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職場のメンタルヘルス(その42)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の42回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(ⅩⅩⅧ)
職場におけるメンタルヘルス不調は職務遂行能力へどのように影響するか?②~
メンタルヘルス問題と企業業績との関係
⇒企業経営においては、「人財」とも呼ばれるくらい「ヒト」は大切な経営資源の1つであることは自明ですが、一方で、企業業績が順調でないと積極的に「ヒト」へ投資をし続けることはできないと考える方も多いのではないでしょうか。
実は、この考え方とは反対の考え方が、近年欧米を中心に浸透し始めてきています。
優良メンタルヘルス経営企業と一般的な企業の株式価値の推移を比較したメンタルヘルス結果を見ると、従業員のメンタルヘルスに積極的に投資してきた群(CHAA:優良メンタルヘルス経営賞 受賞企業)は、市場平均と比較して、実に13年で1.8倍もの差が現れていました。
また、日本においても、独立行政法人経済産業メンタルヘルス研究所が行った企業における従業員のメンタルヘルスの状況と企業業績の関係を迫ったメンタルヘルス研究結果で、2004(平成16)年から2007(平成19)年にかけてメンタルヘルス休職者比率が上昇した企業(メンタルヘルス不調により休職しているメンタルヘルス不調者の割合が増加した企業)とメンタルヘルス休職者比率が上昇しなかった企業に分け、売上高利益率の変化を見ると、いずれのメンタルヘルス休職者比率の企業群も、2008(平成20)年のリーマンショックによる景気後退の影響を受け売上高利益率は減少していましたが、その減少の度合いは、メンタルヘルス休職者比率が上昇した企業ほど大きかったのです。また、メンタルヘルス休職者比率が上昇した直後の2007(平成19)年時点では売上高利益率の差は見られませんでしたが、その後、年を追うごとにその差が顕著となっていることがおわかりいただけると思います。このことから、メンタルヘルス不調の影響はすぐに生じるわけではありませんが、数年かけて企業の売上高利益率を押し下げる影響を持っているともいえます。さらに、このメンタルヘルス調査においては、メンタルヘルス休職者比率の増加は、約2年程度のラグをともなって、売上高利益率を悪化させるといったメンタルヘルス解析結果も示されています。
つまり、従業員のメンタルヘルスに対して積極的に投資していくことが、職場でのメンタルヘルスの結果として企業業績におけるメンタルヘルス向上につながるといったメンタルヘルス的な知見が得られてきているのです。
◎「健康経営」によるメンタルヘルス向上という考え方
⇒これまで見てきたように、勤労者のメンタルヘルスは、顕在化しているメンタルヘルス休職者メンタルヘルス問題だけでなく、その水面下に潜むアブセンティイズム(Absenteeism)やプレゼンティイズム(Presenteeism)といったメンタルヘルス問題も含め、企業業績に大きな影響を及ぼしています。
企業がメンタルヘルス不調におちいり休職するメンタルヘルス不調者を減らしていく取組みはもちろん重要ですが、氷山だけを削るメンタルヘルス対策をしていては、いずれまた新しいメンタルヘルス事例が氷山として水面に顔を出してくるだけで、本質的なメンタルヘルス問題の解決にはつながっていきません。
水面に出ている氷山の部分だけでなく、水面に潜む氷の部分も含めた氷の塊自体を小さくしていくこと、すなわち、従業員のメンタルヘルス問題のみならず、モチベーションの改善も含めた積極的なメンタルヘルス対策を図っていくことが、メンタルヘルス対策においても重要であり、これが、ひいては企業業績におけるメンタルヘルス向上にもつながっていくのです。
こうした考え方は、日本においても「健康経営」として広まり始めています。「健康経営」とは、「『企業が従業員のメンタルヘルスに配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる』との基盤に立って、メンタルヘルス管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」(特定非営利法人健康経営協会)と定義されています。
健康経営の発祥国であるアメリカでは、“health and productivity management”としてメンタルヘルス実証研究が進んでいます。例えば、アメリカの会社でメンタルヘルス教育プログラムを提供したそのメンタルヘルスへの投資効果の試算によると、健康経営への1ドルのメンタルヘルス投資額に対して、生産性やモチベーションにおけるメンタルヘルスの向上など3ドルのメンタルヘルス投資リターンがあったというメンタルヘルス報告もなされているほどです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


職場のメンタルヘルス(その41)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の41回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(ⅩⅩⅦ)
職場におけるメンタルヘルス不調は職務遂行能力へどのように影響するか?①~
◎アブセンティイズム(Absenteeism)とプレゼンティイズム(Presenteeism)
メンタルヘルス不調による労働生産性の低下は、アブセンティイズムとプレゼンティイズムの2つに分けられます。アブセンティイズムとは「休業しているメンタルヘルス状態」であり、プレゼンティイズムとは「出勤しているメンタルヘルス不調者メンタルヘルス問題による職務遂行能力の低下であり、主観的にメンタルヘルス測定が可能なもの」と定義されます。つまり、メンタルヘルス不調など何らかの理由で、メンタルヘルス不調者遅刻・早退・欠勤など目に見える勤怠不良の形を繰り返すメンタルヘルス状態をアブセンティイズム、また、出社はしているものの、何らかのメンタルヘルス不調のせいで頭や体が思うように働かない、モチベーションが上がらないなど、本来期待されるパフォーマンス(職務遂行能力)が発揮できていないメンタルヘルス状態をプレゼンティイズムと呼びます。
アブセンティイズムの場合、休業日の労働生産性は全くないが、アブセンティイズムはプレゼンティイズムに比較して原則的に長期化しないです。無断欠勤か、メンタルヘルス不調による休業かにより大きく異なるが、メンタルヘルス不調により休業できる期間の上限は就業規則により明確化されており、労働生産性が全くないメンタルヘルス状態のまま、社員としての資格を長期間にわたり維持することはできないからです。
一方、プレゼンティイズムの場合、アブセンティイズムの期間を挟みながら長期化する場合が、それほどまれではないです。その理由は、職務遂行能力低下のメンタルヘルス状態を定量化するのは困難であり、その結果、就業規則上、職務遂行能力低下のメンタルヘルス状態を定義づけることが難しく、プレゼンティイズムを呈しつつ働き続ける期間の上限が明確化されにくいためです。
したがって、産業保健業務など産業メンタルヘルス業務に携わる産業メンタルヘルス医療者が最もメンタルヘルス対応に苦慮するのは、プレゼンティイズムに関してでしょう。「出勤はなんとかできるが、仕事はほとんどできない。ストレスの高い業務に従事させることにより、メンタルヘルス状態悪化のおそれがあり、また、本来なら該当するメンタルヘルス不調者の行うべき業務のしわ寄せがほかの社員に及び、士気の低下やメンタルヘルス障害の招来が懸念される」といったメンタルヘルス状況において、どのようにメンタルヘルス的介入するのが適切か、産業保健担当者など産業メンタルヘルス担当者はしばしば頭を悩ませることになります。
顕在化したメンタルヘルス問題背後にある大きなメンタルヘルス問題
⇒実は職場におけるメンタルヘルス問題は、単にメンタルヘルス不調による休職者だけのメンタルヘルス問題ではありません。メンタルヘルス不調による休職者を氷山にたとえると、そのメンタルヘルス問題の背景(予備軍)には、氷山の水中にある氷の部分に当たる、休職してはいないものの欠勤がちとなっているメンタルヘルス不調者(アブセンティイズム)や、勤務は続けているもののモチベーションの低下などにより労働生産性が低下しているメンタルヘルス不調者(プレゼンティイズム)など、本質的に解決していかなければならない、より大きなメンタルヘルス問題が潜んでいるのです。
具体的に、アメリカの会社でメンタルヘルス関連コストに関するメンタルヘルス調査を行ったところ、もちろん日本とアメリカのメンタルヘルス医療制度は異なるが、このメンタルヘルス調査結果から、従業員のメンタルヘルスに関連した企業の総コストのうち、医療費や薬剤費といった直接費用は全体の4分の1にすぎず、残りのほとんどは、アブセンティイズムやプレゼンティイズムといったメンタルヘルス状態による労働損失が占めているということがわかりました。
また、他のメンタルヘルス調査においても、「企業経営における最大の労働損失はプレゼンティイズムによるメンタルヘルス状態である」といった指摘もなされており、メンタルヘルス不調による休職者(氷山)のメンタルヘルス問題以上に企業経営において看過できないメンタルヘルス問題となってきています。よく、「メンタルヘルス対策にお金をかけるのは無駄」、「メンタルヘルス管理は非生産部門で、企業にお金を落としてくれるわけではない」などという企業の労務関係者がいるが、これまでの話で、メンタルヘルス対策を怠ると企業や組織に大きな損失が発生するおそれがあるということがご理解いただけたのではないでしょうか。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


火・木曜日担当医の葛原です。

先日、「蜜蜂と遠雷」という映画を観てきました。直木賞小説の映画化ですが、小説を読んでなくても十分楽しめました。ピアノコンクールの話ですが、登場人物が魅力的で音楽も素晴らしかったです。絶対、お勧めです。
今月は季節の変わり目と台風による影響で体調を崩しやすい時期ですが、皆様にはお変わり無いでしょうか?ただし、相変わらず職場での人間関係に馴染めず、精神的ストレスにより、夜眠れなく中途覚醒早朝覚醒したり、朝がきても熟眠障害疲れがとれなくて起床できず、日内変動など朝のメンタルヘルス不調は続いてませんか?不眠症による生活リズムの乱れ昼夜逆転し、毎朝会社へ出勤するのが億劫で、最近遅刻や欠勤・早退など勤怠の乱れが増えてませんか?何とか会社へ出勤できても、朝のメンタルヘルス不調により、気分の憂うつ落ち込み・集中力の低下で、仕事がはかどらずにミスをくり返すなど、仕事のパフォーマンスや業務遂行能力の低下は認められませんか?また、季節の変わり目による寒暖差や天候不良の影響で、頭痛めまい動悸倦怠感など自律神経失調症食欲不振による体調不良はないですか?夕方以降も漠然とした不安や焦り・イライラなどメンタルヘルス症状が続いてませんか?休日、ストレス発散や気分転換したり、セルフメンタルヘルスケアしてもメンタルヘルス状態が回復せず、更なるメンタルヘルス不調の悪化が続く場合、うつ病などメンタルヘルス疾患の可能性もあるため、注意が必要です。メンタルヘルス疾患の早期発見・早期治療や、メンタルヘルス不調で会社を休業・休職する前に、メンタルヘルス全般についてご相談のある方は、是非一度、豊中市 千里中央心療内科メンタルヘルス科)「杉浦こころのクリニック」へ早期の受診をお勧めいたします。


臨床心理士の吉田です。

すっきりしない天気が続いています。雨傘を持ち出すだけで荷物が増えてしまうので、雨は苦手です。
疲れが溜ってくる週半ばの火曜・水曜は、好きなドラマをゆっくり見ながらご飯を食べることで気分転換をしています。当たり前のようなことでも、捉え方によっては幸せに感じるものです。天気には困ることがありますが、残りの秋を楽しみたいと思います。
千里中央杉浦こころのクリニックでは、カウンセリング・心理検査でお話をお聴きすることができます。
月曜日から土曜日(水曜・土曜は午前のみ)受付可能ですので、お気軽にお問い合わせください。


職場のメンタルヘルス(その40)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の40回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(ⅩⅩⅥ)
職場のメンタルヘルス・スクリーニングにおけるメンタルヘルス課題②~
◎本格的なメンタルヘルス・スクリーニング導入のための職場のメンタルヘルス環境整備
⇒このメンタルヘルス問題については、日本産業衛生学会の産業精神衛生研究会(産業メンタルヘルス研究会)におけるメンタルヘルス報告書メンタルヘルス・スクリーニング導入について一定の見解を示しています。同産業メンタルヘルス研究会でのメンタルヘルス報告書に盛り込まれた、職場のメンタルヘルス・スクリーニング導入に際しての必要条件を以下に示します。
『①心の健康(メンタルヘルス不調を含む)について理解のある職場のメンタルヘルス風土を醸成するためのメンタルヘルス啓発メンタルヘルス教育メンタルヘルス研修など)が十分に行われていること
②衛生委員会でのメンタルヘルス審議を経て、事業場全体でのメンタルヘルス・スクリーニングの導入について合意を得ること
③就業面の配慮を含むメンタルヘルス・スクリーニング導入後事後メンタルヘルス措置の進め方をあらかじめ明確にしておくこと
メンタルヘルス情報の取り扱い方法を決め、文書化しておくこと
⑤精神面の健康状態(メンタルヘルス状態)を適切にメンタルヘルス評価できるメンタルヘルス科専門医精神科医・心療内科医)によるメンタルヘルス二次検査が受けられる手配をしておくこと
メンタルヘルス・スクリーニングへの回答を拒否するメンタルヘルス不調者に対して、メンタルヘルス・スクリーニングを強要してはならないこと
メンタルヘルス・スクリーニングの有効性が確認できない場合のメンタルヘルス対応メンタルヘルス科的に検討すること
メンタルヘルス専門職が不在の事業場にも適用できる職場のメンタルヘルス・スクリーニング導入のためのガイドラインを作成すること
職場のメンタルヘルス・スクリーニングが、産業医の関与する包括的なメンタルヘルス対策の一部であると位置づけられること』
メンタルヘルス不調メンタルヘルス・スクリーニングに当たっては、職場におけるメンタルヘルス・スクリーニング導入後事後メンタルヘルス措置を適切に実施できる職場のメンタルヘルス体制づくりが行われ、メンタルヘルス関係者メンタルヘルス・スクリーニングでの役割分担が明確になっている必要があります。職場のメンタルヘルス関係者メンタルヘルス・スクリーニングにおける役割分担が不十分メンタルヘルス状況でのメンタルヘルス・スクリーニング実施は、産業保健スタッフなどメンタルヘルス専門スタッフに多大な時間と労力を要するメンタルヘルス・二次検査後に、さらに就業上のメンタルヘルス措置に関するメンタルヘルス対策を求めることになりかねず、その他の産業保健業務など産業メンタルヘルス業務に甚大な影響をもたらします。
メンタルヘルス・スクリーニングの結果は、職場のメンタルヘルス環境改善に活かすべきだが、わが国ではまだ確立されたメンタルヘルス・スクリーニング導入のためのガイドラインはないです。また、メンタルヘルス・スクリーニングを実施された回答者から「正直な」メンタルヘルス・スクリーニングへの回答が得られない場合には、メンタルヘルス・スクリーニングの結果の歪みが本来実施されるべき職場のメンタルヘルス環境改善とは乖離する危険性もあります。メンタルヘルス科診断メンタルヘルス科面接指導など個人メンタルヘルス情報守秘義務は言うまでもなく、メンタルヘルス・スクリーニングの結果の目的外使用も厳に禁じられなければならないです。メンタルヘルス・スクリーニングへの回答の歪み(虚偽)に関しては、メンタルヘルス・一次スクリーニング陰性者にも、一定の確率ランダムにメンタルヘルス・二次スクリーニングを行うなどのメンタルヘルス措置を講ずるなどのメンタルヘルス対策も考えられます。メンタルヘルス・一次スクリーニング陰性者にもメンタルヘルス・二次スクリーニングを行うことにより、「メンタルヘルス質問票メンタルヘルス不調で該当回答すると、メンタルヘルス不調者扱いされてメンタルヘルス科面接を受けさせられる」という見方をある程度抑制できるかもしれないです。しかし、メンタルヘルス・一次スクリーニング陰性者へのメンタルヘルス・二次スクリーニング実施は一方で、数多い偽陽性者にさらにメンタルヘルス科面接対象者を上乗せすることになってしまいます。やはり、メンタルヘルス・リテラシーの普及事後メンタルヘルス措置のための職場におけるメンタルヘルス体制を構築していくことが肝要であると考えられます。
メンタルヘルス不調者が増えているといわれる現在、メンタルヘルス・スクリーニングの導入喫緊のメンタルヘルス課題です。ストレスチェック制度の導入は、そのメンタルヘルス対策の一つでもあります。しかし、メンタルヘルス問題に関していまだ偏見の根強い現状にあっては、すべてのメンタルヘルス不調者が不利益とならないような職場のメンタルヘルス体制づくりが必要不可欠であることを忘れてはならないです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


職場のメンタルヘルス(その39)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の39回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(ⅩⅩⅤ)
職場のメンタルヘルス・スクリーニングにおけるメンタルヘルス課題①~
大うつ病性障害などメンタルヘルス疾患偏重の弊害
自殺対策とも密接に関連するメンタルヘルス問題特にうつなど職場のメンタルヘルス不調へのメンタルヘルス対策は、事業場および国や地方自治体など、社会全体で考えていくべき大きなメンタルヘルス的関心事です。同時に、職場のメンタルヘルス活動で最も注目されているのも、うつなどメンタルヘルス不調についてメンタルヘルス問題です。簡易メンタルヘルス科面接法でも準拠しているDSM-Ⅳの大うつ病エピソードなどメンタルヘルス疾患の中メンタルヘルス症状9項目は、今日では産業精神保健医療従事者などの産業メンタルヘルス医療従事者のみならず一般にも広く流布されています。しかし、大うつ病エピソードなどメンタルヘルス疾患は、うつ病など当該メンタルヘルス疾患制止メンタルヘルス症状に集中し過ぎているという指摘があります。典型的なメランコリー親和性メンタルヘルス症状が認められない、職場でのメンタルヘルス不調者における勤労者うつ病など職場のメンタルヘルス疾患には、不安焦燥メンタルヘルス症状の前面に認められるケースも多いです。そのため、現行うつ病など当該メンタルヘルス疾患の概念におけるメンタルヘルス評価法だけでは、職場での不安焦燥優位メンタルヘルス症状が特徴的勤労者うつ病などについて、職場のメンタルヘルス疾患による自殺へのメンタルヘルス対策が不十分となります。一般的に、うつ病などメンタルヘルス疾患の極期に入る前メンタルヘルス疾患の回復期に自殺の危険性が高くなるといわれているが、仕事での不安焦燥優位に認められるような特異的メンタルヘルス症状による勤労者うつ病においては、焦燥感や絶望感が強く興奮状態にあるメンタルヘルス状態の極期に自殺の危険性が高いです。
一般地域住民のメンタルヘルス統計を見れば、たしかに大うつ病エピソードなどメンタルヘルス疾患の頻度は高いです。しかし、産業保健スタッフなどメンタルヘルス専門スタッフが把握すべきはメンタルヘルス不調者であって、そのメンタルヘルス不調者の多く抑うつ反応などメンタルヘルス反応を呈するものの、大うつ病エピソードなどメンタルヘルス疾患のみに注目して済む話ではないです。特に男性のメンタルヘルス不調者など男性の勤労者うつ病では、抑うつ気分などメンタルヘルス症状と怒り感情などイライラ相反するメンタルヘルス症状とが混在する傾向にあり、メンタルヘルス不調メンタルヘルス評価に怒り感情など別のメンタルヘルス症状に対するメンタルヘルス測定を加えるべきという指摘もあります。厚生労働省「地域におけるうつなどメンタルヘルス疾患対策検討会」によるメンタルヘルス・二次スクリーニングの中には、1項目だけ不安症状などメンタルヘルス症状が入っているが、今後さらに不安症状などメンタルヘルス症状項目の追加をメンタルヘルス科的に検討する余地があります。
加えて、大うつ病エピソードなどメンタルヘルス疾患についてメンタルヘルス科診断に依拠する2週間という期間基準もメンタルヘルス科的に検討する余地があります。メンタルヘルス疾患の研究目的なら、操作的メンタルヘルス科診断基準準拠してメンタルヘルス測定をします。しかし、継続的であるべき職場におけるメンタルヘルス活動の一環として行うメンタルヘルス・スクリーニングでは、もとよりメンタルヘルス科診断を目的としていないのであるから、メンタルヘルス科面接からさかのぼる2週間だけというメンタルヘルス科診断に依拠する操作的メンタルヘルス科診断基準による期間基準に従う必要はないです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


職場のメンタルヘルス(その38)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の38回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(ⅩⅩⅣ)
メンタルヘルス科診断名ごとメンタルヘルス対応のしかた③~
メンタルヘルス科診断名「適応障害」など軽度メンタルヘルス不調の場合
適応障害など軽度メンタルヘルス不調とは、はっきりとしたストレスとなる出来事(ストレス因子)によって、通常想定される以上の抑うつ不安軽度メンタルヘルス不調などメンタルヘルス症状をきたし社会生活上に支障が生じることです。ただしこのメンタルヘルス症状うつ病などメンタルヘルス疾患やその他のメンタルヘルス障害メンタルヘルス科診断基準を満たすほど強いものではありません。また一般的にはストレス因子が終結すると半年以内にメンタルヘルス症状が治まるとされ、ストレス因子が続くメンタルヘルス不調が慢性化することもあります。そのためストレス因子が取り除かれることが望ましいのですが、多くの場合にはメンタルヘルス不調の慢性化は避けられないか職場のメンタルヘルス状況の解決に時間のかかるメンタルヘルス問題であり、メンタルヘルス科治療どのようにストレス因子と向き合えば良いかカウンセリングで見出していくメンタルヘルス療法が中心となります。メンタルヘルス症状が強い場合には薬物療法も併用されます。
メンタルヘルス科専門医の主治医精神科医・心療内科医)の作成したメンタルヘルス科休業診断書書かれたメンタルヘルス科診断名「適応障害」の場合メンタルヘルス科専門医師の主治医精神科医師・心療内科医師)は操作的メンタルヘルス科診断基準に基づいてメンタルヘルス科診断を下している可能性があります。メンタルヘルス疾患に至った原因として、純粋にハラスメントなど、誰にでも理解し得る耐えがたい環境的ストレスが原因として存在する場合もあれば、メンタルヘルス不調者本人性格の偏りこそがメンタルヘルス問題であり環境的ストレスはそれほどないにもかかわらずメンタルヘルス症状呈している場合でも、適応障害など軽度メンタルヘルス不調というようなメンタルヘルス科診断名のみメンタルヘルス科休業診断書に記載されていることがあります。このメンタルヘルス科休業診断書を受け取った際、環境的ストレスが強いのか、メンタルヘルス不調者の性格的要因が強いのかを考えることが必要です。環境的ストレスが強い場合は、メンタルヘルス科医療的な介入よりも人事的な介入のほうが、職場のメンタルヘルス対策としてよりよい効果をもたらすことも多いです。一方で、メンタルヘルス不調者の性格的側面が強い場合、安易な人事異動は逆にメンタルヘルス症状の悪化を助長したり、周囲を困らせたりすることにもつながりかねないので、注意が必要です。
職場での適応障害など軽度メンタルヘルス不調から復職がうまくいかないリワークがうまくいかない)理由
職場での適応障害など軽度メンタルヘルス不調が原因生じたメンタルヘルス症状ストレス因子にさらされたことによるメンタルヘルス反応だと考えられます。業務内容や量、人間関係など仕事がストレス因子であれば、仕事を休み職場から離れることでほとんどの場合メンタルヘルス症状は快方に向かいます。ですが、メンタルヘルス状態が回復したからといって同じ職場の環境に復職同じ職場の環境にリワーク)すれば、また同じストレス因子さらされ職場での適応障害など軽度メンタルヘルス不調を再発してしまいます。軽度メンタルヘルス不調の再発を繰り返すうちに当該メンタルヘルス不調者本人も復職への自信リワークへの自信)をなくし不安が強まるとともに、周囲もまた当該メンタルヘルス不調者本人が休むことになるのではないかと復職の受け入れが困難リワークの受け入れが困難)になってしまうのです。復職前リワーク前)に重要な点は、当該メンタルヘルス不調者本人ストレス因子の存在する環境下でどのようにふるまえば良いのかを考えられるようになることです。「なぜメンタルヘルス不調者本人自身メンタルヘルス状態を崩してしまったのか」、「今後同じようなメンタルヘルス状況メンタルヘルス不調者本人自身が遭遇した場合にはどのようなメンタルヘルス対処が有効だろうか」など、ストレス因子とのこれまでの関わり方メンタルヘルス不調者本人自身が振り返り、新しいストレス因子との関わり方を身につけることがメンタルヘルス不調の再発予防につながります。このメンタルヘルス不調者本人自身の振り返りに加えて、職場側のストレス因子を軽減できるような配慮メンタルヘルス不調の再発予防の上では必要であり、メンタルヘルス不調者本人自身の振り返りと職場側の配慮どちらが欠けても復職はうまくいかないどちらが欠けてもリワークはうまくいかない)でしょう。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


臨床心理士の吉田です。

台風が過ぎ去り、朝晩が冷え込む季節がやってきました。ここ数年の台風・大雨は予想を超える被害をもたらし、今後も起こりえる自然災害や危機管理について、考えさせられることが多いように思います。
さて、季節の変わり目で風邪をひいてしまった、という声もちらほら聞いております。最近話題の“腸活(腸内環境を整える活動)”のエッセンスをほんの少しですが取り入れる生活をしている私ですが、体調管理にどんな影響があるか、結果が出るのが楽しみです。
千里中央杉浦こころのクリニックでは、カウンセリング・心理検査でお話をお聴きすることができます。
月曜日から土曜日(水曜・土曜は午前のみ)受付可能ですので、お気軽にお問い合わせください。


職場のメンタルヘルス(その37)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の37回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(ⅩⅩⅢ)
メンタルヘルス科診断名ごとメンタルヘルス対応のしかた②~
メンタルヘルス科診断名「うつ病」などメンタルヘルス疾患「パーソナリティ障害」などメンタルヘルス障害の併存診断による場合
大うつ病性障害などメンタルヘルス疾患に併存してパーソナリティ障害などメンタルヘルス障害があるメンタルヘルス科治療反応性が悪く、予後が不良であるとされています。また、メタ解析による結果でも、パーソナリティ障害などメンタルヘルス障害併存する大うつ病性障害などメンタルヘルス疾患の場合通常パーソナリティ障害などメンタルヘルス障害を併存しない大うつ病性障害などメンタルヘルス疾患に比べて予後が悪く、そのオッズ比は2.18で有意に高いとされています。
うつ病などメンタルヘルス疾患に併存して診断されたメンタルヘルス障害の併存例としては境界性パーソナリティ障害が最もよく研究されているが、最近では現代型(新型)うつ病自己愛性パーソナリティ障害などメンタルヘルス障害との関連が指摘されています。この境界性パーソナリティ障害自己愛性パーソナリティ障害などメンタルヘルス障害の両者については、メンタルヘルス病理構造上、抑うつ症状などメンタルヘルス症状が必発であり、境界性パーソナリティ障害などメンタルヘルス障害においては見捨てられ不安により抑うつ症状などメンタルヘルス症状が誘導され、また抑うつ状態などメンタルヘルス不調ならない自己愛性パーソナリティ障害はそもそもメンタルヘルス科医療機関を受診しないとの指摘もあります。こうしたメンタルヘルス科医療機関を受診しない傾向職場のメンタルヘルスケアにおいて話題となることの多いディスチミア親和型うつ病などメンタルヘルス疾患にも共通した特徴が認められます。
パーソナリティ障害が併存するメンタルヘルス障害の併存例の場合でも、上記うつ病など併存されたメンタルヘルス疾患による抑うつ症状などメンタルヘルス症状に対して抗うつ薬が第一選択であることに変わりはないが、抗うつ薬だけでは効果が不十分であることが多く、特に衝動性に対しては気分安定薬非定型抗精神病薬などが併用されることもあります。なお、メンタルヘルス不調者本人が責任を持って服薬管理ができない場合や衝動性の強い場合には、過量服薬の危険性に十分注意を払って処方することが必要です。また、パーソナリティ障害に対する治療などメンタルヘルス障害の治療メンタルヘルス分析療法をはじめ、種々のメンタルヘルス科専門的メンタルヘルス療法も並行して行われます。
メンタルヘルス疾患の併存例特にうつ病などメンタルヘルス疾患例DSM-Ⅳ-TRのⅡ軸であるパーソナリティ障害などメンタルヘルス障害が併存する場合の予後メンタルヘルス対応などについて述べました。メンタルヘルス障害の併存例という概念メンタルヘルス科診断学的あるいはメンタルヘルス科疫学的な興味だけではなく、メンタルヘルス科臨床の場面においてメンタルヘルス疾患の経過メンタルヘルス疾患の予後を左右するメンタルヘルス科治療戦略を考慮する際には有用な概念です。なお、職場うつ病などのメンタルヘルス疾患と併存する場合では、統合失調症や認知症、発達障害などのメンタルヘルス障害も重要であるが、職場のメンタルヘルスケアにおいてメンタルヘルス対応を求められることは多くないと思われるためここでは触れなかったです。
当該メンタルヘルス科診断名が「神経症」など心因性のメンタルヘルス障害の場合
メンタルヘルス科専門医の主治医精神科医・心療内科医)の作成したメンタルヘルス科診断書書かれたメンタルヘルス科診断名「神経症」など心因性メンタルヘルス障害の場合、メンタルヘルス科専門医師の主治医精神科医師・心療内科医師)は従来からのメンタルヘルス障害メンタルヘルス科診断に基づき、メンタルヘルス不調者の性格や周囲の環境に起因する心因性のメンタルヘルス障害であることを示している推測できます。神経症など心因性のメンタルヘルス障害の概念は広く、不安を呈するもの、強迫症状などメンタルヘルス症状を呈するもの、原因の特定できない身体の疼痛を呈するもの(疼痛性障害)などが含まれ、そのメンタルヘルス症状はさまざまです。たとえば、ICD-10では「コードF4;神経症性障害ストレス関連障害および身体表現性障害」の中に、「F40;恐怖症性不安障害社会不安障害など)」「F41;他の不安障害(パニック障害全般性不安障害など)」「F42;強迫性障害」「F43;重度ストレス反応および適応障害」「F44;解離性(転換性)障害」「F45;身体表現性障害」「F48;ほかの神経症性障害」と分類されています。メンタルヘルス専門医の主治医心療内科医・精神科医)の作成したメンタルヘルス科診断書を見た際に、これらのうちのいずれの心因性メンタルヘルス障害を示しているのかを考えることが必要であるし、メンタルヘルス的判断に苦慮する場合は、メンタルヘルス専門医師の主治医心療内科医師・精神科医師)に確認をすることが必要です。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


火・木曜日担当医の葛原です。

ラグビーのワールドカップ。スコットランド戦すごかった。最初のトライ取られたときは何点差がつくかと思ったが、それからの日本のトライは感動した!
次の日曜日の南アフリカ戦、楽しみ。
現在ラグビーのワイルドカップが盛り上がってますが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか?ただし、相変わらず職場での人間関係に馴染めず、精神的ストレスにより、夜眠れなく中途覚醒早朝覚醒したり、朝がきても熟眠障害疲れがとれなくて起床できず、日内変動など朝のメンタルヘルス不調は続いてませんか?不眠症による生活リズムの乱れ昼夜逆転し、毎朝会社へ出勤するのが億劫で、最近遅刻や欠勤・早退など勤怠の乱れが増えてませんか?何とか会社へ出勤できても、朝のメンタルヘルス不調により、気分の憂うつ落ち込み・集中力の低下で、仕事がはかどらずにミスをくり返すなど、仕事のパフォーマンスや業務遂行能力の低下は認められませんか?また、季節の変わり目による寒暖差や天候不良で、頭痛めまい動悸倦怠感など自律神経失調症食欲不振による体調不良はないですか?夕方以降も漠然とした不安や焦り・イライラなどメンタルヘルス症状が続いてませんか?休日、ストレス発散や気分転換したり、セルフメンタルヘルスケアしてもメンタルヘルス状態が回復せず、更なるメンタルヘルス不調の悪化が続く場合、うつ病などメンタルヘルス疾患の可能性もあるため、注意が必要です。メンタルヘルス疾患の早期発見・早期治療や、メンタルヘルス不調で会社を休業・休職する前に、メンタルヘルス全般についてご相談のある方は、是非一度、豊中市 千里中央心療内科メンタルヘルス科)「杉浦こころのクリニック」へ早めにご連絡下さい。