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男性不妊の代表的な原因「精索静脈瘤」を徹底解説

男性不妊の代表的な原因「精索静脈瘤」を徹底解説

こんにちは。京都市にあるいちおか泌尿器科クリニックです。

当クリニックでは、一般的な泌尿器科疾患をはじめとした幅広い診療を行っています。
泌尿器科や不妊の悩みは、人には相談しにくいと感じる方も多く、インターネット上の情報もさまざまで誤解が生じやすい分野です。
診察の場だけでは十分にお話しできない場合もあるため、このブログを開設いたしました。

この記事では、患者さんやそのご家族が抱える「ちょっと言いにくい」「専門用語が分かりにくい」といった不安や疑問に寄り添い、できるだけやさしい言葉でお伝えすることを心がけています。
治療に関する最新の研究結果に基づいた情報を交えながら、病気に対する恐怖心や不安を和らげられるよう、丁寧に解説してまいります。
もし、ご自身にあてはまる症状や疑問が見つかったら、どうぞお気軽にご相談ください。

はじめに:精索静脈瘤の原因を知る事で不安を解消しよう

不妊というと「女性側の問題」と誤解されることがありますが、実際には不妊の原因の約半数は男性側にあるとされています。
そのなかでも、比較的多く見られるのが「精索静脈瘤」です。
成人男性の約10〜15%に見られ、不妊症の男性ではその割合が40%以上とも言われています。

精索静脈瘤は放置していても命に関わる病気ではありませんが、精子の質に悪影響を及ぼすため妊娠を望むカップルにとっては重大な障害となることがあります。
原因を明らかにし、適切な治療を受けることで改善が期待できる疾患でもあります。

この記事を読めば分かること

  • 精索静脈瘤の原因と仕組み

  • 男性不妊との関連性

  • 気づきにくい症状と見逃しがちなサイン

  • 放置しておくとどうなる?進行によって起こりうるリスクや悪化の症状

  • 専門クリニックで診てもらうべきタイミング

精索静脈瘤とは?仕組みと発生のメカニズム

精索静脈瘤とは?仕組みと発生のメカニズム

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)は、男性不妊の原因としてもっともよく見られる病気の一つです。
あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、実は一般の男性の約15%、不妊で悩む男性に至っては40%以上の方に見つかるとも言われていて、決して珍しい病気ではありません。

精索静脈瘤とは、簡単に言うと「精巣のまわりを取り巻く静脈が拡張し、こぶのようになってしまった状態」のことです。精巣の上には「精索(せいさく)」と呼ばれる管状の構造があり、その中には血管やリンパ管、神経、精管などが通っています。
このうち、血液を心臓へ戻す働きをしているのが「静脈」ですが、本来この静脈には「逆流を防ぐ弁」が備わっており、血液が下から上へと一方向に流れるようになっています。
何らかの理由でこの弁がうまく機能しなくなると、血液が逆流してしまい、静脈の中に滞留することになります。
すると血管がだんだんと膨らんでしまい、やがては外から見たり触ったりしてもわかるほど拡張するのが精索静脈瘤です。

精索静脈瘤が起こる原因

精索静脈瘤が起こる原因

静脈の弁機能不全

血管の中にある「逆流防止弁」が先天的に弱かったり後天的に損傷したりすることで、血液の逆流が起こりやすくなります。

成長期の急激な身体の変化により、静脈の圧力が高まりやすい思春期以降に発症するケースが多いとされています。

 解剖学的な構造の影響

精索静脈瘤は圧倒的に「左側」に多く発生します。
これは左側の精巣静脈が腎静脈という太い血管に直角に合流しているため、血流が滞りやすいという構造上の特徴が関係していると考えられています。

生活習慣や姿勢の影響

長時間の立ち仕事や運動不足によって血流が悪くなると、静脈の中に血液が滞りやすくなり結果として静脈瘤が悪化しやすくなります。
特にデスクワーク中心の生活を送っている方や、運動習慣のない方は注意が必要です。

精索静脈瘤の厄介な点は、自覚症状がないまま静かに進行してしまうことが多いです。
外見上の変化が見られなかったり、痛みがなかったりすると、本人も気づかないまま長年経過してしまうことがあります。
そのため不妊の原因を調べるために精液検査を受けた際、はじめて精索静脈瘤が発覚するというケースも少なくありません。

なぜ精索静脈瘤は男性不妊の原因になるのか?

なぜ精索静脈瘤は男性不妊の原因になるのか?

精索静脈瘤があることで、なぜ「男性不妊」につながってしまうのでしょうか?

答えは精巣が本来の働きを保つための「温度管理」や「血流環境」が乱れてしまうことにあります。
精子はとても繊細な細胞であり、適切な温度と栄養環境が保たれていなければ、正常な形や運動能力を持った精子を作り出すことができません。

主な影響

精巣の「適正温度」が乱れる

私たちの体温は通常約36.5度前後ですが、精巣内の温度はそれよりも1〜2度ほど低い状態が理想的です。
この微妙な温度差が、精子を作る上で非常に重要な役割を果たしています。

しかし精索静脈瘤が起こると、静脈の血液がうまく排出されず、精巣の周囲に熱を持った血液が滞留するようになります。
すると精巣の温度が上昇し、精子の形成過程に悪影響が及ぶのです。

これは「温熱ストレス」と呼ばれる現象で、精子の数が減ったり、運動能力が低下したり、DNAが損傷したりする原因になります。

酸素不足と活性酸素の問題

血液の循環が滞ることで、精巣に酸素や栄養が十分に行き届かなくなるという問題も発生します。
酸素不足によって体内の「活性酸素」が増え、これが精子にダメージを与えることも知られています。
このようなさまざまな要因が重なり合うことで、精索静脈瘤が精子の質を低下させ、不妊につながることが医学的にも明らかになっています。

精索静脈瘤による血流の滞りや活性酸素の増加といった問題は、生活習慣の見直しや適切な医療的対応によって改善が期待できます。
近年では治療法も進歩しており、精子の質の向上や妊娠率の改善につながるケースも多く報告されています。

どんな症状があれば病院に行くべき?

精索静脈瘤は進行するまで自覚症状が出にくい病気ですが、いくつかのサインに気づくことで早期発見が可能です。

ご自身の体に耳を傾け、気になる症状があればなるべく早めに医療機関を受診することが大切です。
ここでは、受診を検討すべき具体的な症状や状況について解説します。

こんな症状があれば要注意!

陰嚢の違和感や重だるさ

最も多い訴えのひとつが、「陰嚢の中に何か違和感がある」というものです。
特に長時間立ちっぱなしだった日や、運動のあと、お風呂上がりなどに「重く感じる」「引っ張られるような痛み」がある場合は注意が必要です。

このような症状は精索静脈瘤により血液がうっ滞し、周囲の組織に負担がかかっていることを示している可能性があります。

 触れると「ぐにゃぐにゃ」した塊がある

自分で陰嚢に触れたときに、「やわらかいチューブのようなものがもつれている」「ぐにゃぐにゃした感触がある」といった場合、拡張した静脈が皮膚の下で感じ取られている状態です。
特に立っているときに目立ち、横になると消えることが多いのが特徴です。

このような所見は、医師による診察で精索静脈瘤と判断される一つの大きな材料になります。

 不妊に悩んでいる

見た目や自覚症状がまったくない場合でも、夫婦で妊活をしているにもかかわらず、1年以上妊娠に至らないといった場合には、精索静脈瘤を含む男性側の原因を一度疑ってみることが大切です。

日本では不妊の原因の約半数が男性側にあるとされているにもかかわらず、女性側ばかりが検査や治療を受けているケースも多く、結果として原因が見つかるまでに時間がかかってしまうことも少なくありません。

不妊の問題はカップルにとって非常にデリケートな問題ですが、男性も積極的に検査を受けることで、より早く解決に近づくことができるのです。

これらの症状があるからといって必ずしも精索静脈瘤であるとは限りませんが、逆に言えば症状が軽微でも精索静脈瘤が隠れている可能性は十分にあります。
疑わしい症状が少しでもあれば、まずは泌尿器科や男性不妊専門のクリニックでの受診をおすすめします。

自己判断で放置するのではなく、専門家の診断を仰ぐことが早期治療への第一歩です。

放置するとどうなる?リスクと症状の悪化

精索静脈瘤は自然に改善することはほとんどなく、時間とともに悪化していく病気です。
軽度のうちは無症状であっても、次第に以下のような問題が現れてくる可能性があります。

時間の経過とともに進行するリスク

時間の経過とともに進行するリスク

 精巣の萎縮(小さくなる)

精巣の血流が悪くなり酸素や栄養の供給が不足することで、精巣自体が萎縮してしまうことがあります。
これはつまり、精子を作る機能そのものが萎縮していくということであり、回復が困難になる恐れもあります。

慢性的な鈍痛や不快感

精巣や陰嚢の奥に「重だるい感じ」「ひっぱられるような違和感」を覚えることがあります。
とくに立っている時間が長い日や、入浴後・運動後などに症状が強くなることがあります。

仕事や日常生活にも影響を及ぼす場合があるため、生活の質(QOL)を下げる原因にもなります。

不妊状態の長期化・悪化

最も深刻なのは、不妊の状態が固定化してしまうリスクです。
早期に治療を行えば精子の質が改善する可能性がありますが、長期間放置することでそのチャンスが減少し、治療の選択肢も限られてしまうことがあります。

精索静脈瘤は良性の病気であり、命にかかわるものではありませんが「妊娠を望むかどうか」「精子の状態を改善したいかどうか」によって、治療の重要性が大きく変わってきます。

精索静脈瘤は、命に関わるような病気ではありませんが、「放っておいても大丈夫」と安心してしまうのは少し危険です。
時間の経過とともに、精巣の機能低下や慢性的な痛み、そして不妊のリスクが高まっていく可能性があるからです。
特に「将来的に子どもを望んでいる」「原因のわからない違和感が続いている」といった方にとっては、早めの判断がとても大切になります。

すべての人がすぐに治療を必要とするわけではありません。
けれども自分の身体が今どんな状態なのかを知ることは、将来の選択肢を広げるための第一歩です。
症状が軽いうちに専門医に相談し、必要に応じて検査や治療を検討することで、大切な機能を守ることにつながります。

不安を抱えたまま一人で悩むより、少し勇気を出して情報を得て、行動してみることが、未来の安心へとつながるかもしれません。

まとめ:男性不妊の解決に向けて、専門医に相談を!

「精索静脈瘤かもしれない」と感じたとき、気になるのは診断の流れや検査内容ではないでしょうか。
医療機関で「どのように調べるのか」「痛みや恥ずかしさはないのか」こうした疑問を持つ方も多いと思います。

実際にどのようにして精索静脈瘤が診断されるのか、その流れや検査の特徴についてご紹介します。

診断と検査方法

問診と視診・触診

医師による問診と診察(視診・触診)からスタートします。

症状の有無、不妊の有無、以前の検査歴や病歴などを確認したうえで陰嚢を立った状態と寝た状態の両方で観察し、触診します。

このとき「バルサルバ法」と呼ばれる息を止めてお腹に力を入れる動作を患者さんにしてもらうことで、静脈の拡張具合を観察します。
触診だけである程度の重症度(グレード)を判定することも可能です。

超音波検査(エコー検査)

より正確に診断するために行われるのが、陰嚢の超音波検査です。

これは痛みもなく、体外から機器を当てて見るだけなので、身体的負担はほとんどありません。
超音波によって、静脈の太さや逆流の有無・逆流の程度などが数値で確認できます。
これにより、軽度〜重度の精索静脈瘤を正確に評価することが可能です。

また必要に応じて精巣のサイズの左右差や、血流状態の異常も調べることができるため、早期診断に非常に有用です。

精液検査

不妊の検査として最も重要なもののひとつが精液検査です。
精子の数、運動率、奇形率、精液量などを詳しく調べることで、精索静脈瘤によってどの程度影響が出ているのかを知ることができます。

精液検査は自宅やクリニック内で採取し、専用の分析機器で評価されます。
1回の検査で全体像がわかるため、不妊でお悩みの方には必須の検査です。

男性にとって泌尿器科や不妊の検査は、少しハードルが高く感じられるかもしれません。
しかしいまや不妊の半数は男性側にあることが常識になりつつあります。
恥ずかしさよりも、未来の家族のために、まずは一歩踏み出してみることが大切です。

「検査を受けてよかった」と感じる方も多くいますし、結果として安心につながることも少なくありません。
当院では、そんなお悩みに真摯に向き合い、安心してご相談いただける環境を整えています。

クリニックの紹介

いちおか泌尿器科クリニックについて

いちおか泌尿器科クリニックは、京都駅前に位置するアクセス便利な医療機関です。
当院は泌尿器科全般を幅広くカバーしながら特に男性不妊治療において専門性の高い診療を提供しています。

当院の診療理念は「患者様の生活と未来を支える医療」です。男性特有のデリケートな悩みに寄り添い的確で安心できる治療を行うことで、患者様一人ひとりの健康と希望をサポートしています。

当院の特徴

  1. 最新の医療技術を駆使した治療
  • 当院では男性不妊治療において最先端の手術技術を提供しています。
    精索静脈瘤に対する日帰り顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)、さらに非閉塞性無精子症に対応するFNAマッピングも行っています。
  1. 患者様の生活に配慮した日帰り手術
  • 他院では入院が必要とされる手術も当院では日帰りで対応可能です。
    平日や土曜日にも対応しており、仕事が忙しい方でも安心して治療を受けていただけます。
  1. プライバシーに配慮した診療環境
  • 男性不妊や泌尿器に関するデリケートな悩みは周囲に相談しづらいものです。
    当院では完全予約制を採用し患者様のプライバシーを徹底的に守ります。
  1. 専門性を活かした個別対応
  • 経験豊富な医師が患者様一人ひとりの状況を丁寧に診断し、最適な治療計画をご提案します。
  1. 総合病院並みの設備と柔軟な診療時間
  • 高度な医療機器を備えた院内設備を有し、泌尿器に関するあらゆる疾患に対応可能です。また忙しい方にも通いやすい診療体制を整えています。

診療内容

  • 男性不妊治療(精索静脈瘤手術、micro-TESE、FNAマッピング)
  • 前立腺疾患(前立腺肥大症、前立腺がんの検査・治療)
  • 尿路感染症、性病治療、尿失禁
  • 勃起不全(ED)や射精障害

アクセス情報と問い合わせ先

  • 所在地: 〒601-8001 京都市南区東九条室町47番地3
  • アクセス: JR京都駅八条口より徒歩2分
    JR京都駅コンコース2F「八条西口」のエレベーターまたは階段を下りて、目の前の「京都駅八条口交差点」の横断歩道を渡った「ホテル イビス スタイルズ 京都 ステーション」前です。

クリニック専用駐車場はございませんので、お車でご来院の方は近隣のコインパーキングをご利用ください。

  • 診療時間:月〜土
    午前診 9:00~12:00
    午後診(予約制) 13:00〜16:00
    夜診 17:00〜20:00
    休診日: 日・祝
  • 問い合わせ先
  • 電話番号: 075-672-7077
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市岡理事長からのメッセージ

男性特有の悩みは誰にも相談できず一人で抱え込んでしまう方も多いと思います。
いちおか泌尿器科クリニックでは患者様に寄り添いながら安心できる環境と最適な治療を提供します。
ぜひ一度お気軽にご相談ください。

当院の症例紹介やその他治療に関する情報を「いちおか泌尿器科公式SNS」で定期的に配信しております!

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男性不妊治療症例/「2年間妊活を続けたけど結果が出ない」40代男性

「2年間妊活を続けたけど結果が出ない」仕事と両立しながら治療に踏み出した35歳男性の成功事例

記事の内容を動画でご覧になりたい方はこちら

[動画版](男性不妊治療症例ブログ)「2年間妊活を続けたけど結果が出ない」仕事と両立しながら治療に踏み出した41歳男性の成功事例

こんにちは、いちおか泌尿器科クリニックの理事長 市岡です。
男性不妊治療を必要とされる方の中には、妊活に行き詰まり「自分に原因があるのでは」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
当院ではそういった方々が一歩踏み出せるよう、専門的な診療と的確な治療を提供しています。

今回の症例では2年間妊活を続けても自然妊娠に至らず、治療を決断された患者様のお話をご紹介します。同じような悩みをお持ちの方々にとって少しでも参考になれば幸いです。

 医療広告ガイドラインを順守するための限定解除項目

限定解除項目

症例の正確性と透明性を保つため、以下の表に詳細をまとめました。

通院時年齢

41歳

性別

男性

通院目的

妊活2年経過後も自然妊娠に至らず、不妊治療クリニックを受診したところ、精子が少なく、運動率も悪いといわれた。原因精査と治療を目的に受診。

治療内容

顕微鏡下精索静脈瘤手術を実施しました。この手術は精索静脈の異常な血流を遮断することで、精子の質を改善する治療法です。

治療期間・回数

日帰り手術を1回実施し、術後は3か月ごとに経過観察を行いました。

費用

手術代は健康保険適用で自己負担額約50,000円。

予約に基づく診療に関する保険外併用療育費(自費)が99,000円。

リスク・副作用

術後の軽度な痛みと腫れ、まれに動脈損傷の可能性がありますが適切に管理しています。

治療結果

精子濃度、精子運動率ともに改善。
術後6ヶ月で自然妊娠が確認される。

 「2年間妊活を続けたけど結果が出ない」に対する主治医の見解

患者様の背景

患者様は41歳の男性で、2年前に再婚されてから妊活を続けていましたが自然妊娠に至らず不妊治療クリニックを受診。

精子の数が少なく、運動率がかなり低いという指摘を受け「自分が原因なのではないか」「若い奥様に負担をかけているかもしれない」という強い不安を抱えていたようです。
AGA治療薬の服用をやめたり、禁煙に取り組んだりと生活習慣の見直しも行いましたが改善は見られず、年齢的な焦りもあって当院にご相談にいらっしゃいました。

市岡理事長のコメント

初診時の患者様は「自分が原因ではないか」という不安に加えて、若い奥様に負担をかけているかもしれないというプレッシャーを大きく感じており、とても悩まれていました。
妊活の期間が長引くほど精神的ストレスも高まりやすいため、まずは丁寧に現状を把握することが重要だと考えました。

「2年間妊活を続けたけど結果が出ない」患者様の診断結果

患者様の診断結果

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)とは

当院での精密検査では、精子濃度が800万個/ml(通常1600万個/ml以上)で、精子運動率が20%(通常40%以上)と、かなり低い数値が確認されました。加えて超音波検査では左側の精索静脈瘤(Grade 3)を認めました。

精索静脈瘤は、血液が滞留しやすくなることで精巣温度が上昇し、精子の質を下げる大きな要因となります。患者様のケースでは、これが妊娠しにくい状態をつくっている可能性が高いと判断しました。

市岡理事長のコメント

顕微鏡下精索静脈瘤手術を日帰りで実施することを提案し、患者様の不安をできるだけ軽減するために手術や経過観察の流れ、費用面を含めて詳細に説明しました。仕事を長期間休む必要がないため、生活スタイルを大きく変えずに治療できることも大きな利点となりました。

 「2年間妊活を続けたけど結果が出ない」患者様の治療計画

日帰り手術と経過観察

患者様の負担をできるだけ軽減するため、顕微鏡下精索静脈瘤手術を日帰りで実施する方針が立てられました。入院を必要としないため、仕事や家事などの日常生活を大きく乱すことなく治療に取り組めるのが最大の利点です。特に「長期的に休みが取りにくい」という悩みを持つ方にとって、時間的な負担を抑えながら治療を進められるのは大きなメリットといえます。

手術当日の流れ

患者様の治療計画

手術前に最終的な検査や説明を受け、疑問や不安を解消します。

2. 手術の実施

顕微鏡を用いて精索静脈瘤を確認し、血流を遮断する処置を行います。手術時間は数時間程度で、体への負担が比較的少ないとされています。

3. 休憩・経過確認

手術後は院内で短時間安静にし、問題がないかどうかを確認。痛みや腫れなど軽度の症状が出る場合もありますが、適切な管理を行います。

術後のフォローアップ

患者様の治療計画

手術後は3か月ごとに精液検査を行い、精子の濃度や運動率などの数値をチェックしながら回復状況を見守ります。必要に応じてサプリメントの活用や生活習慣のさらなる見直しもアドバイスし、仕事との両立がしやすい形で通院できるよう配慮します。

患者様の心境

手術に踏み切ることに対しては、当然「本当に改善できるのか」という不安がありながらも、長い妊活から抜け出すための前向きな期待も感じていらっしゃいました。また、もし改善が見られなかったらどうしようという焦りがある一方で、今できることはすべて試してみたいという強い思いが治療のモチベーションにもなっていました。

 「2年間妊活を続けたけど結果が出ない」患者様の治療結果(ビフォーアフター)

患者様の治療結果

術前の状態(Before)

精子濃度

約800万~840万個/ml

精子運動率

20%

妊娠確率

非常に低い状況が続き、夫婦ともに精神的負担が大きかった

術後3ヶ月の状態(After)

術後3か月

精子濃度

8000万個/ml

精子運動率

60%に改善

術後6か月

奥様の自然妊娠を確認

ビフォーアフターでの改善ポイント

精子の数が大幅に増加したことで、卵子に到達する確率が高まったことが最も大きな成果です。
さらに、精子の運動率が向上し、結果として妊娠の可能性が飛躍的に上がりました。

こうした数字の変化は、患者様ご自身が「努力が報われた」と実感できる要素にもなり、夫婦での精神的な負担も軽減されたようです。

 「2年間妊活を続けたけど結果が出ない」症例のまとめ

患者様が得られた3つの大きな変化

患者様が得られた3つの大きな変化

妊活に対する新たな希望

精子濃度・運動率の改善によって妊娠の可能性が高まり、夫婦が前向きに妊活に取り組めるようになりました。

夫婦の絆の強化

長期化した妊活により不安やプレッシャーを抱えていたご夫婦が、お互いを支え合う形で乗り越えたことで、より強い信頼関係が築ける結果となりました。

仕事と治療の両立

日帰り手術を選択したことで、仕事を長期的に休む必要がなく、生活リズムを大きく乱さずに治療を続けることができました。

市岡理事長からのメッセージ

「男性不妊は誰にでも起こり得る問題ですが、適切な診断と治療を受けることで改善の道は大きく広がります。
今回の患者様も手術後に『もっと早く相談していればよかった』とおっしゃいました。

妊活に行き詰まったときは、一人で抱え込まずに専門医の扉を叩いてみてください。
日帰り手術や最新技術を活用し、皆さんのライフスタイルに合わせた治療を提供できるよう心がけています。」

この症例から学べること

早めの受診が大切

男性不妊は原因が曖昧なままでは自然には改善しづらく、長期化するほど精神的負担が増大します。

ライフスタイルに合わせた治療

日帰り手術や柔軟な診療時間で、仕事や日常生活とのバランスを保ちながら治療を進めることが可能です。

夫婦で支え合う姿勢

不妊治療は夫婦二人で取り組むもの。協力し合うことで、より成果に結びつきやすくなります。

次に一歩を踏み出したい方へ

もし、この記事を読んで「自分も相談してみたい」と感じたら、ぜひお気軽にいちおか泌尿器科クリニックにご相談ください。
男性不妊治療の専門家として、私たちはあなたの未来の可能性を一緒に切り拓きます。

クリニックの紹介

いちおか泌尿器科クリニックについて

いちおか泌尿器科クリニックは、京都駅前に位置するアクセス便利な医療機関です。
当院は泌尿器科全般を幅広くカバーしながら特に男性不妊治療において専門性の高い診療を提供しています。

当院の診療理念は「患者様の生活と未来を支える医療」です。男性特有のデリケートな悩みに寄り添い的確で安心できる治療を行うことで、患者様一人ひとりの健康と希望をサポートしています。

当院の特徴

  1. 最新の医療技術を駆使した治療
  • 当院では男性不妊治療において最先端の手術技術を提供しています。
    精索静脈瘤に対する日帰り顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)、さらに非閉塞性無精子症に対応するFNAマッピングも行っています。
  1. 患者様の生活に配慮した日帰り手術
  • 他院では入院が必要とされる手術も当院では日帰りで対応可能です。
    平日や土曜日にも対応しており、仕事が忙しい方でも安心して治療を受けていただけます。
  1. プライバシーに配慮した診療環境
  • 男性不妊や泌尿器に関するデリケートな悩みは周囲に相談しづらいものです。
    当院では完全予約制を採用し患者様のプライバシーを徹底的に守ります。
  1. 専門性を活かした個別対応
  • 経験豊富な医師が患者様一人ひとりの状況を丁寧に診断し、最適な治療計画をご提案します。
  1. 総合病院並みの設備と柔軟な診療時間
  • 高度な医療機器を備えた院内設備を有し、泌尿器に関するあらゆる疾患に対応可能です。また忙しい方にも通いやすい診療体制を整えています。

診療内容

  • 男性不妊治療(精索静脈瘤手術、micro-TESE、FNAマッピング)
  • 前立腺疾患(前立腺肥大症、前立腺がんの検査・治療)
  • 尿路感染症、性病治療、尿失禁
  • 勃起不全(ED)や射精障害

アクセス情報と問い合わせ先

  • 所在地: 〒601-8001 京都市南区東九条室町47番地3
  • アクセス: JR京都駅八条口より徒歩2分
    JR京都駅コンコース2F「八条西口」のエレベーターまたは階段を下りて、目の前の「京都駅八条口交差点」の横断歩道を渡った「ホテル イビス スタイルズ 京都 ステーション」前です。

クリニック専用駐車場はございませんので、お車でご来院の方は近隣のコインパーキングをご利用ください。

  • 診療時間:月〜土
    午前診 9:00~12:00
    午後診(予約制) 13:00〜16:00
    夜診 17:00〜20:00
    休診日: 日・祝
  • 問い合わせ先
  • 電話番号: 075-672-7077
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