私は小児科医として理想の地域を作ることを夢見て、開業しました。
その目指すところは、「かしこいお父さん、お母さん」を増やすということです。
①予防接種率の向上。目指せ100%。
病院に来るのが予防接種だけ、という時代が来たらいいのに。
小児科医の切なる願いです。予防接種で防げる病気で亡くなったり、後遺症を残したりする子どもたちを我々小児科医はあまりにもたくさん見てきました。
私はわが子だけでなく、他の子dもたちにもそんな経験は絶対にさせたくありません。
予防接種の種類も数年~10年遅れではありますが、徐々に欧米並みに近づいてきています。
予防接種は、盾や鎧などを一つずつ装着していくような作業。さらに、地域の子どもみんなで接種することで、深刻な感染症を寄せ付けない最強の地域を作り出せるのです。
現在生後3週間のうちの二男が、どのようなスケジュールで予防接種を進めていくかもまたお示ししますので、ぜひ参考にしてください。
②病気と薬を知ること
本人の診察で分かる情報よりも、お父さん・お母さんから聞く家での様子や症状の方が、はるかに情報が多いと言うと驚かれるでしょうか?
私の診察は時間がかかるので、いつも長い時間お待たせして申し訳ないのですが、それだけお話を聞く時間を取らないと(特に初診)、必要なお薬を選別できないのです。
例えば、「咳がひどい。前の受診時より悪化した。」と再診された時、「何か薬を足してもらえるに違いない」という思いは当然であろうし、いつもひしひしと感じております。
しかし、それでもやはり風邪薬のまま様子を見るしか仕方がない場合も多いですし、喘息の薬の追加がいる場合、抗生剤の追加がいる場合、はては、むしろお薬は何もいらない場合もあり様々です。
お父さん・お母さんからの情報がなければ、私は多種多様な薬を詰め合わせにしたセットをお渡しするマシーンと化すしかなくなります。
それで不都合がないのであれば、外来の薬はとっくに自動販売機で売られる時代になっているでしょう。
喘息の薬も抗生剤も、必要なこどもに必要な時に使えば素晴らしい効果を発揮します。
これらの薬のおかげでたくさんの命が毎日救われています。
私が必要だと思って処方した時には、しっかり服用していただきたいです。
では何が問題かと言えば、不要な薬の乱用が日本ではあまりにも多いということなのです。
またゆくゆく説明したいのですが、お父さん・お母さんも是非、「咳止めテープ」や「かぜと抗生剤」などで検索してみてください。
一般の方向けに分かりやすい説明が書いてあります。
究極的に私は病院に行く必要がない病気、または薬を飲んでもしかたのない段階についてもどんどん啓蒙を行っていきたいと思います。
HPにも書いてありますが、病院に行くデメリットというのもなかなか無視できないものがありますから。
(これは裏を返せば、どうなったら夜間でも緊急で受診する必要があるかを知ることにもなります。)
私の診療は、この子がわが子だったらどうするか、をひたすら実践していく作業の積み重ねである、といつも自分に言い聞かせています。
最強の地域を作るためにはお父さん・お母さんの力が必要です。
この貝塚を子育て最強地域にしようではありませんか!!