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2020年 食中毒について – 林医院 内科・内視鏡クリニック 医師 林 保 先生

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今年も暑くなってきました。家庭でも食事・お弁当などで食中毒になるケースが増えているようですね。食中毒はどこでおきているのでしょうか?

食中毒は、多くが飲食店での食事と考えられていますが、家庭での食事でも発生しています。家庭における食中毒は、症状が軽く、家族全員には症状が出なかったりする場合もあるため、食中毒であるとわからないケースも少なくありません。しかし危険性は潜んでおり、家庭での食中毒を防ぐには、食材選びと調理する方の清潔度が関わってきます。

食中毒にはどのような症状がありますか?

大多数を占めるのが「細菌」「ウイルス」です。
「細菌」は、温度や湿度の条件がそろうと食べ物の中で増殖し、その食べ物を食べることにより食中毒を引き起こす(感染型)、食べ物の中の細菌が腸の中で増殖し、そこから作られた毒素が原因となり食中毒を引き起こす(毒素型)に分けられます。
「ウイルス」は、低温や乾燥した環境中で長く生存し、細菌のように食べ物の中では増殖しませんが、ウイルスに汚染された食品、水、(感染者の唾液、吐物)などが口から体内に入ると、人の腸管内で増殖し、食中毒を引き起こします。

【食中毒の症状】

食中毒の多くの症状は、食品が原因で起こります。食事後に突然 腹痛、下痢、嘔吐、発熱、下痢便に潜血が混じる重い場合など様々で、状態に応じて数日から1~2週間続きます。頻回な下痢の場合、口が渇き 尿量が減り、脱水状態を起こす場合もあります。
小児や高齢者の場合は脱水が進んで深刻な状態へ進行する場合があります。
(細菌によっては、下痢止めの薬で腸内に菌を停滞することで症状が重症化することがありますので、安易に薬の服用だけで大丈夫と自己判断しないよう気を付けてください。)
症状があれば出来るだけ早く医療機関を受診してください。

食中毒の主な原因はなんですか?

【食中毒の発生時期】

これからの梅雨などの高温多湿となる夏季(6月~8月)には、細菌が原因となる食中毒が多く発生しています。

【代表的な細菌、ウイルス】

O-157(腸管出血性大腸菌)、病原性大腸菌
食肉などに付着し、生肉を食べたり、加熱不十分な肉を食べたりすることによって食中毒を発症します。乳幼児や高齢者などは重症化し、死に至る場合もあります。
カンピロバクター
鶏肉、生水、牛乳、野菜など様々な感染源があり、不十分な加熱、菌が付着したままで摂取することによって、食中毒を発症します。乾燥、加熱に弱いのが特徴です。
サルモネラ
鶏卵、生卵、鶏肉が強く疑われています。生卵はなるべく新鮮なもの、卵や肉は、十分に加熱(75度 1分以上)することも効果的です。菌が付着した食べ物を食べてから半日~2日後ぐらいで、激しい胃腸炎、吐き気、おう吐、腹痛、下痢などの症状が現れます。
ウエルシュ菌
カレー、煮魚、麺のつけ汁、野菜煮付けなどの煮込み料理が原因食品となることが多く、対策としては、加熱調理した食品の冷却は速やかに行い、室温で長時間放置しないことです。
セレウス菌
土がつきやすい穀類や豆類、香辛料などが主な感染源となり、チャーハンやスパゲティ、スープなどが原因食品となっています。セレウス菌は熱に強く、加熱による殺菌が難しいのが特徴です。作り置きしない、保存は短期間にしましょう。
黄色ブドウ球菌
弁当、握り飯、生和菓子、生ハム、牛乳、クリームなどが代表ですが ブドウ球菌は自然界に広く分布し、人の皮膚やのどにもいます。調理する人の手や指に傷があったり、傷口が化膿したりしている場合は、食品を汚染する確率が高くなります。
腸炎ビブリオ
魚介類(刺身、寿司など)真水でよく洗う、冷蔵庫にすぐに保存、取り扱った調理器具の洗浄が予防になります。

以前は、発生が少なかった冬季にも、低温や乾燥した環境中で長く生存するウイルスが原因の食中毒も近年かなり増加しています。その代表的なものがノロウイルスです。

ノロウイルス
ノロウイルスに汚染された二枚貝(ハマグリ、カキ)などの食品を十分加熱しないまま食べたり、ノロウイルスに汚染された井戸水などを飲んだりして感染します、また、ノロウイルスに感染した人の唾液、おう吐物、便などを介して、感染力は強く二次感染するケースもあります。冬場(11月~2月)に多くみられ、近年増加傾向にあります。

「食中毒予防3原則」とは何ですか?

食中毒の原因となる細菌やウイルスは目に見えないため、どこにいるか分かりません。
肉や魚、生野菜などの食材には、細菌やウイルスが付着していると思った方がいいでしょう。
自分の手にも、細菌やウイルスが付着していることがあります。細菌やウイルスの付着した手を洗わずに食材や食器などを触ると、手を介して、それらにも細菌やウイルスが付着してしまいますので、特に注意が必要です。
キッチンでも、食中毒の原因となる細菌やウイルスがまったくいないとは限りません。食器用スポンジやふきん、シンク、まな板などは、細菌が付着・増殖したり、ウイルスが付着しやすい場所と言われています。

食中毒予防の3原則 “つけない”“増やさない”“殺菌する”とは?

細菌でいえば、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「殺菌する」という3つのことが原則となります。

1.“つけない”(洗う、分ける)

まめな手洗い(調理前、生肉、魚を扱う前後、次に他の食品を扱う前など)
調理器具(まな板、包丁、調理箸など)をこまめに洗う。
(生の肉、魚で使った調理器具を、生で食べる野菜に使わないなど)

食材の保管の際にも、他の食材に付いた細菌が付着しないよう、密封容器に入れたり、ラップをかけたり、分けて保管することが大事です。
ふきん、食器などは、熱湯をかける、漂白するなど清潔にしておきましょう。

2.“増やさない”(低温で保存)

細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりになり、-15℃以下では増殖が止まります。細菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。
肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、新鮮なものを購入後、できるだけ早く冷蔵庫(10℃以下)冷凍(-15℃以下)に入れましょう。なお、冷蔵庫に入れても、細菌はゆっくりと増殖しますので、冷蔵庫を過信せず、早めに使い切りましょう。

3.“殺菌する”(加熱、消毒する)

ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です。特に肉料理は中心までの加熱が大事です。中心部が75℃で1分以上加熱することが1つの目安です。

ふきんやまな板、包丁などの調理器具、使った食器など、使用後はすぐに洗剤でよく洗ってから、熱湯をかけて殺菌しましょう。漂白する、台所用殺菌剤の使用も効果的です。

食中毒で病院の受診が必要な目安を教えてください。

水分が取れない、激しい嘔吐、下痢(1日10回以上など)、続く腹痛、赤い便(血便)、高熱、体の強いだるさ、息苦しい時などの場合は、必ず すぐに医療機関を受診して下さい。



――――――本日はどうもありがとうございました。


お話を伺った先生:林 保 先生(林医院 内科・内視鏡クリニック 内科消化器専門医)

内視鏡検査は、術者で決まります。3人に1人がガンで亡くなっていると言われる中、胃ガン、大腸ガンは上位3位に入りますが、定期検査で早期発見すれば治療できる病気です。その最も適した方法が、胃、大腸カメラ検査です。鮮明な画質で見落としが少なく、組織検査、切除までできる精度が高い検査です。是非、当院で、辛くない安全で正確な検査を受けてください。


【略歴】

  • 昭和63年 川崎医科大学 卒業
  • 昭和63年 大阪大学第一内科入局
  • 昭和63年 済生会千里病院内科
  • 昭和63年 東大阪市立中央病院内科
  • 昭和63年 大阪警察病院内科(天王寺)
  • 平成7年 林医院院長
  • 平成7年 大阪警察病院内科非常勤医(~平成20年)
  • 平成22年 ソニー生命 特定嘱託医
  • 平成22年 アリコジャパン嘱託医

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