風疹(ふうしん)は、風疹ウイルス(rubellavirus)によるウイルス感染症で、集団生活に入る1~9才の子供に多く発生し、発疹、発熱、リンパ節の張れなどが主な症状です。症状は比較的軽く三日で良くなるので「三日はしか」とも言われ、症状もない人もいます(不顕性感染:15~30%)。
また大部分の人は、一度かかると二度とかかることはありません(終生免疫)。
風疹の潜伏期間は2~3週間で、飛沫感染によって人から人に移ります。このため、風疹に感染したら学校へは行けません。学校保健法によって、発疹がなくなるまで出席停止が義務付けられています。
妊娠初期の妊婦さんが感染すると、胎盤を介しておなかの赤ちゃんも感染し、赤ちゃんが難聴・眼異常・心疾患などの障害を持つ先天性風疹症候群になることがあります
1994年、日本は予防接種法を改正し、ワクチンを接種する対象を1~7歳半(12ヶ月~90ヶ月)の男女に変更しました。その後風疹の大流行はなくなりましたが、昨年から複数の地域で局地的な流行が見られます。
予防接種法改正によってその後の風疹の大流行はありませんが、1994年当時7才半を越え中学生までの女性は、定期接種を受ける機会が少ない「谷間世代」となってしまいました。
厚生労働省は、この谷間世代(1979~1987年生まれ)に対して、2003年9月まで一部公費負担にして接種を呼びかけました。
しかし全国の20~39歳の約520万人(うち女性は約70万人)が風疹に対する免疫を持っていないと推計されています。
「谷間世代」は、2004年で16~25才になり、現在子供を産む年齢を迎えています。妊婦さんが感染することによる、先天性風疹症候群の発生を防ぎ、脳炎などの重い合併症が比較的多いと言われる自然感染を防ぐこと、それから 症状が重くなることが多い成人の感染を防ぐことが重要です。
そこで感染者が拡大中の風疹のワクチン予防接種で、府は23日、妊娠を望む19歳以上の女性や妊娠中の配偶者がいる男性を対象に6月1日以降、助成を検討していると明らかにしました。独自助成をしている市町村に府が助成するとのことです。まだ詳細は、発表されていませんが、該当される方は、ぜひこの機会に風疹ワクチンの接種を検討されては、いかがでしょうか。
ただし、風疹単独ワクチンが現在品薄の状態であり、麻疹風疹混合ワクチンによる接種となる見込みです。