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西宮 突発性難聴 鍼灸

                        突発性難聴について

突発性難聴とは
明らかな原因もなく、ある日突然に片側の耳の聞こえが悪くなる病気です。発症は突然であり、昨日はどうもなかった、あるいは今さっきまでなんともなかったのに急に聞こえにくくなることもあります。
年齢は40歳代から50歳代に多いですが、最近では10代から20代の若い方や高齢者も増えてきて全年齢で見ることができます。
随伴症状としては耳鳴り、めまい、嘔吐、吐き気、耳のつまり感、耳に水は入ったような感じなどがあります。
原因はまだはっきり分かりませんが過労・ストレス説、ウイルス感染を原因とする説、内耳循環障害説、内耳炎、糖尿病などがあります。
西洋医学治療法と予後
ステロイド剤投与。あるいは血流改善剤、代謝促進剤、星状神経節ブロック注射などがあります。
罹患者の3分の1は完治し、3分の1は回復するが難聴を残し、3分の1は治らずに終わります。また発症から1週間以内に治療されれば予後は比較的に良いですがそれ以後は治癒の確率は低いと言われています。
突発性難聴の鍼灸治療
突発性難聴は難病と言われていますが鍼灸治療の最も得意疾患の一つです。西洋治療で予後が悪い・手に負えない難聴にも完治や改善する事を期待できます。鍼と灸の刺激によって内耳蝸牛の水腫を除去、炎症(血管の透過性)改善、蝸牛電位を平衡に導くことが出来ます。内耳の循環を改善することにより聴覚細胞の回復を促します。
中医学では突発性難聴を「暴聾」「風聾」など呼びます。二千年前の書籍《素問》中すでに記載しています。原因としては風、寒、暑、湿、燥、火と挙げられ、肝・腎・脾と関わり深いと記載されています。
肝火上炎タイプ: イライラ、怒りっぽい、頭痛、顔面が赤い、充血目、口が苦い、口が渇く、
痰火タイプ: 頭重感、体がだるい、咳・痰が多い
気滞血タイプ: ふらつき、頭痛、イライラ、顔・唇・舌などが黒い
脾胃気虚タイプ: 脱力感、食欲減退、腹張、下痢
腎精虚損タイプ: 不眠、めまい、のぼせ、足腰が弱い
                        突発性難聴の鍼灸治療症例 
女性 20歳 大学生
4月に授業中に急に左耳の聞こえが悪くなった。病院では突発性難聴と診断され、経口薬治療をし、聴力を回復したが、耳鳴りと耳閉感が残った。5月中旬に来院、一週間一回のペースで治療し、8回で完治した。現在月経不順で治療中。
男性 83歳
1月に突発性難聴を診断され、2週間入院治療を終えた後、耳鳴り、めまい、ふらつき、聴力低下を残った。もうこれ以上回復しないと言われた。4月末来院、一週間一回のペースで治療し、10回でめまい、ふらつきはなくなり、15回で耳鳴りは半減、聴力検査では退院時より驚くほど良くなったが自覚症状がある為、現在も一週間一回のペースで治療中。高齢で回復に心配しましたが良い結果を期待できます。