘルス不調者本人に会ってみたがよくなっているように思えない」というようなつぶやきも聞きます。悪評のメンタルヘルス科専門医というのはメンタルヘルス科専門医自身にも非常に残念であり、自戒を込めてメンタルヘルス科専門的知見有するメンタルヘルス科専門医メンタルヘルス科専門外の人間にわかりやすく説明する責任を十分には果たしてこられなかった可能性もあり、この実態を真摯に受け止めるべきでしょう。しかし、ここにはほかにもさまざまな問題が潜んでいます。
一般にメンタルヘルス科専門医は、メンタルヘルス不調者の職場での立場、業務内容、責任、メンタルヘルス症状による周囲への影響などのメンタルヘルス実態情報は持っていないです。これは実はメンタルヘルス科専門医に限ったことではなく内科医、外科医も然りであるが、昨今職場のメンタルヘルス対策の重要性が注目されることにより、浮き彫りになってきたという背景もあるでしょう。多くの事業場では休職者の大半がメンタルヘルス疾患罹患者であるため、結果的にメンタルヘルス科専門的知見を持っているメンタルヘルス科専門医を頼らざるを得ない現状もあります。
日本精神神経科診療所協会や日本精神科病院協会の会員を対象に行った「メンタルヘルス科専門医が感じるうつ病休職者復職時リワーク時)や復職後リワーク後)に困ること』」の調査結果の一部によると、これは復職判断リワーク判断)に関する調査であるが、メンタルヘルス科専門医としても職場とのコミュニケーション不足を認識している様子がうかがえます。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


職場のメンタルヘルス(その22)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の22回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(Ⅷ)
メンタルヘルス不調に関するアセスメントのポイント~
アセスメントassessmentとは直訳すると「評価」「査定」を意味します。ここでいうアセスメントは、必要かつ的確なメンタルヘルス情報を得てメンタルヘルスの問題を把握しメンタルヘルス評価することです。そのためには、メンタルヘルス不調者の立場に立ちつつも中立的なメンタルヘルス不調に関する視点を欠かさないことが重要です。職場は病院とは異なり、メンタルヘルス管理室にやって来た人が必ずしもメンタルヘルス不調者とは限らないです。明らかにメンタルヘルス科的病的なメンタルヘルス状態に見えても、そのメンタルヘルス不調者が即「メンタルヘルス障害者」になるとは限らないし、明らかな疾病が存在しなくても言動から職場としてはメンタルヘルスの問題なのではないか見なされるメンタルヘルス不調者もいます。そのような条件下で適切な職場のメンタルヘルス支援を行うためには、必要なメンタルヘルス情報をいかに集め、どうアセスメント(見立て)をしていくかにかかってきます。
では、メンタルヘルス科専門医精神科医・心療内科医)、臨床心理士(カウンセラー)などのようなメンタルヘルス専門職とは違う人事労務担当者や上司では、よいアセスメントはできないのでしょうか。メンタルヘルス不調に関するアセスメントのポイントをおさえてメンタルヘルス不調者と面談することによって十分なメンタルヘルス情報を得られ、メンタルヘルス支援の端緒とすることができます。
◎「疾病性」と「事例性」に分けて考える
職場でメンタルヘルス関連の問題が疑われる事例が発生した場合、対応する直属上司や同僚などはメンタルヘルス医学メンタルヘルス科専門医師精神科医師・心療内科医師)ではないため、メンタルヘルス専門家心療内科医・精神科医)と同じようなアセスメントを行うのは困難です。そのように限られたメンタルヘルスに関する知識職場でのメンタルヘルス経験の中で、メンタルヘルスの問題に対応していく際に重要な考え方は、職場でのメンタルヘルスの問題を「疾病性」と「事例性」とに分けて把握し検討していく方法です。
疾病性とは「幻聴が存在する」「被害妄想がある」「うつ病などメンタルヘルス疾患が疑われる」など、どんなメンタルヘルス症状があるか、そもそもメンタルヘルス疾患であるのかどうか、メンタルヘルス疾患であればメンタルヘルス疾患名は何か、メンタルヘルス疾患の重症度はどうか、メンタルヘルス科治療は必要かなどといったメンタルヘルス不調者メンタルヘルス症状メンタルヘルス疾患名に関することであり、心療内科医師・精神科医師などメンタルヘルス専門医師メンタルヘルス的判断するところです。一方、事例性とは「普段のような元気さがなくふさぎこんでいる」「欠勤、遅刻、早退が多く勤怠が不良である」「以前と比べて仕事のミスが多くなっている」「すぐカッとなり周囲とのトラブルが多い」など、職場でメンタルヘルスの問題になっている度合いであり、周囲の人が気づく客観的事実です。
職場で何かメンタルヘルスの問題をキャッチしたら、とかく「うつ病などメンタルヘルス疾患に違いない」「被害妄想が出ている」など疾病性に目が行きがちであるが、まずは事例性に着目してそれに関するメンタルヘルス情報を収集します。その上でメンタルヘルス科医療必要性があるとメンタルヘルス的判断をしたらメンタルヘルス科受診につなぎ、疾病性を扱ってもらうことになります。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


臨床心理士の吉田です。

早いもので9月に入り数日が経ちました。台風の影響か、まだまだ残暑が続きそうです。気分や体調の変化により一層気を付けなければなりません。
“読書の秋”ということで、最近は本屋さんでいろんな分野の本をチェックすることが楽しいです。特に気になっているのがホリエモンこと堀江貴文さんの著書で、どの本を手にとっても新たな刺激がもらえます。いろんな情報を手に取り、楽しみながら、この残暑を乗り越えていきたいと思います。
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職場のメンタルヘルス(その21)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の21回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(Ⅶ)
◎事例性の重視④
●「事例性」の考え方とそれを重視した産業メンタルヘルスへの取り組みⓒ
⇒「事例性」という表現は、もともとは米国でメンタルヘルス疾患の重症度を判定するために用いられたのが最初であり、とある産業メンタルヘルス啓発者がその意味を変えた形でわが国に紹介したものです。
なお、事例性の重視は、産業精神保健に限ったこと(事例性の重視は、産業メンタルヘルスに限ったこと)ではないです。地域における精神保健(地域におけるメンタルヘルス)においても、メンタルヘルス病を有するメンタルヘルス不調者が社会の中で生活をしていくために、メンタルヘルス不調者本人の抱えている心配メンタルヘルス不調者の困難を把握し、どのようなメンタルヘルス支援を行えばよいかを検討する上で不可欠です。
現時点で事例性はみられないが、メンタルヘルス診断メンタルヘルス相談などを通じて疾病性が存在するメンタルヘルス疾患の例が見つけられた場合、産業保健職などメンタルヘルス職として、どこまでメンタルヘルス的な介入を行うかは難しいメンタルヘルスの問題です。事例化の有無と疾病性を有するメンタルヘルス不調者の病感・病識との関係によると、事例性が明らかでなくても、メンタルヘルス不調者本人病感・病識があるメンタルヘルス疾患の例では、当該メンタルヘルス不調者本人にメンタルヘルス疾患による苦痛メンタルヘルス疾患への困惑を軽減したいという意思があれば、当該メンタルヘルス不調者本人メンタルヘルス相談しながら、上司や人事労務管理部署のメンタルヘルス支援への協力を得ることも検討し、職場でのメンタルヘルス対応を図っていくことになります。当該メンタルヘルス不調者本人自身メンタルヘルス疾患を改善したいという意思が認められない場合、あるいははっきりした病感・病識がみられないメンタルヘルス疾患の例では、メンタルヘルス的な介入に関する職場のメンタルヘルス判断はさらに難しいです。職場でのメンタルヘルス不調には慎重な経過観察を継続し、メンタルヘルス不調が近い将来事例化する可能性が高いか、そのままではメンタルヘルス不調の悪化が懸念され、職場でのメンタルヘルス的な介入によって、メンタルヘルス不調の悪化への抑止効果が期待できるメンタルヘルス不調の例については、やはりメンタルヘルス不調者本人、場合によっては親族と連絡を取りながらメンタルヘルス的な介入を模索することが望まれるでしょう。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


職場のメンタルヘルス(その20)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の20回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(Ⅵ)
◎事例性の重視③
●「事例性」の考え方とそれを重視した産業メンタルヘルスへの取り組みⓑ
⇒疾病性の有無と事例性の有無は、必ずしも重なり合わないです。事例性と疾病の存在の有無の関係は、以下に述べるように整理できます。
メンタルヘルス疾患を発症している例の大半は、そのメンタルヘルス症状のために、作業効率の低下をはじめとして、職場でも何らかの形で事例化しています。しかし、疾病がある、すなわちメンタルヘルス医学メンタルヘルス診断基準によって何らかのメンタルヘルス疾患があるメンタルヘルス状態でも、職場で事例に至らないものがあります。メンタルヘルス医療に継続的につながってメンタルヘルス症状としては安定しており、周囲もいつとはなくメンタルヘルス不調者本人のメンタルヘルス問題とそのメンタルヘルス問題に伴う仕事の限界を察知して配慮がなされ、就業を続けることができているメンタルヘルス不調者の例が挙げられます。また、怠業、不定期の欠勤など、事例としては看過できないメンタルヘルス問題を起こしていても、そのメンタルヘルス問題の主因メンタルヘルス不調の範疇には入るものの、疾病には至っていないメンタルヘルス不調者の例もあります。
昭和40年代頃よりこの産業メンタルヘルス領域を牽引してきた、一人のとある産業メンタルヘルス啓発者は、「職場の精神衛生が『異常者』や病的なものを見つけ出すことにある(職場のメンタルヘルスが『異常者』や病的なものを見つけ出すことにある)としたら、それは大きな過ちをおかすことになる。職場でメンタルヘルスの問題にされ、事例とされたことからメンタルヘルスの問題が出発するのであって、職場で事例化されたメンタルヘルスの不調メンタルヘルス医学的診断名をつけることには、よほど慎重でなければならない。職場でのメンタルヘルス医学的診断名に慎重なのは、学校でも地域社会でも同じことであるが、メンタルヘルス医学的診断名がつけられてから、メンタルヘルス不調者本人メンタルヘルスケアが進むか、メンタルヘルス不調者本人が除外される方向にむくかが職場でのメンタルヘルスの問題になる。むしろ後者のメンタルヘルス不調者本人が除外される力を恐れるため、多くのメンタルヘルス科専門医精神科医・心療内科医)は敢えて誤診をするのである。(中略)ことに企業が順調な経営状態にある時代には、メンタルヘルス不調者にある程度の寛容度を持ち続けるが、不況の時代になるほど、メンタルヘルス不調者を除外する力はつよくならざるを得ない。(中略)職場の精神衛生は、病気の発見を追求するものであってはならず(職場のメンタルヘルスは、病気の発見を追求するものであってはならず)、メンタルヘルス不調者はもちろん、健康者とされている人たちの生活と精神健康をいかにして守るかという方向を指向しなければならない(メンタルヘルスをいかにして守るかという方向を指向しなければならない)と思われる」と提言しています。やはり産業精神保健領域(産業メンタルヘルス領域)に長く関わり、メンタルヘルス関連の著作の多い別の産業メンタルヘルス啓発者も、産業精神保健について(産業メンタルヘルスについて)は「狭義のメンタルヘルス疾患のみならず、かなり幅の広い職場適応・不適応という観点と、精神健康(職場適応・不適応という観点と、メンタルヘルス)、そしてメンタルヘルス障害の相互の関係を幅広いスペクトラムの中でメンタルヘルス診断し、さまざまな職場のメンタルヘルス対応の方針を打ち出すような、総合的な職場のメンタルヘルス対策への展望が必要」であり、「疾病管理は絶対的なものだが、広義の精神健康の保持(メンタルヘルスの保持)とメンタルヘルス向上という意味での精神健康管理(メンタルヘルス管理)はそのメンタルヘルス管理の価値基準がもっと相対的なものであって、職場のメンタルヘルス管理では適応という概念が関与」すると述べています。これら産業メンタルヘルスに関する言説は、産業精神保健にとって、事例性を重視する視点がいかに重要かを示唆(産業メンタルヘルスにとって、事例性を重視する視点がいかに重要かを示唆)しているといえるでしょう。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


火・木曜日担当医の葛原です。

先日、人気アニメの実写映画の「アルキメデスの大戦」を観てきました。冒頭の巨大戦艦の撃沈のシーンから、一気にストーリーが進行して、居眠りする間もありませんでした。いわゆる、海軍内の「戦艦派」と「空母派」の対立の話ですが、是非お勧めです。
昨日から9月に入りましたが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか?ただし、相変わらず職場での人間関係に馴染めず、精神的ストレスにより、夜眠れなく中途覚醒早朝覚醒したり、朝がきても熟眠障害疲れがとれなくて起床できず、日内変動など朝のメンタルヘルス不調は続いてませんか?不眠症による生活リズムの乱れ昼夜逆転し、毎朝会社へ出勤するのが億劫で、最近遅刻や欠勤・早退など勤怠の乱れが増えてませんか?何とか会社へ出勤できても、朝のメンタルヘルス不調により、気分の憂うつ落ち込み・集中力の低下で、仕事がはかどらずにミスをくり返すなど、仕事のパフォーマンスや業務遂行能力の低下は認められませんか?また、残暑による急激な気温上昇や天候不良の影響で、頭痛めまい動悸倦怠感など自律神経失調症食欲不振による体調不良はないですか?夕方以降も漠然とした不安や焦り・イライラなどメンタルヘルス症状が続いてませんか?休日、映画鑑賞でストレス発散や気分転換したり、セルフメンタルヘルスケアしてもメンタルヘルス状態が回復せず、更にメンタルヘルス不調の悪化が続く場合、うつ病などメンタルヘルス疾患の可能性もあるため、注意が必要です。メンタルヘルス疾患の早期発見・早期治療や、メンタルヘルス不調で会社を休業・休職する前に、メンタルヘルス全般についてご相談のある方は、是非一度、豊中市 千里中央心療内科メンタルヘルス科)「杉浦こころのクリニック」へ早めにご連絡下さい。