月別アーカイブ: 2021年10月

楽しむ!

1976年、大阪府高槻市城南町に開業した森田歯科医院。
開院以来、患者さんひとり一人の立場に立った誠実な歯科
医療によって、
多くの方々の口腔環境を守ってきました。
このブログでは当院に関心あるすべての方に、当院とここ
で働くスタッフの“今”を知って頂くために、日々思うこと
を医療にこだわらず“そこはかとなく”綴ったものです。

→:楽しむ!

(今回は併設する関連施設、森田内科に関するブログです。)

今回は先月、当院で「いいね!」と思った3つのエピソードを紹介します。
1つ目は、胃カメラの予約がたくさん入り、大変な日がありました。検査が順調に流れる様に、朝からあれこれ考えていると、看護師さんが‘ついたて’を使って待合室に簡易の個室を作り、そこで胃カメラ前の前処置をすることを提案してくれました。お陰で、大変でしたが検査は順調に終了しました。その看護師さんに聞くと、前日からいろいろと思案してこの名案を思いついたと、楽しそうに、そして満足そうに、うち開けてくれました。
2つ目は、コロナワクチンの1回目接種直後の患者さんが、2回目のワクチン接種日と、生物学的製剤の維持療法の投与日が重なっていると看護師さんに相談していました。両薬剤とも、計画的な投与が必要で、予定日の変更により効果が減弱してしまいます。しかも、両薬剤とも当院では厳密に予約を管理していて、そう簡単には変更できません。「面倒なことになったな。」と思っていると、その看護師さんは、患者さんに生物学的製剤の適切な投与日の変更を説明して、いともたやすく問題を解決してくれました。両薬剤の特性を熟知していないと出来ないことで、そのスキルの高さに感嘆させられました。
最後のエピソードです。当院では以前、スタッフブログとして職員さんに当番制でブログの投稿をお願いしていました。今は当番制を廃して、“有志の会”をつくる予定になったまま、スタッフブログは頓挫しています。そんな中、突然「ブログをアップしてもいいですか?」と言われて、びっくりしました。よく聞いてみると、以前当番制の時に作ったスポーツ観戦のブログを、第5波のコロナ感染拡大収束を機に、アップしたいということでした。2年近く前の仕事をやり遂げたいという思いに、強い責任感を感じました。
紹介したこれら3つのエピソードは、お給料のためだけではなく、他者や社会への貢献、自己受容や自己啓発、そして何よりも仕事の中に、何らかの楽しみを見出している人にしかできない事だと思います。有名なイソップ童話の「3人のレンガ職人」の話を思い出して下さい。レンガ積みを辛い作業と憎むのか、お金のためと割りきるのか、後世に残る仕事と誇りに思うのか、決めることができるのはあなただけです。
孔子先生は「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」と言いました。「あることについて学んで知識のある人も、そのことが好きな人にはかなわない、そしてそのことが好きな人も、それを楽しんでいる人にはかなわない。」という意味です。要するに、「仕事を楽しんでいる人にはかなわない。」ということです。仕事でも勉強でも、その辛さの中に喜びを見つけ、楽しみましょう!

イソップ童話「三人のレンガ職人」

昔々、ある町外れの道を旅人が歩いていると、一人の男がぶ然とした表情でレンガを積んでいるのでした。
旅人が、男に向かって「何をしているのですか?」と尋ねると男は、
「見ればわかるだろう。レンガを積んでいるんだ。俺は、朝から晩までレンガを積まなければならないんだ。年から年中、朝から晩までレンガ積みだ。こんなきつくてつまらない仕事、本当は辞めてしまいたいよ」
とぶっきらぼうに答えた。旅人は、「そうですか。大変ですね」と男をねぎらって、歩き始めた。
旅人が少し歩くと、別の男がせっせとレンガ積みをしていた。
旅人が、男に向かって、「いったい何をしているのですか?」と尋ねるとその男は、
「俺はね、ここで大きな壁を作っているんだよ。これが俺の仕事なんだ」と答えた。
旅人が「大変ですね」といたわりの言葉をかけると、男は、
「なんてことはないよ。この仕事のおかげで俺は家族を養っていけるんだ。ここでこうやって仕事があるから家族全員が食べいくことに困らない。仕事があるだけありがたいよ。」と、少し微笑みながら答えた。旅人は、男に励ましの言葉を残して、歩き続けた。
もう少し歩くと、別の男が生き生きと楽しそうにレンガを積んでいるので旅人が、その男に向かって「ここでいったい何をしているのですか?」と尋ねると、男は、
嬉しそうに言った。
「俺はね、レンガを積んで大聖堂(教会)を造っているんだ!」
旅人が「大変ですね」といたわりの言葉をかけた。すると男は、旅人に向かって満面の笑みを浮かべ、両手を広げながら自信満々に言った。「とんでもない!この教会で多くの人が未来に祈りを捧げ、時には過去の罪を悔い改める。結婚式をあげる人だっているんだ。私は人の未来をつくっているんだよ。」
旅人は、ねぎらいの言葉をかけて、元気いっぱいに歩き始めました。