私は3兄弟の末っ子でしたから、小さい頃に家で一人で過ごした思い出はほとんどありません。
家の中はいつもわいのわいの騒がしく、しんみりするような暇もなかったのでしょう。
ただ毎年この時期がくると思い起こされるのは、『ふと昼寝から目が覚めた時に周りにたまたまなのか誰もいなくて、ゆっくりじわーと涙があふれてくる』という、胸の奥がつんとなるような、そんな記憶。
その時がちょうどこの季節だったせいなのか、華やかだった夏が終わった後の秋の物寂しさがそうさせるのか。
この切なくなる感じを、私はそれほど嫌いではないようで、音楽もそういう系統が割と好きです。
「風味堂」という非常に味のあるグループの曲を聴きながら、秋の夕暮れ時にちょっぴりおセンチな気持ちにひたるのであります。