Vol. 11 親子の心をつなぐ魔法の時間〜絵本のある子育て〜

こんにちは、うにし小児科です。みなさんは、お子さんと一緒に「絵本の時間」を楽しんでいますか?
絵本を開くと、色とりどりの世界が広がり、物語の中でさまざまな冒険が始まります。そして、それを読み聞かせるお父さん、お母さんの声は、お子さんにとって何よりの安心感になるのです。実は、絵本の読み聞かせには、子どもの成長を豊かにする大切な力がたくさん詰まっています。

絵本が育む子どもの力

1)ことばの力がぐんぐん伸びる!

絵本には、普段の会話ではあまり使わない美しい言葉や表現がたくさん登場します。これが語彙力や表現力を育て、子どもが自分の気持ちを言葉で伝える力を伸ばしてくれます。

2)想像の世界でのびのび遊ぶ!

物語を聞きながら、子どもたちは頭の中で映像を思い描きます。登場人物の気持ちを考えたり、次の展開を予想したりすることで、想像力や創造力がぐんと広がるのです。

3)共感する心が育つ!

絵本に登場するさまざまなキャラクターの気持ちに寄り添うことで、他人の気持ちを想像し、思いやる心が育ちます。これが社会性や優しさにつながり、子どもたちの心を豊かにしてくれます。

4)聞く力と集中力がアップ!

読み聞かせをしていると、子どもはお話の世界にぐっと集中します。これが注意力や聞く力を育み、将来の学びの土台にもなります。

5)親子の絆が深まる!

何より、お父さんやお母さんの声で読んでもらうことが、お子さんにとっては一番の安心材料です。「もう一回読んで!」と言ってくれるのは、親子の心がしっかりつながっている証拠かもしれませんね。

 5年ぶりに「絵本の会」が復活します!

実は、うにし小児科では、新型コロナパンデミック以前に「絵本の会」を毎月開催していました。しかし、コロナ禍の影響で約5年間、開催を見送ってきました。ようやく皆さんに安心してご参加いただける環境が整い、このたび「絵本の会」を再開することになりました。お子さんと一緒に、親子で絵本の世界を楽しむ時間を過ごしませんか?

うにし小児科「絵本の会」のご案内

第1回:2025年2月14日(金)14:30〜15:30

第2回:2025年3月14日(金)14:30〜15:30

場所:うにし小児科待合室プレイルーム

講師:蔦屋書店 絵本コンシェルジュ 水落成江さん

当日は、絵本の読み聞かせを楽しんだあと、親子で交流できる時間も設けています✨

参加費無料ですが、要予約です。うにし小児科受付窓口またはお電話にてご予約ください。

今後毎月1階程度、開催の予定です。

絵本の会ではこんなことをします!

1)楽しい絵本の読み聞かせ(プロの絵本コンシェルジュによる心温まるストーリー)

2)親子で楽しむ交流タイム(子育ての悩み相談や情報交換もOK!)

3)おすすめ絵本の紹介(どんな絵本がいいか迷っている方必見!)

お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、そしてもちろんお子さんも大歓迎!

一緒に絵本の世界を楽しみましょう。

絵本の時間は、未来への贈り物 

お子さんと一緒に絵本を読む時間は、ほんのわずかな時間かもしれません。でも、その時間が積み重なることで、お子さんの心に豊かな感性や優しさ、想像力が育まれていきます。そして何より、お父さんやお母さんの声で物語を聞くことで、お子さんは「大好きな人と過ごした幸せな時間」を心に刻んでいくのです。

「絵本の会」でお子さんとのかけがえのない時間を過ごしてみませんか?皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。

 


第3回:「おうちでできるインフルエンザ対策」

インフルエンザを防ぐには、ワクチン接種だけでなく、日常生活での予防も欠かせません。この回では、 手洗いやマスクの正しい使い方、家庭で気をつけるべきポイント を具体的にお伝えします。また、お子さんが発熱した時の対応や、インフルエンザ脳症を防ぐための注意点もご紹介します。

インフルエンザ予防の基本

  1. 手洗い・うがい
    外出から帰ったら必ず手洗い・うがいをしましょう。アルコール消毒も有効です。
  2. マスクの着用
    人が多い場所ではマスクを着用することで飛沫感染を防げます。
  3. 十分な睡眠と栄養補給
    免疫力を高めるために、バランスの良い食事としっかりした睡眠を心がけましょう。

インフルエンザ時の解熱剤の使い方:うにし小児科からのアドバイス

普段の発熱時の対応

私は「お子さんが発熱していても機嫌が良いなら、無理に解熱剤を使わなくても大丈夫」と 普段のの診療ではお伝えしています。発熱は体がウイルスや細菌と戦っているサインでもありますので、無理に下げる必要はありません。水分をしっかりとり、ゆっくり休ませてあげることが基本です。


インフルエンザ時は別!

しかし、インフルエンザの時は例外です。インフルエンザは他の風邪と異なり、高熱が長時間続くことが多く、脳への負担が大きくなる可能性があります。特に、インフルエンザ脳症を予防するためには、体温管理がとても重要です。

インフルエンザで発熱した時のポイント:

  1. 高熱が続く場合は解熱剤を使用する
    体温が39℃を超えたり、ぐったりしている場合は、解熱剤を使用して体温をコントロールしましょう。無理に下げ過ぎる必要はありませんが、脳への負担を軽減するための手段として解熱剤は有効です。
  2. 水分をしっかり補給
    高熱の時は脱水が進みやすいため、こまめな水分補給が欠かせません。経口補水液や麦茶などを適度に与えてください。
  3. 薄着を心がける
    発熱時に厚着をさせたり毛布で包むと、体内の熱がこもってしまいます。体温を逃がすために薄着を意識しましょう。
  4. 異常な症状に注意
    高熱が続いている中で、ぐったりしている、意識がもうろうとしている、または痙攣がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

なぜインフルエンザ時の解熱剤使用が重要なのか?

インフルエンザ脳症の原因の一つは、脳の温度(脳温)が40℃以上に上昇することにあります。普段の発熱では、脳温が体温よりも大きく上昇することは少ないですが、インフルエンザの場合は脳温が体温以上に上がりやすいとされています。このため、高熱を放置せずに解熱剤を適切に使うことが重要です。

ただし、解熱剤については使用する種類にも注意が必要です。 小児で使用できるのはアセトアミノフェンのみです。インフルエンザ時には、特定の解熱剤ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)の使用を避けた方が良いとされていますので、医師の指示に従ってください。


うにし小児科からのメッセージ

お子さんが発熱すると、親御さんはとても心配になるものです。特にインフルエンザは急速に症状が進むこともあるため、早めに医療機関での診察を受けることが安心につながります。

普段は「機嫌が良ければ解熱剤は不要」とお伝えしていますが、インフルエンザの時は例外です。適切な体温管理で、インフルエンザによる重症化を防ぎましょう。お困りの際は、いつでもうにし小児科にご相談ください!


第2回:「インフルエンザワクチン、1月でも遅くない理由とは?」 まだ間に合う!ワクチン接種でインフルエンザに備える方法

「1月になってからワクチンを打つ意味があるの?」と疑問に思う方も多いと思います。この回では、 1月でも接種が推奨される理由 やワクチンの効果、今年のワクチンに含まれているウイルス株(A/H1N1やB型株など)についてお話しします。また、受験生を持つご家庭にとって、ワクチン接種がいかに大切かも解説します。

現在大流行中のインフルエンザウイルスの型「A(H1N1)pdm09」とは?

当院で最近検出されるインフルエンザウイルスは、「A(H1N1)pdm09」という型が多いことが分かっています。この表記は少し難しく見えるかもしれませんが、今回は一般の方にも分かりやすく、これが何を意味しているのか解説します。


インフルエンザウイルスの「A」とは?

インフルエンザウイルスには主に3つのタイプ(型)があります:

  • A型
    最もよく知られたタイプで、人だけでなく動物にも感染します。流行しやすく、大規模な流行(パンデミック)を引き起こすことがあります。
  • B型
    主に人間に感染し、比較的小規模な流行を起こします。
  • C型
    流行することは少なく、症状も軽いことが多いです。

「A(H1N1)pdm09」は、インフルエンザA型に属します。


「H1N1」とは?

インフルエンザウイルスの表面には、2種類の突起状のタンパク質があります:

  • H(ヘマグルチニン)
    ウイルスが細胞に侵入する際に使う。
  • N(ノイラミニダーゼ)
    増殖したウイルスが細胞から外に出る際に使う。

Hには18種類、Nには11種類の型があり、これらの組み合わせによってウイルスが分類されます。「H1N1」は、1番目のヘマグルチニンと1番目のノイラミニダーゼを持つウイルスという意味です。


「pdm09」とは?

「pdm09」は、「パンデミック2009年」の略です。
このウイルスは2009年に初めて発見され、大規模な流行(パンデミック)を引き起こしました。そのため、従来のH1N1型と区別するために「pdm09」という名前が付けられています。


A(H1N1)pdm09の特徴

  • 2009年の新型インフルエンザとして知られる株です。
  • 主に季節性インフルエンザの一つとして現在も世界中で広がっています。
  • 通常のインフルエンザと同じような症状(発熱、咳、倦怠感など)を引き起こしますが、体力が低下している方や基礎疾患がある方は重症化するリスクがあります。

2024/2025年シーズンのインフルエンザワクチンに含まれるウイルス株

インフルエンザワクチンは、毎年の流行予測に基づいて製造されています。今年のワクチンには、以下の4種類のインフルエンザウイルス株が含まれています。

  1. A型株(H1N1): A/ビクトリア/4897/2022(IVR-238)
    → 2009年の新型インフルエンザ(A(H1N1)pdm09)の流れをくむ株で、毎年広がりを見せています。
  2. A型株(H3N2): A/Darwin/9/2021(IVR-227)
    → 季節性インフルエンザの中で高齢者や基礎疾患を持つ方に影響を与えやすい株です。
  3. B型株(山形系統): B/Phuket/3073/2013
    → 若年層での感染が多いB型の代表株です。
  4. B型株(ビクトリア系統): B/Austria/1359417/2021
    → B型のもう一つの主要な株で、子どもたちにも感染しやすいタイプです。

さらに、経鼻型ワクチン「フルミスト®点鼻液」には、A型株として A/ノルウェー/31694/2022(H1N1)株 が含まれています。

2024~2025年シーズンのインフルエンザワクチンには、A(H1N1)pdm09ウイルス株として「A/ビクトリア/4897/2022(IVR-238)」が含まれていますので効果が期待できます。


なぜ今からでもワクチン接種が重要なのか?

  1. ワクチン接種の効果は約2週間で発揮される
    接種してから抗体ができるまでに約2週間かかりますが、インフルエンザの流行はこれから本格化します。今から接種しても十分間に合います!
  2. 重症化を防ぐ効果がある
    特にお子さんや高齢者、基礎疾患のある方は重症化リスクが高いため、ワクチンでそのリスクを大幅に減らすことができます。
  3. 集団免疫を高める
    家庭や学校、保育園での感染拡大を防ぐためにも、一人ひとりの予防が重要です。

接種を迷っている方へのアドバイス

「今年はまだ受けていないけれど大丈夫かな?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。インフルエンザワクチンは予防だけでなく、万が一感染してしまった場合でも症状を軽くする効果があります。これだけでも受ける価値があります!

また、注射が苦手なお子さんには、針を使わない経鼻ワクチン「フルミスト®点鼻液」もおすすめです。詳細は当院にお問い合わせください。


うにし小児科からのメッセージ

インフルエンザは毎年多くの人に影響を与える感染症ですが、ワクチン接種や基本的な予防策で多くを防ぐことができます。

今からでも間に合いますので、ぜひワクチン接種をご検討ください!
ご予約やご質問は、うにし小児科までお気軽にご連絡ください。一緒にこの冬を健康に乗り切りましょう!



Vol.10 インフルエンザからご家族を守るためにー第1回:「2024/2025年のインフルエンザ、どうなってるの?」

こんにちは。うにし小児科です。
寒さが本格化し、インフルエンザの流行が全国で広がっています。今回は、 今流行しているインフルエンザの最新情報や予防法 を3回に分けて詳しくお届けします!ぜひご家族の健康管理にお役立てください。
第1回:最新情報を徹底解説!今年流行中のインフルエンザウイルスの特徴

全国的にインフルエンザが流行しており、 当院での「BioFire® SpotFire®システム」を用いたPCR検査でも特にA(H1N1)pdm09株多く検出されています。今回は、最新の流行状況やウイルスの特徴についてわかりやすくお伝えします。

東京都では、12月23日から29日の1週間で、1医療機関あたりの患者数が56.52人と増加し、流行がさらに拡大しています。 また、長崎県でも3週連続で警報レベルに達しており、感染力の強いA/H1pdm09型ウイルスが検出されています。

1)A(H1N1)pdm09株とは?

このウイルス株は2009年に新型インフルエンザとして話題になりました。「H1N1」という名前は、ウイルスの表面にあるタンパク質(ヘマグルチニンとノイラミニダーゼ)の型を表しています。

A(H1N1)pdm09は若年層にも広がりやすく、高熱や重い倦怠感を伴うことが特徴です。また、適切な対応をしないと脳症などの重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

2)今、どのように対策をすべきか?

ワクチン接種:インフルエンザワクチンは、接種後約2週間で効果が現れ、約5か月間持続するとされています。 特に受験生や高齢者、基礎疾患をお持ちの方は、インフルエンザに感染すると重症化するリスクが高まります。ワクチン接種は、発症予防だけでなく、重症化や合併症のリスクを軽減する効果もあります。 当院では、1月中もインフルエンザワクチンの接種体制を整えております。受験シーズンを控え、ご心配な方はぜひご相談ください。 ワクチン接種で、大切な時期を健康に過ごしましょう。

感染対策の徹底:手洗い、マスクの着用、十分な休養と栄養補給で免疫力を高めましょう。


Vol.9「風邪症状の裏に隠れた原因を特定!最新PCR検査でお子さんの健康をサポート」

こんにちは。最近、風邪の症状で受診するお子さんが増えています。鼻水や咳、発熱はよくある症状ですが、「そのうち治るだろう」と軽く考えず、こじらせないようにすることが大切です。特にこの季節は風邪が流行しやすく、原因もさまざまなので、正確な診断と、それに基づいた治療がとても大切です。

風邪症状の原因について

風邪の原因はウイルス感染が主なものですが、ウイルスの種類も多岐にわたります。例えば、インフルエンザウイルスやRSウイルス、ライノウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどがよく知られています。それぞれのウイルスによって、症状の現れ方や重症度が異なるため、正しい診断が重要です。また、風邪のような症状を引き起こす病原体には マイコプラズマや細菌もあり、これが原因の場合は抗生物質が必要になることもあります。

そして、現在も私たちの生活に影響を与えている新型コロナウイルス(COVID-19)も、風邪のような症状を引き起こすウイルスの一つです。特に小さなお子さんの場合、インフルエンザやその他のウイルス感染との区別が難しいことがありますので、感染拡大防止と適切な治療のためにも早めの検査が大切です。

注意点と自宅でのケア

風邪の症状が出たときは、以下のポイントに注意してケアを行いましょう。

  • 十分な水分補給:発熱や咳で体が水分を失いやすくなるため、こまめに水分を摂らせましょう。
  • 安静に過ごす:体をしっかり休めることが回復への近道です。お子さんの体調に合わせて、できるだけゆっくり過ごせる環境を整えてあげてください。
  • 室内の湿度管理:乾燥した空気は喉や鼻を刺激しやすいので、加湿器などを使って室内の湿度を保ちましょう(40〜60%が目安です)。
  • 早めの受診:症状が長引く、あるいは重症化する兆しが見られたら、早めに受診を検討してください。

当院での診断方法とBioFire® SpotFire®システムの導入について

当院では、風邪の症状で来院されたお子さんに対して、迅速かつ正確な診断ができるよう最新のPCR検査機器「BioFire® SpotFire®システム」を導入しました。このシステムを用いることで、わずか15分でインフルエンザやRSウイルス、ライノウイルス、 マイコプラズマ、新型コロナウイルスなど15種類の病原体を同時に検出することが可能です。

通常、風邪の原因となる病原体を特定するには、複数の検査や時間がかかることが多いのですがBioFire® SpotFire®システムなら1回の検査で迅速に結果が得られます。これにより、原因に基づいた正しい治療がすぐに始められるため、お子さんの回復を早めるとともに、無駄な抗生物質の使用を避けることができます。

風邪症状が出たらご相談ください

お子さまの風邪症状は、ご家族にとって大きな心配ごとですよね。少しでも安心していただけるよう、当院では正確な迅速診断と適切な治療が受けられる万全の体制を整えています。発熱や咳など気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。お子さまの元気な笑顔が早く戻るように私たちがしっかりサポートいたします。



Vol.8 経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト®」ーインフルエンザからお子さんを守る新しい選択肢ー

こんにちは、皆さん。今年のインフルエンザシーズンも近づいてきました。当院では、経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト®」の予約受付を開始いたしました。注射が苦手なお子さんや、より効果的な感染予防を求める方にとって、フルミスト®は非常に優れた選択肢です。今回は、フルミスト®の特徴や接種時の注意点について詳しくご紹介します。

フルミスト®とは?

フルミスト®は、鼻にスプレーする経鼻タイプのインフルエンザワクチンです。通常の注射とは異なり、鼻腔から噴霧するだけで接種が完了します。痛みがないため、特にお子さんにとって安心して受けられるワクチンです。

フルミスト®の大きな特徴は、インフルエンザウイルスが侵入する「鼻や喉の粘膜」で直接免疫を誘導する点にあります。これにより、ウイルスが体内に侵入する前に防ぐ「粘膜免疫」が形成され、高い感染予防効果が期待できます。

さらに、フルミスト®は「生ワクチン」であり、自然な形で免疫を引き出すため、予防効果が1年間持続することが特徴です。注射型の不活化ワクチンの4~6ヶ月の効果持続期間と比べ、長期間にわたる感染予防が可能です。

フルミスト®の対象年齢と接種方法

  • 対象年齢: 2歳から19歳未満の方
  • 接種回数: 1回
  • 接種方法: 各鼻腔に0.1mlずつ、合計0.2mlを噴霧

接種年齢が2歳から19歳未満である理由

フルミスト®の接種対象年齢が2歳から18歳までとなっている理由は、免疫システムの発達や感染経験に関係しています。まず、2歳から18歳の子どもたちは、まだインフルエンザに感染した経験が少ないことが多く、鼻腔や咽頭の粘膜にIgA(免疫グロブリンA)という分泌型抗体が十分に形成されていません。フルミスト®は、鼻腔に直接噴霧することで、粘膜上にIgA抗体を作り出し、ウイルスが体内に侵入する前に防ぐ「粘膜免疫」を形成します。この免疫が、強力な感染予防効果を発揮します。

さらに、フルミスト®は、IgA抗体だけでなく、血中のIgG抗体(中和抗体)や細胞性免疫も刺激します。これにより、型が少し違うインフルエンザウイルスに対しても、感染を防ぐ効果が期待できます。これらの理由から、インフルエンザに対する免疫がまだ十分でない2歳から18歳の年齢層において、特に強力な効果を示すと考えられています。

一方で、大人の場合は、過去にインフルエンザに感染したことがあるため、既存の免疫によってワクチンウイルスが排除されてしまうことが多く、十分な免疫反応が起こらない場合があります。これが、フルミスト®が特に子どもや若年者に有効で、大人には効果が弱くなる理由の一つです。そのため、フルミスト®の接種対象は2歳から19歳未満の方に限られているのです。

副反応と注意点

フルミスト®は、一般的に安全で副反応のリスクは低いとされていますが、以下のような軽度の副反応が報告されています。

  • 鼻水・鼻づまり
    接種後に軽い鼻水や鼻づまりが生じることがありますが、通常数日以内に治まります。
  • 頭痛・筋肉痛
    まれに接種後に軽度の頭痛や筋肉痛を感じることがありますが、こちらも一時的な症状です。
  • 発熱・倦怠感
    軽い発熱や倦怠感を伴う場合がありますが、これも数日で改善することがほとんどです。

フルミスト®を接種できない方

以下の方はフルミスト®の接種ができない場合がありますので、事前に医師と相談してください。

  • 免疫不全の方、免疫抑制療法を受けている方
    フルミスト®は生ワクチンであるため、免疫力が低下している方には適していません。
  • 喘息や慢性疾患をお持ちの方
    特に最近喘息発作があった方や、心臓病、糖尿病などの慢性疾患をお持ちの方には推奨されません。
  • アスピリン内服中の方
    アスピリンを日常的に服用している方も接種は避けるべきです。
  • ゼラチンまたは重度の卵アレルギーのある方
    フルミスト®にはゼラチンが含まれているため、 ゼラチンアレルギーがある方は接種できません。 卵アレルギーのある方は卵の完全除去を指示されている方以外は接種可能です。

接種時の注意点

  • 鼻づまりがある場合は接種を延期
    鼻に噴霧するタイプのワクチンのため、鼻づまりや鼻水が多い場合は接種を延期することがあります。
  • 接種後の運動に注意
    接種後、過度な運動は避けてください。体に負担がかからないように、安静を心がけましょう。
  • 乳児との接触について
    フルミスト®接種後、1~2週間は乳児との接触を避けることが推奨されています。これは、生ワクチンのため、他者への伝播のリスクがゼロではないためです。

ご予約とご相談について

フルミスト®は毎年のインフルエンザ予防に非常に効果的であり、特に子どもたちに優しいワクチンです。今年のインフルエンザシーズンに備えて、早めの予防接種をご検討ください。接種をご希望の方は当院ホームページの予防接種・乳幼児健診予約からお願いします。

何かご不明な点がありましたら、お気軽に当院までお問い合わせください。スタッフ一同、皆さまの健康を守るために全力でサポートいたします。


Vol.7 子どもの成長と心のケア

こんにちは、皆さん。いつも当院のブログを読んでいただき、ありがとうございます。今日は、子どもの成長と心のケアについてお話ししたいと思います。

お子さんがすくすくと成長していく姿を見守るのは、親として何よりの喜びですよね。でも、その成長と共に、心のケアについても考える必要が出てきます。子どもは毎日、新しいことを学び、感じ、心も体も大きくなっていきます。その過程で、私たち親がどうサポートしていけるかが大切です。

まず、お子さんの心の成長を見守るためには、日常の会話がとても大切です。例えば、学校や幼稚園での出来事を聞いてあげること。些細なことでも、子どもにとっては大きな出来事であり、それを共有することでお子さんは「自分の気持ちを理解してくれている」と感じるでしょう。その積み重ねが、お子さんの安心感と信頼感を育みます。

また、お子さんが新しい挑戦をする際には、少し手を差し伸べてあげることが大切です。例えば、新しい友達を作るのが難しい時や、初めての経験に不安を感じている時に、優しく話を聞いてあげるだけでも、お子さんの心はずっと軽くなるはずです。「大丈夫だよ」とそっと励ます言葉や、抱きしめるだけでも、心に寄り添うことができます。

そして、子どもにとって大事なのは「愛されている」という実感です。忙しい毎日の中で、ついつい当たり前のように接してしまいがちですが、お子さんに「愛しているよ」「大切だよ」という気持ちをしっかりと伝えることが、心のケアにつながります。子どもは、その愛情を感じることで、自分に自信を持ち、心が健やかに育っていきます。

親として完璧を目指す必要はありません。時には失敗してしまうこともあるかもしれませんが、その度にお子さんと一緒に乗り越えていけばいいのです。大切なのは、愛情を持って寄り添い、お子さんの心の成長を見守りながら、共に成長していくこと。

うにし小児科は皆さんと一緒にお子さんの成長を支えていきたいと願っています。何か気になることがあれば、いつでもご相談ください。お子さんの心のケアについても、私たちが全力でサポートします。


Vol.6 予防接種は小児科で!育児相談もできるクリニック選びの大切さ

こんにちは、皆さん。今日は、赤ちゃんの予防接種について、そしてその予防接種をどこで受けるかということについてお話ししたいと思います。

私は枚方市の保健センターで、月に一度、4か月健診を担当しています。この健診の際、多くのお母様たちから様々な質問をいただくのですが、その中で感じるのは、多くのお母様が予防接種を受ける際に、育児に関する悩みを先生に相談されていないということです。

母子手帳を拝見すると、すでに3~4回、予防接種を受けている記録があります。しかし、予防接種の際には、ただワクチンを打ってもらうだけで、他の不安や疑問を聞く機会が持てていないお母様がほとんどです。これには、産婦人科での予防接種や、忙しい時間帯に立ち寄った小児科での接種が影響しているのかもしれません。

実は、予防接種は単にワクチンを打つだけではなく、赤ちゃんの健康を総合的に考える機会でもあります。例えば、赤ちゃんの体重や発育具合を確認したり、最近の様子を話し合うことで、気づかなかった問題を早期に発見することができるかもしれません。また、育児の悩みや不安を相談することで、安心感を得られることもあります。

小児科クリニックでは、予防接種の際にこうした育児相談も併せて行うことができます。専門医が赤ちゃんの成長をしっかりと見守りながら、予防接種を行うことで、接種後のケアや他の健康問題についても適切にフォローすることができます。

また、小児科の先生は、赤ちゃんの発育や成長に関する専門知識を持っており、日常の些細な心配事から、より大きな健康問題まで幅広く対応することができます。何か気になることがあれば、その場で相談できるのは、お母様にとって大きな安心材料です。

多くのお母さんが抱える育児の不安や悩みは、一人で抱え込む必要はありません。小児科クリニックで予防接種を受けることで、専門医としっかりとコミュニケーションを取り、安心して子育てができる環境を整えることができます。

予防接種は、赤ちゃんの健康を守る大切なステップであり、その際に育児についてのアドバイスを受けられる小児科クリニックは、親御さんにとって心強いパートナーです。

うにし小児科は、いつでもお母さんと赤ちゃんをサポートできるよう準備していますので、何でも気軽に相談してくださいね。


Vol.5 お父さんも一緒に楽しむ子育て

皆さん、こんにちは!いつも当院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。今日は「お父さんも一緒に楽しむ子育て」についてお話ししたいと思います。

子育ては、決してお母さんだけが頑張るものではありません。お父さんが積極的に育児に参加することで、家族全体が一つになり、お子さんの健やかな成長を支えることができます。そして、お父さんの参加が増えると、日々の子育てがもっと楽しく、豊かになります。

最近の診療の中で感じるのは、日曜日にお父さんが一緒に来院されるご家族が増えていることです。忙しい毎日の中で、日曜日はお父さんにとってもお子さんとの貴重な時間。お子さんの健診や予防接種に一緒に来ていただくことで、お父さんも子育てに積極的に関わり、家族の絆が深まる姿を目の当たりにすることができ、私たちもとても嬉しく思います。

例えば、お風呂の時間や寝かしつけの時間、お父さんが担当してみるのはいかがでしょうか?お子さんが嬉しそうにお父さんと遊んだり、甘えたりする姿は、きっとお父さんにとってもかけがえのない瞬間になるでしょう。

また、お父さんが積極的に育児に関わることで、お母さんの負担も軽減されます。家族全員が心に余裕を持って過ごせるようになると、家庭全体の雰囲気も明るくなります。

お父さん、お母さん、そしてお子さんが一緒に過ごす時間が増えれば、自然と家族の絆が深まります。子育てはチームワーク。お父さんも、お母さんと一緒に育児を楽しんでくださいね!

最後に、お父さんが育児に参加することで得られる喜びや、家族の成長をサポートできるよう、当院も全力でお手伝いします。何かお困りのことがあれば、ぜひご相談ください。

枚方市で育む温かい家庭の一員として、私たちはいつでも皆さんを応援しています。


Vol 4.働くお母さんを応援する小児科

子育てと仕事の両立は大変なことですよね。仕事が終わってから急いで子どもを迎えに行き、夕食を作って、家事をこなして、気づけば夜も遅く…そんな毎日の中で、「もしも子どもが急に具合が悪くなったらどうしよう」と不安に感じることはありませんか?

当院では、働くお母さんたちのそんな不安を少しでも和らげるために、診療時間の拡大を行っています。平日はもちろん、土曜日、そして日曜日も診療を行っております。これにより、仕事の後でも安心してお子さんを診てもらうことができます。

また、診療だけでなく、育児に関する相談もお受けしています。「ちょっとしたことだけど、誰に聞いたらいいかわからない」と感じることはありませんか?そんな時こそ、私たち小児科医に相談してください。例えば、食事のこと、睡眠のこと、成長に関する心配事など、何でもご相談いただけます。

子どもの健康は、親の安心から始まります。私たちが提供するのは単に治療だけではありません。お母さん、お父さんが安心して子育てを続けられるよう、サポートすることが私たちの使命です。

枚方市で生まれ育った私が、地元の皆さんと共にこれからも子育てを応援し続けます。どうぞお気軽に当院をご利用ください。