本格的な夏到来にあわせて、日焼けで顔、首すじのアトピーが悪化して受診される患者さんが増えてきます。夏場のアトピーケアについて、まつもとクリニックの院長 松本 哲宜 先生にお話を伺います。
本格的な夏到来にあわせて、日焼けで顔、首すじのアトピーが悪化して受診される患者さんが増えてきます。
肌が敏感なアトピーの人は日焼けをすると黒くならずに真っ赤にはれあがってしまうことがよくあります。軽いやけどのように、ヒリヒリと痛むときには、ステロイド外用剤を短期間・集中的に使用するのが有効です。
しかし、一番よいのは、日焼け対策をしっかりすることです。
日焼け止めは、病院・医院で処方出来ませんから、街のドラッグストアなどで購入してください。
その時に「ノンケミカル」、「紫外線散乱剤入り」などの但し書きが書いてあるものを選ぶと、肌に優しいことが多いです。
SPF(Sun Protection Factor紫外線防御指数)が高い方が、紫外線をブロックするパワーが強いのですが、「紫外線吸収剤」が入っていることが多く、かえってかぶれてカユくなってしまう人もいるので、気をつけて下さい。
UVカット機能のある日がさ、帽子や手袋などのグッズを合わせて使うのもよいでしょう。
日焼け止めを塗る前には、いつも使っている化粧下地や、ローションタイプの保湿剤を塗るようにしましょう。直接日焼け止めを塗るよりも、肌への刺激が少なくなります。
メイク手順としては、まず化粧水、乳液、化粧下地(ベース)をつけ、その上に乳液タイプの日焼け止め、しばらく時間をおいて肌になじませた後、さらにリキッドタイプのファンデーションで、日焼け止め効果のあるものを、たたくように重ね塗りすると肌を守る力が高まります。最後に、パウダーで仕上げるとよいでしょう。これは、ナースでアトピー持ちの妻が実際に行っている方法です。参考にしてください。
病院・医院で処方される外用剤には、日焼けを防止する効果はありません。どんな軟膏でも、ベッチョリ塗って、日差しをジリジリ浴びることは、サンオイルを塗っているのと同じで、かえって日焼けをしやすくなってしまいますから、注意が必要です。
夜に軟膏を塗って、朝、顔を洗ってテカテカしていなければ、軟膏のせいで日焼けをしやすくなることはありませんが、『何もつけない=日焼けに対する防御力はゼロ』です。洗濯物を干す、窓辺の掃除、近所へちょっと買い物など、少しの時間でも油断は禁物ですよ。
ぜひ、日焼け止めやUVカットグッズを上手に使いこなして、これからの季節を乗り切ってください。それでもアトピーが悪化してしまったときには、早めに医療機関を受診してください。
――本日はどうもありがとうございました。(2009.6.3)
お話を伺った先生:松本 哲宜先生(まつもとクリニック・京都市左京区)
【プロフィール】
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