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2020年 「花粉症治療 舌下免疫療法について」 – 内科外科 西岡ファミリークリニック 医師 西岡 宏彰 先生

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花粉症治療の舌下免疫療法について、内科外科 西岡ファミリークリニックの院長 西岡 宏彰 先生にお話を伺いました。

花粉症治療で最近話題の舌下免疫療法について教えて下さい。

まず、花粉症に対する治療は、

  • ①鼻水や目のかゆみなど花粉症によりおこってくる症状を軽減する薬物治療
  • ②アレルギー反応をおこしにくくする体質改善を目指した治療
  • の2つに大別されます。

    ①ではアレルギーの反応はおこしているものの、症状が出るまでの途中の反応をコントロールしようとするものです。

    ②は花粉に接触してもアレルギー反応をおこしにくくすることで、症状の改善を目指すものです。

    ②は従来、皮下免疫治療という皮膚にアレルギー源の物質、例えば杉エキスなどを定期的に注射してアレルギーをおこしにくくする体質に変えるやり方が行われ、一定の効果が認められていました。
    しかし、注射の痛みや、強いアレルギー反応をおこしてアナフィラキシーをおこすリスクがあるため、一般的になるまでには普及しませんでした。

    数年前から、スギ花粉症に対する舌下免疫治療が保険で可能になり、「重大な副反応の報告が少ない」「過半数を超える人に効果があった」と認められるなどの実績が徐々に積まれてきましたので、当院でも有望な治療法として初期から導入し積極的に施行してきました。

    舌下免疫療法を受けるにはどうすればよいですか?

    ※スギ舌下免疫の治療が開始できる期間がおおむね6月1日~12月末までに限られていますのでご注意ください。それ以外の時期には開始できません。

    舌下免疫療法を始めるには、

    • (1)スギ花粉症であることを症状について質問、血液検査で特異的抗スギ花粉IgE抗体の測定を行い、スギ花粉症の確定診断が必要です。
    • (2)次に他のアレルギーに対しての調査を血液検査で行い総IgE抗体価が高い場合はスギ以外のアレルギーについても把握する必要があります。

    多くのアレルギーを持っている方は舌下免疫でも副反応が強く出ることがあるため慎重に治療をすすめる様にしています。

    舌下免疫療法を行う際に、いままで飲んでいた花粉症薬などアレルギーの薬はどうなりますか?

    舌下免疫治療を開始後、人によっては口の中がかゆくなったり、鼻水が出たりなどの副反応をおこす場合があります。
    軽いアレルギー症状の様な場合もありますが、花粉症のときの薬でアレルギー反応をおさえて原則、舌下免疫治療を続けます。
    アレルギー反応が強いときは舌下免疫の量や投与法を変更したり、舌下後うがいをして頂いたりして対応していきます。

    花粉症のシーズン中に症状が出た場合は、花粉症の薬を併用します。開始して間もない場合や、重いアレルギーの人は薬の併用が必要なことがあります。

     

    ――――――本日はありがとうございました。

お話を伺った先生:西岡 宏彰 先生(内科外科 西岡ファミリークリニック・大阪府東大阪市

【略歴】

  • 昭和59年奈良県立医科大学卒業
  • 同年、医師国家試験合格
  • 同年、奈良県立医科大学 心臓血管外科入局
  • 昭和60年 奈良県救命救急センター
  • 昭和62年 国立循環器病センター心臓血管外科
  • 平成07年 奈良県立医科大学胸部心臓血管外科教官
  • 平成11年 医学博士号取得
  • 医真会 八尾病院心臓センター 外科
  • 耳原総合病院 消化器一般外科
  • 関西医科大学附属枚方病院 腎臓内科
  • 国立病院機構南京都病院 循環器科
  • 国立病院機構大阪南医療センター 第1内科
  • 医療法人藤川内科放射線科 院長
  • 医療法人田中泌尿器科津田診療所 院長

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