備えあれば・・・

森田内科・胃腸内科のミッション
地域医療に貢献して、人を幸せにする。)
人:患者さん、チームの仲間、大切な家族と自分自身

高槻市城南町にある、胃カメラ・大腸カメラから一般内科まで幅広い診療を行うクリニック、森田内科・胃腸内科のブログです。
このブログでは当院に関心あるすべての方に、当院とここで働くスタッフの“今”を知って頂くために、日々思うことを医療にこだわらず“そこはかとなく”綴ったものです。

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今、日本は新型コロナウイルス、デルタ株の感染拡大に伴い、東京では医療崩壊が現実のものになりつつあります。非常事態宣言の効果も乏しく、感染者数は増加の一途を辿り、制御ができていないのが現状です。唯一の積極的な対策が、ワクチン接種であり、森田内科でも全職員が力を合わせて取り組んでいるところです。ところで、このコロナワクチン、20万回に約1回の割合でアナフィラキシーという、生死に関わる重篤な副反応が起こることが報告されています。高槻市の人口は約35万人、全員にワクチンを接種しても2人起こるかどうかという稀な副反応です。起こるはずがないと思いながらも、副反応に対する治療薬や医療機器の準備、院内マニュアルの作成、救急搬送までの手順と役割分担について、話し合いを行ってきました。そして、ワクチン接種時に毎回、診察室に救急物品一式を運び入れ、万一に備えてきました。
あるワクチン接種日、接種後に待合室で待機していた患者さんが突然、呼吸困難を訴えて倒れてしまいました。慌てて、診察室に運び込み、応急処置を行った後、2次病院に救急搬送しました。幸い、2次病院での治療後、患者さんは速やかに回復されました。ワクチンの副反応対策のお陰で、チームメンバー全員が適切な役割を果たせたと思います。しかしながら、もし対策を怠っていたらと思うと、冷汗が出ました。
キリストが生まれる500年以上も前に中国の思想家、孔子は「遠き慮(おもんばか)り無ければ、必ず近き憂いあり。」と言い、老子は「無用の用」を説きましたが、「将来に備え、今は無駄であると思うことにも取り組むことの大切さ」を、身をもって学ぶことが出来ました。また、ワクチン接種の度に、毎回嫌がらずに最後まで救急物品の準備をしてくれたメンバーにも深い感謝と尊敬の念を抱きました。そして、搬送先の2次病院から戻った時、ワクチン接種再開の準備を完了させてくれた上で、時間を無駄にせず、他の仕事に励むメンバーの姿を見て、思わず涙腺が緩みそうになりました。素晴らしいメンバーと仕事をしている、みんなに遅れない様に「もっと頑張らねば!」としみじみ思った一日でした。






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