YouTube「胃がんの症状5選」
森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック 院長の藤田です。
今回のテーマは「胃がんの症状」です。
【胃がん】
胃がんは胃の粘膜に出来る悪性腫瘍のことで、様々な症状が出てきます。
実は、胃がんの原因の95%はピロリ菌です。
小児期(2~5歳)にピロリ菌に感染すると、自然にピロリ菌は胃の中に棲み続け、慢性胃炎を起こします。慢性胃炎がひどくなると、一部が癌化します。
粘膜の表面にがん細胞がある状態が早期であり、粘膜の奥にがんが広がると進行がんといいます。進行すると、周りの臓器やリンパ節に転移したり、浸潤することがあります。
【胃がんの症状について 注意点3つ】
胃がんの症状を開設する前に、知っておいてほしい注意点が3つあります。
①早期の胃がんでは、ほとんど症状がない。
早期の胃がんとは、胃粘膜の表面にがん細胞がある場合を意味します。そのような状態では、ほとんど症状が出ることがありません。早期の胃がんは、胃カメラで定期的にフォローしているときに見つかることがほとんどです。ですので、早期の胃がんで見つけたいという方は、決して症状をあてにしてはいけません。胃がんのリスクはピロリ菌と書きましたが、ピロリ菌に感染している人や除菌後の方は、症状がなくても定期的に胃カメラを受けておくようにしましょう。
②胃がんの「初期症状」というものはない。
時々 YouTube動画を拝見していると「初期症状」と解説しているものがあります。実は「初期」というのは定義がありません。胃がんの早い時期から出る症状ということなのでしょうが、早い段階というのは本人の主観でしかありません。同様に「末期」というのも定義がありません。
そして「初期」と「早期」は大きく異なります。「初期の症状」だから「早期」だろうと思われる方がいますが、胃がんで症状が出た時は進行してからのケースがほとんどです。くれぐれも症状で判断しないようにしてください。
③胃がんに特有な症状というのはない。
これから 胃がんの症状を解説しますが、胃がんに特有な症状というのはありません。例えば、胃がんが進行すると胃もたれの症状が出ることがありますが、疲れやストレスで胃もたれがすることもあります。もちろん食べ過ぎても胃もたれを起こします。
決して症状から「胃がんだろう」と診断することはできません。胃がんがあるかないかは、胃カメラを受けてみないと分かりません。
【胃がんの症状5選】
これらの注意点を踏まえて、胃がんのさいに出やすい症状について5つ解説します。
① 胃痛(心窩部、みぞおちの痛み)
胃がんが進行すると胃の痛みが出ることがあります。胃はみぞおちに位置するため、同部位がしくしくと痛くなることがあります。癌が原因の場合は、食事と関係なくずっと痛みが続くことがあります。
勿論、胃がん特有の症状ではなく、ストレスによる胃炎や、胃潰瘍でも同じような症状が起こることがあります。
② 胃もたれ
胃がんが進行すると、胃もたれを起こすことがあります。
正常の胃は、筋肉で伸び縮みします。食べ物を食べた時は胃が膨らんで、食べ物を胃酸と混ぜて消化させます。胃がんが進行して胃の筋肉にまで進行すると、胃の動きが悪くなるため胃もたれをおこします。また食べても胃が膨らまないため、すぐに満腹になります。
③ 体重減少
食欲が落ちて食べる量が減ると、体重が減ってきます。また胃がんは成長するにあたり栄養分を吸収していきます。いつもと同じような食事量を摂っているつもりでも、身体に栄養がいかず体重が自然と落ちてくることがあります。「特にダイエットしているわけじゃないのに、体重が減ってきた」といって受診される方もいます。
④ 黒色便
がん細胞は血液から栄誉をもらって成長していきます。したがって、がんが大きくなればなるほど出血しやすくなります。胃がんから出血すると、その血が胃酸で酸化されて「血液中の鉄がさびた」状態になり、黒い便(タール便ともいう)として排出されることがあります。
同じように胃潰瘍や十二指腸潰瘍から出血した場合も黒色便となるため、黒色便だから胃がんというわけでもありません。
⑤ 貧血
胃がんからの出血が続いた場合、貧血になることがあります。通常胃がんからの出血の場合は、血管から大量に一気にでるわけではなく、ジワジワと出ることがほとんどです。気づかないうちに貧血になり、顔色が白くなったり、たちくらみの症状が出ることがあります。
以上が、胃がんが進行した時に出やすい症状5選でした。
慢性胃炎や早期の胃がんでは症状が出ないことも多く、早期発見のためには胃カメラが必要です。特にピロリ菌保菌者は胃がんのリスクがあるため、症状がなくても胃カメラを定期的におくことが大切です。また胃バリウム検査では早期発見が難しいため、検診の胃バリウム検査ではなく胃カメラを受けておくようにしましょう。
鎮静剤を使った楽な胃カメラ、鎮痛剤を使った痛くない大腸カメラをしている内視鏡専門クリニックです。2016年に開業し、年間約4000件の内視鏡検査を行っています。
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