インフルエンザその3

要点をまとめると以下のようになります。

①インフルエンザかどうかに関わらず、治療薬を使っているかに関わらず、ぐったりしていたり、意識がおかしい場合、痙攣がある場合はすぐに受診しましょう。

②解熱剤で様子をみれそうなぐらい元気な場合、発熱してから1日家で様子をみるのは非常に賢い選択肢です。検査は発熱12時間を越えてからが適切で、治療薬は48時間以内なら使用可能ですので、余裕があるなら受診は急ぐべからず(例えば夜間の救急に発熱してすぐ受診する、などは元気な場合には検査もできず疲れに行っただけで終わる可能性が高いでしょう。)。ただし、生後3か月くらいまでの乳児や心臓や肺に重度の基礎疾患のあるお子さんははっきりした高熱が6時間以上あれば受診する方がよいでしょう。

③はっきりとした熱が一旦出た場合には翌朝に解熱傾向があってもインフルエンザであることはよく経験しますので、集団生活に戻る前に検査をすることには意義があります。逆に、一貫して元気で熱や咳などの症状もあるかないか、という場合はインフルエンザの可能性は低いと言えますし、万が一インフルエンザだとしても治療薬は不要で周囲への感染力は一般的なインフルエンザの患者さんより相当低いと言えるでしょう。このようなまれな一人を見つけるために、新たな感染のリスクを冒してまでその何十倍もの受診を作り出すのは、本人にとっても、属している集団にとっても得かどうかは疑問です。

④おまけ 感染の防御には、まずはワクチン、そして手洗いと加湿が効果的(湿度50%以上を保つとインフルエンザを始めかぜのウイルスはかなり増殖が抑えられる)。うがいは予防に関して思ったりよりも有効なデータは少ないですが、こまめに水分を取ることや、自分の吐いた息の中の水分をもう一度吸い込めるマスクは喉の加湿を保つという観点から有効と言われています。

注:マスクは目に見えないほど小さいウイルスの侵入自体を防ぐ、という意味ではかなり効果は乏しいようですが、周りの人にウイルスをまき散らすのを防ぐというもう一つの役割もありますから、やはりできるだけ隙間のないようサイズのあったマスクの着用を心がけましょう。

 

③に関しては、私自身の個人的な意見も入っていますので、保育園や幼稚園などから受診を強く勧められた場合や、ご家族の中に御高齢の方など、先ほどのデリケートな方達がいらっしゃる場合には一律には言えませんが・・・。

頭の片隅に、「受診するデメリットがゼロではないこと」も思い浮かべながら。

我が子と、我が子が属する集団が一番得をするように、賢いお父さん・お母さん、そして先生方が貝塚にたくさんたくさん増えますように。

 

最強の子育て地域を目指して。






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