月別アーカイブ: 2014年11月

だまし絵展

アルチンボルト      ケイガン (1)

先日、兵庫県立美術館に「だまし絵Ⅱ展」を見に行ってきました。

前回、2009年に東京、名古屋、神戸で開催された「だまし絵展」では入場者が75万人を超えたそうです。

まず驚いたのが人の多さです。当日券を買うためにチケット売り場に行きましたが長蛇の列。やむを得ず30分ほど並んで何とかチケットを買い、さらに30分ほど並んでやっと会場入りという、予想以上の人気ぶりでした。

だまし絵はトリックアートとも言われるようですが、色んな種類があるのですね。玩具や本など色々な物を寄せ集めて人に見せかける絵や、描かれているものが見方によって別のものに見える絵など。他にも、何の変哲もない針金の塊が光をあてる角度によってその影がトカゲに見えたり、床の上にある意味不明な黒い物体が鏡の中ではピアノとして存在していたりする作品もありました。色々なタイプの作品にだまされたり驚かされたりで、とても楽しめました。物事を多面的に見ることの楽しさを感じることもできました。

「だまされる」というのは嫌なものですが、こんな風にだまされるのであれば何度だまされてもいいものです。

「もりのえほん」という安野光雅さん作のだまし絵の絵本があります。とても精巧に描かれていて、大人でも夢中で見入ってしまいます。帰宅してから、思わず本棚から取り出してしばらく見ていました。

芸術の秋、たまには美術館へ行くのもいいものですね。

 


スタッフのお祝い

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今日は、病気療養から復帰したスタッフのお祝いをしました。

ささやかですが、お昼に皆で近くのピッツァ店へ行きお祝いです。ナポリピッツァ専門のお店でしたが、全員でその美味しさにすっかりはまってしまい、気が付くとお店の方が驚くほど食べていました。特に定番のマルゲリータは美味しかったです。マルゲリータはピッツァの王様とも言われているそうです。マルゲリータにはトマト(赤)、モッツァレラチーズ(白)、バジル(緑)が使われますが、これはイタリアの国旗の色を模しているんですね。

スタッフの回復を喜びつつ、ピッツァの美味しさにお腹も満たされ、何とも贅沢な午後のひと時でした。

 


新しい不眠症治療薬

クリニックには不眠症で悩んでいる患者さんがたくさん来られます。

現在、日本では5人に1人に何らかの不眠があると言われています。不眠が続くと、仕事の効率が下がったり、生活習慣病(高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞など)や交通事故の誘因となります。また、うつ病の誘因になることもあり、不眠が長引くと生活に大きな支障をきたします。

今月、新しく「ベルソムラ」という不眠症の治療薬が発売されます。「ベル(belle)」はフランス語で美しい、「ソム(som)」は眠りを意味します。この薬は「オレキシン受容体拮抗薬」という、これまでにない新しいタイプの治療薬です。現在、この他に不眠症の治療薬には、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、メラトニン受容体拮抗薬などがあります。

この治療薬について簡単に説明すると、下記のようになります。

<オレキシンとは?> オレキシンは脳内の視床下部という部位から分泌される物質で、「覚醒状態の維持」を担っています。わかりやすく言うと、オレキシンが分泌されると脳が覚醒し、逆にオレキシンがないと脳が覚醒しない、つまり眠くなります。

<ベルソムラが効く仕組み> オレキシン受容体拮抗薬である「ベルソムラ」は、オレキシン受容体をブロックし、オレキシンが働かない状態にすることで、脳を覚醒状態から睡眠状態へ移行させて眠りをもたらします。

この薬により不眠症の患者さんの治療の選択肢が広がり、不眠症からの回復につながればと期待しています。

 

 


日本の四季

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グループホームへ訪問診療に行っています。

そこには入居者の方やスタッフの方の手作りの作品が飾っています。これらの作品に触れると季節感を感じることができ、ささやかな楽しみとなっています。

今回は、紅葉の絵とお地蔵さんでした。

紅葉の絵は、てっきり京都かと思いましたが、奈良にも五重の塔(法隆寺)や大文字焼きがあることを教えていただきました。お地蔵さんは温かそうな袈裟を着て、笠をかぶって冬支度をしています。その表情は豊かで一人ひとり顔が違い、みんな笑顔が素敵です。見ている僕まで微笑んでしまいます。

日本の四季は薄れつつありますが、いつまでも季節感は大切にしたいものです。

ほっこりと和んだ秋の一日でした。