日別アーカイブ: 2011年3月15日

予約診療の意味

当院は基本的に予約診療です。

携帯やパソコンでインターネットにアクセスして、予約を取っていただいています。すこしでも診療時間の目安になるかと思って導入しましたが、これが結構トラブルのもとになっています。

予約の順番に、診療が近づくとお知らせメールがとぶはずなのですが、よく「メールが来ません」と苦情が入ります。予約システムの業者と何度も改良とメンテナンスを繰り返し、テストではとくに問題ないのですが、それでもなぜか実際にはメールが飛ばないことが多々あるようです。

ど素人の私にはよくわかりませんが、考えられる原因はいろいろあるようで、そのうちの一つは「患者さんを予約順に診なかった」ということなんだそうです。

たまにずいぶん後の予約の方が「こどもがしんどそうで予約の時間まで待てなかった」という理由で前倒しで来院されることがあります。

「??」のこともありますが、「こりゃ待てないわ」のこともあって、一概に順番抜かしのお母さんを責めるわけにはいきませんし、受付のスタッフは医療の素人ですから、医療的に公平な判断は難しく、やはりお母さんの訴えに従って受けつけてしまいます。そうすると予約の順序が乱れてメールがうまく飛ばなくなるんだそうです。

あと、予約なしの飛び込み診察の方がいらっしゃいます。飛び込み患者さんは受けつけないクリニックもあるそうですが、当院は私の考えで出来る限り全員受け入れています。

なぜなら、「こどもの病気は突然」だからです。

「落ち着いて予約なんかしている場合じゃなかった」場合や、「予約が埋まっていて取れなかったんだけれどもどうしてもみてほしい」場合など、飛び込んでしまう理由はいろいろあるはずです。

でも飛び込みを引き受けることでどうしても診療の時間はおくれおくれになるので、予約の患者さんには不満が募るようです。

たまに受付で、

「予約の意味はどこにあるんですか?」と憤慨されてるお母さんがおられます。そんなお母さんも診察室に入ってこられれば私にはそんな文句などおっしゃいませんが、受付での声は診察室に丸ぎこえです。私の前でサンドバック状態の受けつけスタッフに内心詫びながら、でもそのお母さんの気持ちもわかりますし、気を取り直してこどもの病状を私に説明しているお母さんの顔を微妙なおもいで眺めます。

うちの予約システムがただの順番予約でしかないことを説明すべきか、お母さんの気持ちもわかっていることを言ってあげるべきか、飛び込み患者さんの事情を話すべきか、・・・etc

でも結局は何も言いません。病気や治療や薬の説明で時間を取ってしまうからです。早く次の患者さんをみてあげないと、しんどい子供たちがわんさと待っています。なーんとなくかくしきれない不機嫌さを漂わせているお母さんの姿としんどそうなこどもの姿と、あんまりいい雰囲気でない診察室の空気をなるべく変えられるように私もいろいろ努力はしているつもりです。(が、・・・まあ、それはみなさんの評価におまかせします)

本来、当院の予約は実は診療の「順番」予約でしかありません。でも10分ごとの予約の時間が設定されていることで時間指定のような勘違いが起こってしまっているわけです。時間表示が出ないようにしたいところなのですが、システムの業者さんいわく、当院の導入システムではそういう設定は出来ないんだそうです。残念。。。

もっとウン百万の高価なシステムを導入すれば出来るんでしょうけれど、うちにはそんな財力もありません。現状では憤慨されてるお母さんにはとにかくこんなご説明しかできませんが、どうでしょうか。

ちょっとでもご理解いただけるとうれしいです。

 

あと、夜診に来られる患者さんで、たまにお母さんがおっしゃいます。

「はやくみてもらえませんか、でないとうちの子は寝不足になってしまいます・・・」

これはどうしようもありません。夜診にこられる患者さんはみなさん同じ状況なので、これは勘弁してください。。。

宜しくお願いします。