週刊女性セブン(2022年7月28日号)に「院長の若見えのためのエクササイズ」の記事が掲載されました。

姿勢から見る若さとは

「いくつになっても若々しく見える人の特徴として姿勢のよさがあげられる」というのは、スポーツ整形外科医の中里伸也さんだ。
「背中が丸くなって猫背になると『年をとったな』という印象を持たれます。それは背中の部分の胸椎が丸くなっているから。高齢者の背中が丸まっているのは、加齢に伴う筋力の衰えからです」(中里さん・以下同)

しかし、最近は若い世代でも猫背が深刻になっている。
「スマホの見過ぎによる、巻き肩が増えています。スマホを見るときに、肩が体よりも前に出てしまい、そのまま筋肉がこわばってしまうことも要因にあげられています」

エステティックサロン『ソシエ・ワールド』が‘13年に20~50代の女性600人を対象に行った調査では、猫背の人は、実年齢よりも4~6才年をとって見え、その多くがスマホを長時間利用していることが明らかになっている。

「背中が丸まり、肩が前にきてしまうと、胸郭が狭まります。胸郭のあたりには心臓や肺などがあるので呼吸が浅くなり、血流が悪くなるため、だるさや肩こりなどの弊害が出て、動くのがおっくうになります。そうなると、体を動かすのが嫌になり、太りやすい体質に。また、猫背になると、お腹の部分も丸まってしまい、下腹がポッコリと出てしまう原因にもなります。まずは姿勢を正し、すっきりとした若々しい体に戻すことが大事です」

中里さんがすすめるのは以下で紹介するエクササイズだ。
「スマホを見終わったら、胸を開くことを意識しましょう。胸を開くことで、肩甲骨周りの筋肉が鍛えられ、猫背を防ぐことができます。また、台所で洗い物するときも胸を開くことを意識しながら行うといいでしょう」

そのほか、スクワットも有効的だという。
「スクワットは、お尻を突き出し、両ひざをつま先よりも前に出すこと。これを意識して15~20回、気づいたときにしてみてください。スマホを見るときは、目線の高さにスマホを持っていき、前かがみにならないように気をつけてください」

また、椅子に座るときの姿勢にも気をつけたい。
「椅子は、足の裏がしっかり床につく高さに。そして、深く腰かけ、ひざを直角に曲げている状態で骨盤がしっかりと立っているようなイメージで座りましょう」

これらを意識して日々実践すれば、姿勢は改善できる。
「筋力は高齢になっても鍛えれば向上します。あきめないで、適度な運動でいつまでも若く動ける体を手に入れましょう」
老化は待ってくれない。だからこそ、
1日でも早く食い止める行動を起こそう。

若見えのためのエクササイズ

① 椅子に深く腰かけ、胸を開いて背筋を伸ばし、顔の前で両方の手の甲を合わせる。

1

② 親指が前にくるように手を回しながら、合わせた両手を外側に向けてゆっくりと開く。このとき、肩甲骨を寄せ、胸の部分が前に出ているのを意識する。

2

③ ②から両手が上に引っ張られるようにゆっくり上げる。

3

④ ゆっくりと②の体勢に戻る。胸が前に大きく出ていることを意識する。①〜④の動きを15〜20回行う。

4

姿勢で若くなるための5か条

●常に背中を伸ばして肩甲骨を内側に寄せる。
●スマホは目線と同じ高さで使う。
●皿洗いのときは胸を開いた姿勢を意識する。
●お尻を後ろにつけて、骨盤が「立つ」イメージで座る。
●お尻をつき出してスクワットをする。

中里伸也
中里院長 / Nクリニック院長。日本体育協会公認スポーツドクター。
プロバスケットチーム『大阪エヴェッサ』チーフドクターを務める。






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