森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック 院長の藤田です。
今回のテーマは「大腸がん検診」
【大腸がん検診は40歳から】
男女ともに40歳以上は年に一度、大腸がん検診を受けることが推奨されています。
それは大腸がんの罹患率および死亡率が40歳代から上昇するためです。
【大腸がん検診は、便潜血検査2日法】
大腸がん検診では、便潜血検査が行われます。便潜血検査は2日に分けて便を採取します。
便の表面を綿棒のようなものでこすって、その便に血が混じっていないかを調べます。目で見える出血はもちろん、目で見えないような微量の出血でも便潜血検査では陽性となる事があります。
「なぜ2日取るか」ですが、それは大腸がんからの出血が必ずしも出続けるわけではないためです。例えば柔らかい便が通過したときには血が出ずに、硬い便が通過した時にこすれて出血することがあります。
データでも1回だけだと感度は56% 2回だと83%まで上がります。
(感度とは、本当に大腸がんの人で検査で陽性と指摘される割合。つまり感度56%というのは、本当は大腸がんなのに検査結果が陰性になる人が44%いるということです)
3回しらべると少しだけ感度は上がるのですが、逆に「大腸がん以外の出血」の場合も多く拾ってしまうため日本では2回に分けて便潜血検査を行います。
便潜血検査は、便に血がつく病気であれば陽性となるため、癌やポリープ以外にも、痔でも陽性となります。実際、便潜血陽性のうち、大腸ポリープやがんがある人は30%程度であり、残り70%の人は、痔であったり、特に異常が認めないことがあります。
また「大腸がんと診断されないのだったから、便潜血検査を受ける意味があるのですか?」と聞かれることがあります。
そもそもがん検診の意義ですが、それはがんの診断ではありません。本当の意味は少しでも早期の段階で発見につなげて、「大腸がんによる死亡を減らすこと」にあるのです。
大腸癌であるかどうかは、大腸内視鏡検査の組織検査でのみ確定します。
そういう意味では、便潜血検査を受けることで大腸がんによる死亡を60%減らすことが証明されており、この数値はがん検診の中で最も高い数値です。
【大腸がん検診で陽性なら、大腸内視鏡検査】
便潜血検査の結果が陽性(「要精検」)となった場合は、精密検査である大腸内視鏡検査を受けましょう。よく外来で「2回のうち1回だけだったから」と放置されていたり、「もう1回検査したい」という方がおられますが、通常大腸で出血することはありませんので、一度でも陽性なら「異常」であり、精密検査が必要です。(2回検査する理由は上記の通りです)
なお検診は、血便や便秘などの症状がない健康な人を対象に行います。症状がある方は検診ではなく、初めから病院で精密検査である大腸内視鏡検査を受けておきましょう。
大腸がんになる前の状態、大腸ポリープ(腺腫)を摘除することで大腸がんの発生を90%予防できるとされています。
鎮静剤を使った楽な胃カメラ、鎮痛剤を使った痛くない大腸カメラをしている内視鏡専門クリニックです。2016年に開業し、年間約4000件の内視鏡検査を行っています。
JR森ノ宮駅直結、地下鉄森ノ宮駅から徒歩3分 ビエラ森ノ宮3Fにあり、
大阪市内で京橋、玉造、谷町4丁目、本町、東大阪からもアクセス良好です。
胃カメラや大腸カメラでお困りお悩みの方、
初めての検査で不安な方や、他の病院でしんどかった方は、お気軽にご相談ください。
《分院》大阪本町胃腸内視鏡クリニック
2022年10月3日開院
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