あも先生というお人その3

気が付けば3回目の登場のあも先生です。

あも先生はとにかく多忙です。

自分の担当の患者さんはもちろんのこと、他の科の先生に一度だけ相談を受けただけという患者さんのところへも、頻繁に足を運ぶため、優に人の倍くらいの仕事を抱えているからです。

そんなめまぐるしい毎日にも関わらず、あも先生は学会発表も非常にたくさんこなします。

それでも、さすがに超多忙の身、発表用のスライド準備はいつも学会前ギリギリ。

我々下っ端は論文を読むのにもスライドを作るのにも時間がかかるため、数週間前から準備に取り掛からないととても間に合わないのですが、あも先生は学会の二日ぐらい前の段階でリアルに題名のページだけだったりします。

周りの我々がドキドキ心配してしまうのですが、本人は涼しい顔。

数年ほど前のある学会。

その前週はいつもより輪をかけて忙しかったあも先生。

前日見せてもらった段階では例のごとく表紙だけ。

さて当日の学会会場。

受付の人にpower pointのスライドデータを渡し、さあ学会開始。

いよいよあも先生の出番です。

発表の際には、しゃべりながら自分でパソコンを操作し、スライドを進めていきます。

立派な表紙が表示されて、あも先生のテンポのよい発表が始まります。

発表は進んでいくものの、表紙から進まない画面。

しばらくすると会場が異変に気づき、ザワザワし始めました。

実は前日に、「このまま表紙だけで発表に乗り込んだら笑う?」と冗談ともつかない物騒な発言をしていたあも先生。

私は「まじでやったのか!!」と内心ドキドキしながら前代未聞の暴挙を眺めていたのですが、幸いなことに原因は運営側のミスによるパソコンの不具合で、しっかりと続きのスライドは作りこまれており、その後あも先生は見事な発表をやり遂げられました。

席に引き返してくるあも先生。

(最高のネタができたムフフ。)と遠目に見ても分かるぐらいうれしそうなにやけ顔。

「題名だけのスライドで発表という伝説が打ち立てられる瞬間を見たかと思い、ドキドキしました。」と伝えると、さらに満足そうに笑っておられました。

あも先生の周りにはなぜかいつもこんな楽しい事件がよく起こります。

今度の土曜日の診療時間後に、あも先生が大阪市立医療センターからはるばる貝塚までクリニックを見に来て下さる予定です。楽しみ。






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