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2022年 「マスク着用における肌荒れについて」 – 田坂皮フ科クリニック 医師 田坂 佳名子 先生

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マスク着用における肌荒れについて、田坂皮フ科クリニック 院長 田坂 佳名子 先生にお話をお伺いしました。

2年にもわたる長期間のコロナ禍により、マスク着用が習慣化していますが、着用による肌トラブルに悩まされている方も多いことと思います。

マスクをするとなぜ肌トラブルがおこりやすいのでしょうか?

原因としては、まず肌との接触による摩擦(擦れ)、それから自身の呼気によるマスク内の蒸れですね。また、マスクそのものの素材が原因になっている場合もあります。

マスクによる肌トラブルで来院される患者さんはいらっしゃいますか?

一般的には、マスクをしているために極端に肌が荒れると感じる方は少ないと思います。しかし、中には皮膚が弱い方や、暑い環境の中で長時間マスクをつけて働いておられるといったこと等が重なって、肌が荒れて来院される方がいらっしゃいます。

どの素材のマスクによる肌トラブルが多いのでしょうか?

やはり、不織布のマスクが多い印象です。不織布は合成樹脂を固めて作られた化学繊維のものですので、それが肌にとっては良くないのではないでしょうか。

肌トラブルにはどのような症状がみられますか?

マスクが当たる部分にびまん性の紅斑こうはん(赤みが広範囲に広がった状態)ができたり、痒みを伴ったりします。たまに、丘疹きゅうしん(ぽつぽつとした発疹)の方も見られます。また、元々ニキビの症状がある方が悪化する場合や、新たにニキビができてしまう場合もあります。

肌トラブルの治療法について教えてください。

最近では、マスクによる肌トラブルのことを「マスク皮膚炎」といいますが、このように皮膚が直接ダメージを受けているところを修復するために塗り薬を処方します。

このような肌トラブルを起こさないように例えばどのようなマスクを選べばよいのでしょうか?

明らかにマスクでトラブルになっている方は、悪化している原因となっているマスクの素材は避けた方がよいでしょう。
素材としては綿100%のもの、いわゆる「布マスク」が肌には一番良いといわれていますが、感染のシャットアウト率は低いです。
不織布については、感染のシャットアウト率も高く、一般的に推奨されている素材です。また、お仕事上不織布のマスクを着けるよう言われている方も多いと思われます。
不織布マスクと肌の間に1枚ガーゼを入れて、直接肌に不織布が触れないように工夫するとよいでしょう。また、不織布でも立体の形状になっているものであれば口の周りに空間ができ、肌に触れる部分も少ないのでお勧めです。

肌トラブルを起こさないための肌ケアを教えてください。

肌が荒れるのは皮膚を守っている角質が乱れ、はがれてくると刺激に弱い皮膚になってしまうので、ご自宅でのスキンケアは、保湿をするということが重要です。
ニキビの方は「肌を乾燥させた方がよい」といわれていますが、保湿をしないと余計に荒れてトラブルが起きやすくなってしまいます。普段使用されているスキンケア用品が沁みると感じたときは、一時的でもワセリン系のものや低刺激性のものに変えるのもよいでしょう。



――――――本日はどうもありがとうございました。


お話を伺った先生:田坂 佳名子 先生(田坂皮フ科クリニック・大阪府吹田市


【略歴】

  • 平成15年 滋賀医科大学 医学部医学科 卒業
  • 平成15年 滋賀医科大学 医学部附属病院 勤務
  • 平成18年 公立甲賀病院 勤務
  • 平成20年 杏林大学医学部付属病院 勤務
  • 平成25年 田坂皮フ科クリニック 開院

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