医療コラムVol.3 禁煙外来 |“電子たばこ”と“加熱式たばこ”が違うってことを知っていましたか?

「最近たばこを“電子たばこ”変えました」とおっしゃる患者がおられるのですが、タバコを吸わない僕には“電子たばこ”ってなに? という状態でしたので調べてみました。

 “電子たばこ“って? ”加熱式たばこ“と同じ!?

加熱式たばこ“電子たばこ”とはVAPEとも呼ばれ、リキッド(液体)を加熱してその蒸気を吸引するものです。日本では、ニコチンを含むリキッドは医薬品医療機器法(旧薬事法)によって厳しく規制される対象のため、ニコチンを含まないリキッドのみが販売許可されていて、ニコチンを含むリキッドは販売許可されていません。ということで、国内で販売されている“電子たばこ”は、厳密には「たばこ製品」ではなく、さまざまな香りの蒸気を楽しむ「たばこ類似製品」になります。

一方、“加熱式たばこ”はたばこ葉ペースト状にした固形物を電力で直接加熱し、ニコチンを含むエアゾル(霧状の物質)を発生させて吸引するものなので、たばこ事業法の対象であり従来の紙巻たばこと同様の「たばこ製品」となります。タールや一酸化炭素の排出が少なく健康への悪影響は少ないとたばこ会社は宣伝しており従来のたばこの代替品として喫煙者の間で人気を集めているようです。

電子タバコ 加熱式タバコ1

調べてみると“電子たばこ”は「たばこ類似製品」で、“加熱式たばこ”は従来の紙巻たばこと同様の「たばこ製品」と似て非なるものした。吸っている人の中にも“電子たばこ“と“加熱たばこ“を混同している人も多そうです。

従来の“紙巻たばこ”より“加熱式たばこ“はまし??

加熱式たばこ”は「紙巻たばこほど体に害がない」「受動喫煙に配慮できる」と思っている方もいるかもしれません。

たしかに“加熱式たばこは従来の”紙巻たばこ”と比較してタールを大幅にカット(タールは500℃以上の高温状態になると発生しやすいとされており、紙巻たばこでは火をつけるため500℃を超える一方、“加熱式たばこ”は350℃までの温度上昇でニコチンを発生させることが可能なため)、またニコチンや有害物質の量も低いと言われていますが、それでも十分に依存性・有害性があります。

また、煙や臭いは少ないと宣伝されていますが、従来の“紙巻たばこ“に比べて少ないというだけあり、煙や臭いに気づいて受動喫煙を避けることが難しく気づかないうちに副流煙に曝露される可能性も指摘されています。厚労省は「受動喫煙の恐れがある」との見解を示し、2020年に施行される改正健康増進法では”加熱式たばこ”も規制の対象になり、一定規模以上の飲食店や施設では、加“熱式たばこ”も原則禁煙となり、最低でも専用の喫煙ルームを設けなければなります。

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日本禁煙学会は、“加熱式たばこ”について「普通のたばこと同様に危険であり、受動喫煙で危害を与えることも同様である」と警告しています。日本呼吸器学会も、“加熱式たばこ”の使用は「健康に悪影響をもたらす可能性がある」「使用者が吐き出したエアロゾールは周囲に拡散するため、受動吸引による健康被害が生じる可能性がある」として、受動喫煙の被害も紙巻きたばこと同様であるとの見解を出しています。

まとめると、“加熱式たばこ”は、従来の“紙巻たばこ“同様に依存性物質のニコチンのほか、多くの有害物質が含まれており、現時点では受動喫煙も含めて、”紙巻きたばこ“と同様の健康被害をきたすおそれがあるといえます。

 “加熱式たばこ”の方も禁煙しませんか?

禁煙従来の“紙巻たばこ”より健康被害が少なのではと、自身の健康を気にして“加熱式たばこ”に変えた方、ぜひもう一歩踏み出し完全禁煙を目指しませんか。そもそもたばこをやめられないのは、意志が弱いからではなく、あくまでニコチン依存によるものです、ニコチンの依存性は、ヘロインやコカインといった麻薬と同等か、それ以上だと言われており、非常に強力です。ぜひ禁煙外来を受診し完全禁煙を目指しましょう。

 

禁煙外来について

当院の禁煙外来では「チャンピックス」というお薬を処方してます。チャンピックスはニコチン受容体と結合することでニコチンの場合より少量のドパミンを放出させてニコチン切れの症状を軽減します。またニコチンがニコチン受容体に結合するのを邪魔することで禁煙中にタバコをすったとしてもおいしいといった満足感を感じにくくします。

電子タバコ 加熱式タバコ3

禁煙外来の診療スケジュールは、初回診察・2週間後・4週間後・2ヶ月後・3ヶ月後の診察で、合計5回の診察となります。以下の条件全てに該当した場合に、保険診療で禁煙治療を行うことができます。費用は自己負担が3割の人は1万3,000円~2万円程度です。

電子タバコ 加熱式タバコ4

 

保険診療で禁煙治療の条件

禁煙外来は、以下の基準を満たせば保険診療で受診することができます。

①直ちに禁煙しようと考えている方

②スクリーニングテスト(TDS)によりニコチン依存症と診断(TDSが5点以上)された方

③ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上である方(35歳以上のみ)

④禁煙治療を受けることを文書により同意された方

⑤再び禁煙治療を始める際は、前回の禁煙治療開始日より1年以上が経過していること

電子タバコ 加熱式タバコ2

 

以上、“電子たばこ”と“加熱式たばこ”の違いについてまとめてみました。現在“加熱式たばこ”を吸っていて禁煙を考えた方、禁煙外来を受診しましょう。当院にても禁煙外来を行っております。

横田クリニック院長 横田武典

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堺市西区浜寺の横田クリニックのホームページはこちらをご覧ください。

 






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