日別アーカイブ: 2013年1月14日

骨そしょう症に対する新しい治療薬の効果が確認されています。

当院では昨年7月の開院以来、50才以降の女性には不可避である骨そしょう症に対して的確な診断と積極的な治療を行っています。治療を開始し約5ヶ月経過した患者様には、その効果を確認するため、腰椎と大腿骨頸部での骨密度と骨代謝マーカー(骨が新しく形成される速さと、古い骨が吸収されていく速さを比較する)を再検査しています。

骨吸収が早すぎるときには骨吸収にブレーキをかけるお薬を内服していただきます。2年ほど前までは、このブレーキをかける治療しかありませんでした。ところが実際には、骨吸収があまり早くないにもかかわらず、骨そしょう症が激しく(骨密度が低い)骨折の危険にさらされている患者様が少なくないのです。最近はそのような場合には「新しく骨形成を促す薬」が有効です。

2種類の注射薬があり、一つは毎週来院いただき皮下注射するものと、もうひとつは毎日自宅で簡単な器具を用いて自分で皮下注射するものです。後者の自己注射では、当初は不安な表情の患者様も、当院では地域の基幹病院で昨年まで勤務し自己注射の指導経験がある看護師が4名常勤していますので、みなさん自己注射をマスターされて自宅で安全に継続されています。現在20名以上の患者様が、この2種類の新しい注射薬を約6ヶ月継続した結果、ほとんどの方が骨密度の上昇を確認できました。

骨そしょう症には様々なパターンがあり、骨密度を計測するだけでは治療につながりません。私は日本整形外科学会専門医として骨そしょう症に対する治療に携わってきました。これからも新しい治療薬の発売が控えています。常に一歩先に目を向けた治療をみなさまに提供して参ります。