第27回日本臨床スポーツ医学会学術集会に参加してきました。

平成28年11月5日と6日に千葉県の幕張メッセで第27回日本臨床スポーツ医学会学術集会が開催されました。そこで当院理学療法士の、沼澤俊が大阪府バスケットボール協会医科学委員の一員として、昨年度から実施しているメディカルチェックに関する内容についてポスター発表を行ってきました。

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現在、大阪府バスケットボール協会医科学委員会の取り組みとして傷害予防に特に力を入れており、その活動の一環として中学生・高校生を対象にメディカルチェックを実施し、傷害が発生する前の選手の状態をチェックし注意喚起や問題点の改善を目的にサポートを行っています。今回は昨年度、実施した高校6チームのメディカルチェックにおける調査結果の一部をまとめ、ポスター発表を行いました。

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発表内容は、「高校生バスケットボール選手における足関節捻挫の発生状況とその所見について」というタイトルでウインターカップ大阪府予選ベスト8以上の男女各3チームの足関節捻挫の発生状況、および自覚的な足関節の不安定感の実態を調査した内容となっています。

今回の調査で分かった点をまとめると、

①初めて捻挫した年代が若いほど、その後に捻挫を繰り返しやすい。

②捻挫を繰り返している選手ほど、普段から自覚的な足関節の不安定感(グラッとする違和感)を感じている。

③自覚的な足関節の不安定感を有している選手ほど、足に痛みを伴っており肥満傾向にあること

足関節捻挫は非常に軽視されやすく、「捻挫くらいなら大丈夫、そのままプレーできる」という考えが未だに多くみられているのが現状です。その結果、不安定感が持続しその後の痛みやパフォーマンス低下に繋がる選手も少なくありません。

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大切なことはいかに初回の捻挫の際に適切な治療やリハビリテーション、コンディショニングができるかどうかでその後の予後は大きく変わると考えています。当院にも、足関節捻挫を受傷したスポーツ選手が多く来院されます。そのようなスポーツ選手に対して再発予防までしっかり行い、少しでも捻挫後の後遺症で困っている選手を少なく出来ればと考えています。

報告者:沼澤






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