日別アーカイブ: 2016年10月9日

関節リウマチ 【質疑応答】(1)

(質問) 完全に良くなっているので、生物学的製剤をやめたいのですが

 

 

(回答)ここ10年、生物学的製剤(バイオ)の登場で関節リウマチ(RA)の治療は飛躍的に

進歩しました。早期にバイオを使えば、寛解にまで持ち込めるようになりました。

RAでは、完全に良くなっても「治癒」という言葉はつかわず、「寛解」と言います。

メソトレキセート(MTX)とバイオで腫れも、痛みも無くなり、CRP(炎症反応)や他のマーカーも陰性化して、「臨床的」寛解が得られるようになる方もおられます。

バイオ製剤は高額なので、早く辞めたいという気持ちはよくわかります。

バイオで表向き寛解状態でも、関節エコーではまだまだ赤く光る炎症状態の残っている場合があるのです。

私はバイオを使っていおる方で、症状(腫れも痛み)もなく、血液検査も正常になり、バイオを中断したいという方にはエコー診断をお勧めしています。

臨床的に寛解が得られ、かつ、6っか月間、エコーにも反応がない方に限り、バイオの調節を行っております。(調節:投与期間を長くしたり、場合によっては中止したり)

正常化した関節

↑ これは、寛解が得られ、かつエコーでっも正常になった方の指の関節エコーです。

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これは,臨床的に寛解状態になってはいるのですが、関節エコーでなまだ赤いところが残ている患者さんの関節です。

エコーのパワードップラー(PD)機能をつってみれば、関節の炎症が残っているかどうかがわかります。

寛解が得られても、それはバイオのおかげです。なるべく、中止したり、投与間隔を

あけたりせず、続けてみてください。

リウマチ学会 リウマチ専門医 藤村圭祐