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ABC朝日放送「おはよう朝日です」2015年1月28日放送に中里院長が出演しました。

【TV出演】 おはよう朝日 けさのクローズアップ
誰にでも起こる?膝の痛み

【要旨】
● 冬になると関節が痛みませんか?冬に痛い場所は、そもそもそこに痛みの原因があるということです。たまたま寒くて痛みが出やすくなっていますが、ひどくなると年中痛くなります。その原因と解決法を見ていきます。

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【寒い時におこる関節の痛み】
● 寒さを感じると、体温を逃がさないようにと血管が収縮し、周辺の筋肉に血液が行きにくく、酸素不足になったり、老廃物がたまったりして、筋肉が硬くなります。筋肉が硬直すると、関節周りの筋肉の付着部が引っ張られたり、筋肉内の神経を圧迫されたりして、痛みを起こしやすくなります。
● 寒いと自律神経の交感神経が優位に働いて、血液をたくさん流そうとしますが、筋肉内の血管が収縮して細くなっているので、その狭い血管に多くの血液が流れようとしても、血液がうっ滞して、血管が張り裂けそうに膨らんで痛みを感じます。

【膝の関節の痛み】
● 膝の関節には、平地を歩く時でも体重の約1.5~2倍、階段では約2~3倍、走ったりする時には5倍以上もの力がかかる場合があります。
● 膝の痛みの大部分が、軟骨や半月板の損傷を含めた変形性膝関節症と呼ばれる病気で、40歳以上の男性の約42%、女性だと約60%、つまり40歳以上では2,500万人以上もの人が、変形性膝関節症による膝の痛みを感じています。

【膝の関節の痛みのメカニズム】
● 関節の表面は弾力性に富んだ軟骨で覆われ、膝にはさらに半月板といわれるクッションがあり、それらは衝撃を和らげます。また、滑膜から分泌される関節液はヒアルロン酸等を含んだ粘りのある液体で、膝関節がスムースに動く潤滑油と軟骨の栄養の役割を果たしています。
● 加齢や膝の使いすぎによって、ヒアルロン酸などの潤滑油が少なくなると、軟骨や半月板がすり減り痛みが生じます。また痛みがあると、膝を動かさなくなるので、膝の周りの筋肉が硬直し、それもまた痛みを生じさせます。さらに、関節が炎症を起こして、本来あるべき量以上の関節液を分泌したり、循環が悪くなって吸収が妨げられて水が溜まり、滑膜を膨張させ痛みが増します。

【予防は筋肉量よりも柔軟性】
● 筋肉を固くさせないことが重要で、お風呂に入ったり、部分的に温めたりも有効ですし、自分で足をもんだりして血行をよくすることも必要です。できるだけ、今ある筋肉を衰えさせずに、柔らかくすることをオススメします。

【痛みが酷い場合は…】
● 痛みがある場合や、膝が熱を持っているとか、水がたまっている時は無理せず病院に行きましょう。また、膝痛の原因には、リウマチや、痛風、感染症、他にもいろんな病気が考えられますので、痛みがひどい場合は、整形外科医と相談しましょう。

【変形性膝関節症の治療法は?】
● 手術をしないといけないのはほんの一部で、ほとんどが対症療法で痛みは改善します。対症療法は膝関節内にヒアルロン酸を注入したり運動療法などのリハビリをするのが中心です。それでも改善せず、関節の変形が悪化したら人工膝関節を入れかえたりといった手術もありますが、リスクも伴います。そうならないように、悪化させないよう日々予防することが大切です。

【リンク:ABC朝日放送 おはよう朝日(1月28日けさのクローズアップコーナー)】