伝染性紅斑(りんご病)

この1年ほどは数年ぶりの大流行となりました。

書こう書こうと思いながら、書きそびれていましたが、本日長男(7歳)がきれいに発症いたしましたので我が家の子育て日記の1ページの意味も含めてここに記します。

風邪と同じくウイルスの感染症としてうつる病気ですが、小児の症状で特徴的なのは両頬・両手・両足の赤み程度です。

お腹や背中にも出ることもあります。

赤みはレース状とか、平手打ち様(ぱちーんと叩いた後のような発赤)と呼ばれ、痒みを訴えることがよくあります。

子どもでは発熱やしんどさはなく、赤みと痒み以外は元気一杯です。

両頬の赤みがまるでりんごのように見えるので、俗に「りんご病」と言われます。

痒み止め以外の治療は不要で、数日で自然によくなります。

実は症状がはっきりした時にはもう完全に感染力がゼロになっていますので、登園や登校の妨げになることは全くありません。

むしろ発症の1週間ほど前に最も感染力が強くなりますが、本人からすれば全く自覚症状がないまま人にふりまいているということになります(ある意味仕方のないことです)。

潜伏期間は2週間程度ですので、兄弟などでは差し引き結局1週間程度で症状がうつっていくように見えます(お兄ちゃんの顔が赤くなった後、1週間前後で下の子の顔が赤くなる)。

このように子どもにとっては医学的な心配は皆無といっていいお気楽なウイルス感染症ですが、免疫のない大人が感染すると高熱や、長引く関節痛を伴うことがあります。

女性の方の場合、関節痛や指のむくみの症状のせいでリウマチかもと整形外科を受診することもあると聞きます。

一番やっかいなのは免疫のない妊婦さんが感染した場合です。

胎児水腫と言って、お腹の中の赤ちゃんに全身のむくみや心不全症状を起こすことがあります。

妊娠の初期が特に要注意です。

家族内にりんご病を発症した子どもがいる場合、学校や幼稚園・保育園など小児の集団生活には制限は不要ですが、病院のお見舞いや、公共のプール・入浴施設などはマナー的にもビジュアル的にもトラブルの種になるかもしれませんので避ける方がよいでしょう。

また、発症してない兄弟が一番感染力が強い可能性が高い訳ですから2週間ほどは妊婦さんとの接触は控えてください。

 

なお比較的強い痒みが出てもだえている我が子に、今日は妻も同情の目を向けて色々お世話をしていました(もう小学生だろお前)。

そんな最中に長男がなかなかの強烈なおならをしたあげく、「りんご病のせいやから。」と意味不明な供述をしたせいで、とうとう妻はキッチンへと去っていきました。






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