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背水の陣

1976年、大阪府高槻市城南町に開業した森田歯科医院。
開院以来、患者さんひとり一人の立場に立った誠実な歯科医療によって、
多くの方々の口腔環境を守ってきました。
このブログでは当院に関心あるすべての方に、当院とここで働くスタッフの“今”を知って頂くために、日々思うことを医療にこだわらず“そこはかとなく”綴ったものです。

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5月17日から65歳以上の方への新型コロナウイルスに対するワクチンの接種が開始されました。当初、高槻市からのワクチン供給量が少なく、少しでも早くワクチン接種を希望する方々が、集団接種・個別接種の予約に殺到して一時は騒然となりました。予約の為に数時間も列を作って並ぶなど、感染拡大の一因になる様なことも認められました。感染により死亡するリスクの高い高齢者から順番に接種するという、弱者優先のコンセプトが、65歳以上の中では早い者勝ちという、本末転倒な状態になっています。
当院ではスタッフミーティングで話し合い、当初は電話や受付では予約をとらず、患者さんの年齢、疾患及び投薬内容を考慮して、重症度の高い方から順番に定期受診時に診察室で予約を取る方針としました。事務員さんが鳴り止まない電話全てに当院の方針をていねいに説明してくれたお陰で、大きな混乱もなく順調に予約を取ることができています。また、高まるワクチンの需要に対して、ワクチンの接種回数については看護師さんを中心に、当初の目標であった週120回から、週150回に大幅に増やしました。これにより、月600接種、つまり月に300人分のワクチン接種を行えることになります。
通常業務を一部削減してはいますが、発熱外来などコロナのリスクを負いながら、ワクチンを週に150接種するのは、並大抵の負担ではありません。慣れるまでは相当辛い毎日が続くと思います。しかしながら、オリンピックを2か月後に控え、変異株の猛威が緊急事態宣言延長下にやや落ち着きつつある今、我々医療従事者がすべき最大の社会貢献は、可能な限り多くの人に、可能な限り早くワクチンを接種することです。
今、日本はコロナ禍から脱出できるか否かの重大な局面に差し掛かっています。「機をみるに敏なれ。」、「兵、死地において生きる。」といいます。チーム全員が諦めずに知恵をしぼり、個々が自分の得意分野でその持てる能力を余すことなく発揮するなら、コロナとのこの大一番は必勝間違いなしと確信しています。市民の集団免疫獲得に大きく貢献して、この高槻を忘年会で冷えたシャンパンを片手に笑顔で乾杯のできる町にしましょう!

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