お風呂の考え方

体を清潔にして、ゆったりリラックスもしてとお風呂は日本人にはなくてはならないものです。

旅先での温泉も格別なものがあります。

さて、お風呂の効能の裏には、実は様々な知っておくべき注意点がありますので順番にみていきましょう。

①熱すぎるお湯

湯温は38度~せいぜい40度くらいに留め、できれば脱衣所や廊下を温めて体が冷えない準備をする方がよいでしょう。

日本の家屋の構造上、温かい浴室から、冬場は寒い脱衣所や廊下を経由して部屋に戻ることが多いと思います(家に風呂釜がなかった時代は銭湯から家まで凍える屋外を移動して帰宅していたのでもっとシビアだったことでしょう)。

このため伝統的に「ちょっと我慢して肩までじっくり浸かって体の芯まで熱々になる」ことが入浴の目標になってきましたが、これは過度に行うと体には良くありません。

入浴中は汗をかいて脱水状態でしかも血管が拡張した状態ですから急に立ち上がったり、また寒い脱衣所に出たりすることで血圧が下がり脳虚血症状を起こすことがあります。

特に高齢の方では心肺への負担やふらついての転倒などが最近よく注目されています。

 

また、乾燥肌・湿疹の肌にも熱いお湯は禁物です。

これは熱いお湯に入ると皮膚の痒みが非常に増し、入浴中や入浴後にがりがり掻いてしまうことで大幅に肌が痛んでしまうためです。

ぬるめの温度を心がけましょう。

同様の理由で温まるとひどくなる蕁麻疹が出ている際も湯船にゆっくりつかるのは避けましょう。

②傷口への影響

様々な皮膚のトラブルがある場合も湯船に浸かるのは避けるべきです。

肌は調子がいい時はバリアとして機能していますが、皮膚にトラブルが起こると局所的にそのバリアが破たんした状態となります。

例えば、水痘・手足口病・とびひなど発疹がある時や、けがをして傷口がある時などが挙げられます。

どこの御家庭でも湯船にはばい菌がうようよ浮遊しており、傷口に悪影響を及ぼす可能性があります。

また温まると痒みが出て掻いてしまうのも避けるべきもう一つの理由です。

③発熱への影響

近年は風邪の際など、少々熱があっても元気であればさっと入浴するのを厳しく制限する必要がないという考え方が主流になっています。

のぼせたり、湯冷めしたりしないように気をつければ病気自体への悪影響は医学的にはあまりないようです。

ただし入浴はそれなりに体力を使う作業ではあるので、高熱であったりしんどそうな時はシャワーに留めるか、入浴はやめて濡れタオルで拭いてあげるなどの対応の方が本人も楽かと思います。

年少児では溺水予防の観点から普段の入浴中でも目を離さないのが大原則ですが、熱の際に痙攣を起こすこともありますので、いつもよりさらに注意して見守るようにしましょう。






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