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2020年 義歯について – 谷歯科クリニック 歯科医師 谷 啓次 先生

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大阪市淀川区で「安心して治療が受けられる町の歯医者さん」として、長年開業しておられる谷歯科クリニック院長の谷 啓次先生にお伺いします。谷先生は、一般歯科、小児歯科の歯科医として虫歯や歯周病など地域にお住いの皆様のお口の健康を守るため活躍されていますが、中でも歯が抜けたり、歯を抜いたりした後も、それまでと同様に食事が出来るよう、特に入れ歯(義歯)治療の専門的技術と豊富な経験をお持ちです。本日は入れ歯について詳しいお話をお伺いいたします。

早速ですが、まず歯を失った時の治療としてはどのような治療がありますか?

失った歯の治療を大きく分けると、ブリッジ、入れ歯、インプラント、の3つがあります。
それぞれにメリットとデメリットがあります。

まずブリッジですが、抜けた歯の前後に歯が残っている場合にできる治療です。残っている歯を支えにして、人工の歯(義歯)を固定します。デメリットとして、人工の歯を固定するために前後の歯を削ったりする必要があります。また、支えにしている前後の歯に食事の度に負荷がかかる為、徐々にその歯が痛んでいきます。しかし、メリットとしては治療後の歯のメンテナンスの手間が、治療を施す前と変わりません。今まで通り、歯磨きをキチンと行っていただければ済むということです。つまり、治療後のメンテナンスに余分な手間がかからないことが大きなメリットです。

次に、入れ歯についてはブリッジとは反対に、治療後のメンテナンスに余分な手間をかける必要があります。正常な歯の手入に加え、入れ歯の手入れが必要となります。
これはデメリットと言えるでしょう。メリットとしては、他の正常な歯に大きな負担を掛けることなく食事が出来、また保険も使えますので治療の費用がそれほど大きくないと言えます。

3つ目のインプラントによる治療の場合、最大のメリットとして他の歯に負担を掛けることなく、今まで通り食事ができることだと思います。これは、とても大きなメリットだと思います。デメリットとしては、費用が入れ歯やブリッジに比べかなり高額になります。治療(手術)の時間も長くかかり、しんどいかもしれません。
また、メンテナンスについても、日常の手入れ以外に数か月に一度インプラントの状態を点検する必要があり、他の治療に比べれば手間と費用の面でデメリットとなります。
また、長年使用しているとフッ素によりインプラントが痛んできたという報告もあり、それを避けるために専用の歯磨き剤を使うよう奨められることもあります。
ただ、そう言ったデメリットがあるものの、先にお話ししたように食事の際の違和感は殆どありません。費用やメンテナンスのデメリットを除けば、やはり大きなメリットでしょう。

では歯を失った時に入れ歯、ブリッジ、インプラントのどの治療法を選択すればよいのでしょうか?

どの治療法にもメリット、デメリットがありますので、患者さんのお口の状況や患者さんの事情に合うように歯科医とよく相談の上選んでください。歯を失うと言っても上顎なのか、下顎なのか、端っこの歯なのか、(前後に別の歯がある)中間の歯なのか、臼歯(奥歯)なのか前歯なのかなど患者さんおひとりごとにお口の状態が異なります。歯の形だけでなく、歯茎、噛み合わせなどお一人づつ違います。全部歯を失ってしまった場合は支える歯が残っていないので総入れ歯を選択するしかありません。入れ歯も上顎と下顎の治療ではかなり難しさが違います。上顎側へ装着するものは、吸着させやすいのですが、下顎側にしっかり歯茎に吸着させてピッタリ装着させる治療は難易度が高くなります。

また、ブリッジにしても残っている前後の歯の状態が良くなければ選択できませんし、前後に歯の無い最奥歯には適しません。インプラントの場合、インプラントを埋め込む顎の骨が固くないといけないので、骨粗しょう症など骨密度が低い場合など不適合の場合もあります。

このように、患者さんごとにどの治療が適当かはお口の状態の他、個人の事情(保険治療か自費治療、治療後のメンテナンスをどこまでやれるのか)などによっても異なります。
ところで、総入れ歯を行う場合の一つの方法として、インプラントと組み合わせる治療法もあります。2本、あるいは4本インプラントを入れてもらって、それを支えとして入れ歯を作るとかなり安定したものが作れます。

いずれの方法を取るにしましても、人工の歯を作るためにまずは歯型を取ることが必要です。
私のところでは、入れ歯を作る場合必要に応じて2回歯型を取るようにしています。1回目は一般的に使用される既成のトレーで歯型を取ります。その歯型から作った石膏の模型を元にさらに患者さんごとのお口の形に合ったより精密な個人専用トレーを作成して歯型を取っています。そうすることにより、より一層患者さんのお口にピッタリの入れ歯が作れますので、このような方法を必要に応じて積極的に行っています。初めての患者さんからは、時々「前回歯型は取ったのにまた取るの?」と質問されることもありますが、この丁寧な入れ歯づくりを行うことが最も良い治療法だと私は考えています。

さて、入れ歯にも色んなタイプがあると思いますが先生がお奨めのものはありますか?

私が良いと思うのは、技術としても比較的新しいものですが、スイングロックと言う入れ歯をお奨めします。

入れ歯に求められる機能は、噛むときにシーソーのように上下起こる振動と左右に起こる振動をどのように抑えて安定した状態(ぐらぐらを感じずに)で食事ができるように固定することです。この固定化するために入れ歯以外の歯を支えにするためクラスプ(バネ)を近くの歯に引っ掛けて固定するタイプ(クラスプタイプ)やバネを使わず残った歯を挟み込むタイプ(ノンクラスプタイプ)などがあります。
スイングロックは、下顎の歯茎への密着(吸着)と正常な歯を挟む込むことで、吸着と支えによりこの安定を確保するタイプです。装着したときの吸着もしっかりしていますので、食事も違和感なく出来ます。このスイングロックがもっとも不安なく食事ができる入れ歯だと思います。

他にもシリコン義歯というのもあるようですが?

はい、入れ歯の硬いプラスチックでできた歯肉に当たる面に加工されたやわらかさが持続する特殊なシリコンのクッションが歯茎にかかる圧力を軽減し嚙んだ時の痛みを和らげるものです。だから硬いものでもしっかり嚙めて食べるものを選びません。またインプラントのように特別な外科的手術は不要なので安心してどなたでもご使用いただけます。
歯科医院でお口の型を採ったものをオーダーメイドでお口の中の形に合わせてやわらかいクッションを入れ歯に加工します。
特殊なやわらかいシリコンの弾力が嚙むときに発生する顎の動きにも吸着性を実現します。
食事や会話の際に外れにくくなり入れ歯が安定します。
入れ歯と歯茎の間に挟まってしまうような細かい食べ物も安心して食べることが可能です。



――――――本日は、義歯についての専門的な詳しいお話を分かりやすくご説明いただき、ありがとうございました。


お話を伺った先生:谷 啓次 先生(谷歯科クリニック)


【略歴】

  • 1984年 岐阜歯科大学(現 朝日大学歯学部) 卒業
  • 1984年~1986年 大塚歯科駅前第3ビル診療所勤務
  • 1986年~ 医療法人 谷歯科クリニック

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